足のトラブルの代表格『モートン病(神経腫)』の原因やインソール治療・セルフケアについてリハビリの専門家が解説。


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<2018年5月23日加筆修正>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
 
記事内で足の専門医療はとても重要であること、そして都内に日本初となる「足の診療所」ができたことをお伝えしました。
 
 

そして足の疾患でも比較的多いのが、『モートン病』です。

モートン神経腫とも呼ばれますが、この記事内ではモートン病に統一して進めていきます。

 
では、今回はモートン病について分かりやすく解説していきます。
 

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モートン病とは

足の裏の第3〜4足趾間(足の指の3本目の指〜4本目の指の間)に該当する部分にこぶ(神経腫)のようなものができます。
このこぶが「深横中足靭帯(しんおうちゅうそくじんたい)」と地面の間で圧迫され、3番目と4番目の指への痺れや痛み、灼熱感(焼けるような感覚)などの神経症状を主訴とする病気です。
 
モートン病
引用画像:MELIT
 
モートン病1
引用画像:飯島整形外科
 
あくまで多いのが第3〜4の足の指の間であって、他の指の間でも起こることはあります。
基本的な症状は上記の通りですが、場合によってはふくらはぎまで痛みが出ることがあります。
成人女性に多いといわれています。
 
 

モートン病の原因

 
これは主に「靴」といわれています。
 
合っていない靴を履くことにより足の付け根に無駄な力が入ること、ヒール靴を長時間履くことで足の指の付け根部分に負担がかかることなどが考えられます。
 
またそれ以外で考えられるのは、
 
  • 扁平足(へんぺいそく)
  • 外反母趾(がいはんぼし)
  • 内反小趾(ないはんしょうし)
  • 開帳足(かいちょうそく)
 
つまり、足の裏の筋力が低下している、若しくはうまく使われていないことで足のアーチが崩れ、モートン病を引き起こす原因として考えられています。

足のアーチについては以下の記事をお読みください。

【関連記事】
理学療法士が教える 正しい足アーチのつくり方~基礎編~
足はアート!「足(足部)」の骨・関節・アーチの基礎知識を解説します。

 
 

モートン病の診断

 
  • 問診
    ・特徴的な症状があるかどうか
  • 理学的所見
    ・叩いて痛みが指に向かってでるかどうか(ティネル徴候)
    ・足の指を反らせて痛みがあるかどうか、つま先立ちで痛みがあるかどうか
モートン病検査 ティネル徴候

モートン病の治療

 
  • 靴の選び方と履き方の指導
  • インソール(中敷き)調整
  • ステロイド注射
  • 内服治療
  • 手術

モートン病に対して、インソールは経験上効果的です。

今は既製品のインソールでも非常に優秀なものも多いので、試してみる価値はあると思いますよ。

このサイトでもインソールのことについては多く記事を書いていますし、MONOQLOという雑誌でもインソールのことについて情報提供もしていますので、以下の関連記事を参考にしてみてください。

【関連記事】
足・膝・腰の痛みには『立方骨』を持ち上げて足のアーチを自然に作ることが大切。おすすめインソールもご紹介します。
MONOQLO2018年5月号に掲載されたインソール10商品を理学療法士が徹底解説!
メディア掲載|晋遊舎『MONOQLO 2018年5月号』にインソールの目的と効果、既製品インソール10商品へのコメントが掲載されました。
理学療法士が教える正しい足アーチのつくり方 ~サポーター・テーピング・インソール編~

モートン病に対するセルフケア・セルフトレーニング

 
何度も言いますが、モートン病の原因の多くは「靴」です。

治療のところでも挙げたように、モートン病にならないためには靴の選び方と履き方は重要です。

そして正しい靴が選べた後は、それに合わせたインソールが有効です。
 
たったこれだけで痛みが治まる方も多くいます。
 
足のアーチの崩れはモートン病を引き起こす要因になります。
 
足のアーチを作るセルフトレーニングをすることが推奨されます。
 
その代表的なものが「タオルギャザー」です。
 
 タオルギャザー
【方法】
  1. 椅子に腰かけて、足の下にタオルを敷く
  2. 足の指を使ってタオルを手前に引き寄せる

 

モートン病に対するセルフケア〜応用編〜

 
モートン病だと診断され、手術をしたとしても痛みが取れないケースもあります。
 
何故でしょうか?
 
それはモートン病自体が痛みの原因ではないからです。
 
こんなケースでは、「筋膜のつながり」というのを意識すると効果的なことがあります。
 
最近はこの「筋膜」がすごく注目されています。
 
 
では、モートン病を考えた時の筋膜のつながりを見てみます。
アナトミートレイン SBL
引用元:アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線ー第2版
足の裏から頭まで、ずっとつながっているのが分かると思います。
 
特に私の経験上、モートン病の場合は「足の裏」「ふくらはぎ」はポイントになります。
 
まずは足の裏やふくらはぎの筋膜に対してセルフケアしてみてください。
 
筋膜リリース
 【方法】
  1. ゴルフボールまたはテニスボールを使用し、足の裏にセットします。
  2. 少し押し当て、押し当てたまま一定のリズムでゆっくりと前後に動かす。
  3. 小指側・真ん中・親指側と全体に行って下さい。
注意
こぶ(神経腫)のある場所や、これをやることで痛みが増強する場合は中止してください。
筋膜リリース1

【方法】

  1. ゴルフボールまたはテニスボールを使用し、ふくらはぎにセットします。
  2. 少し押し当て、押し当てたまま一定のリズムでゆっくりと前後に動かす。
  3. 内側・外側・真ん中と全体に行って下さい。

 

ではこれに引き続き、筋膜のつながりとはまた別の話しになりますが、足の裏やふくらはぎの「逆の作用」をする筋肉も重要になってきます。

これを「拮抗筋(きっこうきん)」といいます。

この拮抗筋にも筋膜のトラブルを起こすことがあります。

足の裏やふくらはぎだけでなく、「足の甲」「脛(すね)の筋肉」に対してもセルフケアしてあげてください。

筋膜リリース3

【方法】

  1. 指の関節を利用します。
  2. 指と指の間に指の関節をセットする。
  3. 少し押し当て、押し当てたまま一定のリズムでゆっくりと指先に向かって滑らす。
  4. 全ての指と指の間を行ってください。

 

筋膜リリース2

【方法】

  1. ゴルフボールまたはテニスボールを使用し、ふくらはぎにセットします。
  2. 少し押し当て、押し当てたまま一定のリズムでゆっくりと前後に動かす。
  3. 内側・外側・真ん中と全体に行って下さい。
 
ポイントは『押し当てたまま・一定のリズム・ゆっくり』です!
 
 
もしこれで痛みが軽減した場合、モートン病が原因の痛みではない可能性があります。
 
セルフケアを続けることをオススメします。
 
 
最後に、以下にオススメのクリニックとサロンをご紹介します。
 
 

オススメのクリニック

 
日本初の足の医療専門クリニックです。
足にトラブルを抱えている方はオススメします。
 
無題
 
 

オススメのサロン

 
筋膜治療に特化し独立している、理学療法士の方が運営しているサロンです。
モートン病でも筋膜調整で改善している方も多いそうですよ。
モートン病と診断され、色々試しても改善がみられない方はご相談してみてください。
 
 
 

まとめ

足裏に引き起こす痛み・モートン病について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

モートン病は足のトラブルでも比較的多い疾患の1つです。

その多くは靴が合っていないことが原因になります。
また、モートン病に限らず足に痛みを抱えている方、膝や腰が痛い方など足元が原因かもしれません。
是非、靴の履き方と選び方を見直してみてください。
参考になれば幸いです。
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。