高齢者だけじゃない!若い方にも意外と多い『肋骨骨折』の症状・治療・リハビリについて解説します。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
これまで高齢者で多い骨折で、脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)と大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)、橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)についての概要とリハビリについて解説しました。
 
肋骨骨折(ろっこつこっせつ)も高齢者に多い骨折の1つですが、若い方でも咳のしすぎなどで起こすことがあります。
 
今回は「肋骨骨折」の概要と治療方法・リハビリについて解説していきます。
 
【key word】肋骨骨折・胸郭・保存療法・リハビリ
【対象者】一般の方・介護従事者・療法士学生・看護師・看護学生   など
 

肋骨骨折とは

 
肋骨骨折は比較的頻度の多い骨折です。
 
よく「あばらが痛い」と表現される方がいます。
 
肋骨を解剖で見てみると解剖学的に骨折しやすい場所であることが分かります。
 
 

肋骨の解剖

 
肋骨は12個の骨で構成されています。

肋骨は12個の骨で構成されています。

肋骨というのは全部で12個の骨があります。
 
そして、胸椎や胸骨などを含む「胸郭(きょうかく)」を構成する大切な部位になります。
 
ここでは、胸郭については割愛しますので、胸郭については以前の記事を合わせてお読みください。
 
写真を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、1つ1つの骨が小さくできているのがお分かりいただけると思います。
 
小さくできている=骨の強度が弱い といえます。
 
つまり、強い外力が加わると折れやすい骨であることが理解できると思います。
 
特に40代以降の成人〜高齢者にかけて多いといわれていますが、その中でも特に女性でご高齢の場合は女性ホルモンの関係もあり、骨の強度は弱くなり、骨折しやすくなります。
 
 

肋骨骨折の原因

 
上記では、女性でご高齢の場合は骨折しやすいと説明しましたが、若い方でもなる場合があります。
 
主に肋骨骨折をする原因は以下の通りです。
 
  • 女性で高齢
  • 高齢者全般
  • 咳のしすぎ
  • 交通事故
  • スポーツ
    ・格闘技
    ・ラグビー
    ・サッカー
    ・ゴルフ  など
 
スポーツでは、コンタクトスポーツであるラグビーやサッカーに多いですが、格闘技などにもみられます。
 
ゴルフはコンタクトスポーツではありませんが、スイングの度に身体を捻る動きが入ります。
 
常に筋肉に引っ張られ「肋軟骨損傷(ろくなんこつそんしょう)」を起こしやすく、もっと酷くなると肋骨の疲労骨折を起こすことがあります。
 
このような観点からいくと、身体を捻ることの多いスポーツやコンタクトの多いスポーツはどんなスポーツでも起こりうるといえます。
 
 

肋骨骨折の症状

 
  • 身体を捻ると痛い
  • 寝返りをしても痛い
  • 咳やくしゃみをして胸や脇腹が痛い
  • 深呼吸をしても胸や脇腹が痛い
  • 呼吸が何となくしにくい  など
 
このような症状が出ます。
 
身体を捻ったり、咳をしたりすると痛みが起こるのは何となく想像ができると思います。
 
しかし、呼吸時になぜ痛みが起こるのか。
 
これは上にも書きましたが、「胸郭」が関わってきます。
 
呼吸をすると、酸素が体内に入り肺が膨らみます。この際、胸郭も連動して広がっていきます。
 
胸郭が広がる ⇒ 肋骨が動く ⇒ 骨折部位に痛みが起こる
 
こういう理屈で痛みが起こります。
 
 

肋骨骨折の診断

 
  • 問診
  • 触診
  • レントゲン
  • 骨シンチグラフィー検査
 
上記のような症状がないか問診をし、触って痛みが出ないか、痛みのある部位を特定していきます。
 
また、問診や触診のような理学的所見だけではなく、レントゲンを撮り骨折がないか確認をします。
 
レントゲンで骨折があるかどうか分かりにくい場合やその他の病気があるかどうかを特定する場合に、骨シンチグラフィー検査をすることがあります。
 
 

肋骨骨折の治療

肺や心臓、血管などの損傷がない場合、殆どは、

  • 消炎鎮痛剤の内服
  • 湿布
  • バストバンド固定
 
これらの保存的な治療にて「安静」というのが一般的です。

グルトの骨癒合(骨がつく)期間では、肋骨は3週〜が1つの安静期間の目安になります。
注意

どんな骨折でもそうですが、「骨折具合」だったり、年齢、内服状況、他の病気などの影響がありますので、安静期間は医師の判断が必要です。
バストバンドの目的は、動く時に制限をかけ、骨折部への負担を軽減することにあります。
 
クライアントさん
「寝ているときもしておいたほうがいいですか?」
これはよく聞かれます。

しっかり折れてしまっている場合は24時間着けておく指示が出ることもありますし、ヒビ程度であれば寝ている時は外して、動く時にするという指示になることが経験上多いです。

「状態に応じて」ということになります。

この辺の判断もレントゲンなどをチェックして、医師が判断します。

 
 

肋骨骨折のリハビリテーション

 
肋骨骨折だからといってこれをするというものは正直ありません。
 
ですので、肋骨骨折をしたからといってもリハビリのオーダーが出ないことも多いのが実情です。
 
以下には、肋骨骨折をしてリハビリのオーダーが出た場合にどんなことをするのかを説明します。
 
 
バストバンドをしながら、身体を捻らない動きを指導する、廃用症候群がすすまないように患部に負担がかからない筋力トレーニングの指導が中心になります。
 
また、これは療法士によりけりですが、バストバンドをしていることで動きも制限されます。
 
そのため、骨盤の動きが悪くなったり、呼吸筋・呼吸補助筋が固くなりやすい傾向にあるため、リラクゼーション目的でマッサージを私はします。
 
呼吸筋・呼吸補助筋に関しては以下の関連記事をお読みください。
 
 

まとめ

 
肋骨骨折についてまとめてみましたがいかがでしょうか。
 
  • 肋骨骨折は高齢者に多い骨折の1つ
  • 特に女性で高齢の方に起こりやすい
  • スポーツでも起こる
  • 治療は保存療法が中心で安静が一定期間必要
  • リハビリは廃用症候群の予防が中心である
 
この辺りを抑えておくと良いと思います。
 
少しでも参考になれば幸いです。
 
 
 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。 コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。 リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。 リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。 コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。 どうぞよろしくお願いします。