「拘縮」みなさん本当に拘縮の意味をご存知ですか?拘縮と強直の違い・リハビリについて誰でも分かるようにやさしく解説します。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

医療現場や介護現場でよく聞く「拘縮」という言葉。

本当にみなさん、それは拘縮ですか?それとも強直ですか?

あまりにもよく聞く言葉であるため、何となく安易に使用している人が多いように感じます。

拘縮と強直というのは全く別物です。

そしてそのケアをする私たち理学療法士。

「拘縮がひどいのでリハビリをお願いします。」

このようにリハビリの指示を受けますが、正直言うと、そんなに簡単に改善はできません。

それはなぜか?
 
拘縮」ではなく「強直(きょうちょく)」にもうすでに移行してしまっている人が非常に多いからです。
 

強直になってしまうと、もう現代医学では改善は限りなく難しくなります。

でも、逆にいうと、早く対処できれば改善できる余地が多いということです。

今回は拘縮と強直の違いについて、その意味や病態、原因、リハビリについて解説をしていきます。

今日でみなさんは一歩上の目線を持つことができますよ。

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【対象】一般の方・ケアマネ・介護従事者
【Keyword】拘縮・強直・リハビリ・予防


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関節可動域って?関節可動域制限って?

まず「関節可動域」について説明していきます。

関節可動域とは、「関節の動く範囲」のことを言います。

つまり、関節の動く範囲を関節可動域、関節が動く範囲が小さくなってしまったことを関節可動域制限と言います。

リハビリの現場では、「ROM」とか「ROM制限」と使用されます。

 

ROMとは

関節可動域を英語にすると、Range  OMotionとなります。

頭文字をとってROM(アールオーエム)と言います。

よく介護職の方や看護師の方々がROMを「ロム」なんて言う人がいますが、そういう呼び方はしません。

こういう風に読んでいるなと自覚している人は、今日から呼び方を変えましょう。

カルテや記録用紙に記載するときは、関節可動域と書いてもいいですが大変なので、ROMと書くと楽ですよ。

そして呼ぶときはアールオーエムと呼びましょう。

 

関節可動域制限の定義

関節可動域とは、自分で動かせる範囲と人が動かす範囲とに分類されます。

自分で動かせる範囲は筋力なども関係してくるので、今回は人が動かす範囲について解説していきます。

1つ1つの関節がどのくらい動くのか、どういう指標でみていく必要があるのか?

これについては専門的な分野になってくるので理学療法士や作業療法士が評価していくので理解しなくてもいいと思いますが、ご紹介だけしますね。

私たち療法士が各関節の可動域が何度なのか記載するのは、「日本整形外科・日本リハビリテーション医学会」で定められている「参考可動域」に準じて判断をしています。
 
日本整形外科・日本リハビリテーション医学会
 
 
この参考可動域をベースに、肩の屈曲が何度とか股関節の伸展が何度などとチェックしていきます。

そして定められた数値と実際に計測した数値に差がある場合を「関節可動域制限あり」とします。

記載例) 肩関節の屈曲制限あり:ROM140°

 

関節可動域制限の原因

関節可動域制限とは、関節周囲に存在する「軟部組織が原因で生じたもの」「軟骨や骨などの関節を作るそのもの自体の原因」とに分けられるのですが、ここでは軟部組織が原因のものを解説していきます。

 

拘縮は軟部組織が原因で生じる

  • 皮膚
  • 皮下組織
  • 筋膜
  • 筋肉
  • 腱(スジ)
  • 靭帯
  • 関節包(関節を包む膜)

 

これらの軟部組織そのものに原因があるものを拘縮と定義されています。

 

では、強直について解説します

簡単に説明してしまいますと、拘縮がさらに進行した状態を強直と言います。

補足
先天性(生まれつき)の骨癒合症や関節リウマチなどでみられる軟骨破壊後の骨性強直は除きます。

拘縮というのは「可逆的なもの(改善する可能性があるもの)」「強直は非可逆的なもの(改善は難しいもの)」と理解していただけるといいと思います。

つまり、拘縮はリハビリで改善できますが、強直は難しいということです。

強直を治すのには手術などの観血的な治療が必要になると理解してください。

 

拘縮を起こす原因

  • 年齢・罹病期間(病気になってからの期間)
  • 日常生活でどれだけ動いてるのか
  • 脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患による痙性麻痺(けいせいまひ)
  • 痛み
  • 浮腫(むくみ) など

 

このように、原因はたくさんあります。

あまり難しくなるのはよろしくないので、ポイントとしては、

関節の不動

つまり、 「関節を動かさない」ということです。

これは年齢や病気、病気になってからの期間、痛み、浮腫などに共通してくる部分なのですね。

つまり拘縮を起こさないためには、いかに身体活動を高めて、関節を動かす時間を多くするか。これがポイントになってくるわけですね。

これには以前記事で書いた「早期離床」という考え方も非常に重要になってくるわけです。

「早期離床」と「ワッサーマンの歯車」。まさかこれを知らない療法士はいませんよね?すぐに理解できます。

2015.10.26

 

拘縮に対するリハビリの基礎知識

動ける人に限られますが、「全身運動」をすることはまず大事になってきます。

体を動かして、身体活動を高めておけばそう簡単に拘縮はおきません。

そして、拘縮を起こしやすい部位(場所)に対して「マッサージ」をしたり、「ストレッチ」を行うことが重要になり、自分で関節を少しでも動かせる人は動く範囲で動かすことが重要です。

あとは「温熱療法」も効果的です。

拘縮を起こしやすい場所

  • 肩関節
  • 手指関節
  • 股関節
  • 膝関節
  • 足関節(足首)


こんなところが有名な関節になりますが、私の臨床経験では骨盤の動きは制限されやすいです。
 
ここでは細かく記載しませんが、骨盤の動きは背骨や股関節・膝関節・足関節などと連動して動くのですが、骨盤の動きが悪い人はこのような場所にも影響を及ぼします。

専門用語で言うと、「運動連鎖」と言います。

ここで理解していただきたいのは、関節と書いてますが上述したように軟部組織が原因になって結果的に関節が動かなくなっているということを理解してください。
 
つまり、各関節に関わる筋筋膜や皮膚などへのアプローチが大切だということです。

 

重要になる筋肉を一部ご紹介します

  • 小・大胸筋 → 肩に関わります
  • ハムストリングス → 膝に関わります
  • 大腿直筋 → 股関節・膝に関わります
  • 大内転筋・薄筋・縫工筋 → 股関節に関わります
  • 腓腹筋 → 膝・足首に関わります

胸筋・大腿直筋
薄筋・縫工筋・腓腹筋

 

マッサージ・ストレッチ方法

マッサージは上記筋肉を狙って行います。

ストレッチ方法については以下のサイトをご参考にしてくださいね。
 
こちらのサイト運営者も理学療法士の先生です。

ストレッチ方法

 

まとめ

  • 拘縮と強直の違いは重要
  • 拘縮とは改善できるもの、強直は改善が難しいもの
  • 拘縮は大きくまとめると関節を動かさないことで起こるもの
  • 拘縮が起きる前から予防していくことが重要であること
  • 予防や改善にはマッサージやストレッチ、温めることも重要であること

いかがでしたでしょうか?

出来る限り分かりやすく解説したつもりです。

少しでも参考になれば幸いです。

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参考資料/引用画像

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。 コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。 リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。 リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。 コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。 どうぞよろしくお願いします。