『外反母趾』と子供に多い『内反小趾』。靴・サポーターなど治療のポイントを解説します。


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<2017年10月2日修正・追記>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
足元のトラブルは身体全体のトラブルにつながりやすいです。
 
そのためにはインソールが有効ですという記事を過去に書きました。
 
足元のトラブルで代表例としてよく聞くのが、「外反母趾(がいはんぼし)」です。
 
外反母趾はもちろんトラブルの代表例ですが、意外と忘れてはいけないもう1つのトラブルとして「内反小趾(ないはんしょうし)」というものがあります。
 
この内反小趾は軽視されがちな印象をもっていますが、実は子供にも非常に多く「浮き指」と並んで問題です。
 
今回浮き指のことは割愛させていただきますが(後日書きます)、外反母趾と内反小趾についての概要を解説していきます。 

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外反母趾・内反小趾とは

 

外反母趾

 
外反母趾は聞き慣れている方も多いと思いますが、足の親指がくの字に曲がる変形が起こり、飛び出している部分に痛みが起こります。
外反母趾
引用画像:吉野整形外科
 

内反小趾

 
外反母趾とは逆の事が起きているのが内反小趾で、足の小指が内側にくの字に曲がる変形が起こり、飛び出している部分に痛みが起こります。
内反小趾
引用画像:古東整形外科
 
そして冒頭にも書きましたが、内反小趾は子供に多いです。

私が所属しているNPOオーソティックスソサエティーという足の専門家団体があるのですが、ここでは「フットプリント」を使い足の調査をしてデータを取っています。

フットプリントとは

フットプリントは簡易的に足型をとれるものです。
リハビリを行う上でも非常に有効なものと私は思っています。
フットプリントについてはまた近日記事にします。
 
 
千葉県の幼稚園に通う子供たち293人を対象に、足のサイズや指の変形、足裏の接地の具合を調べたデータをみると…
 
なんと、70%に「内反小趾」が見られました。
さらに、子供たちの4%が、中高年の足のトラブルと思われていた「外反母趾」を抱えていることがわかったのです。
引用:NPOオーソティックスソサエティー
 
どうでしょう?
 
70%に内反小趾があったというデータは無視できません。かなりの高確率ですよね。
 

靴文化の長い欧米人に多かった外反母趾・内反小趾ですが、最近は日本でも多く見られるようになってきています。
 
 

外反母趾・内反小趾の原因は主に4つ

 
  1. 幅の狭い靴を履く
  2. ハイヒールを履くことが多い
  3. 扁平足(へんぺいそく)
  4. 開張足(かいちょうそく)
 
これらが主な原因となります。
 
 

幅の狭い靴を履く

 
幅の狭い靴を履く(特につま先)と、当然ですが足の指は圧迫されます。
 
圧迫され続けると変形が起こりやすくなります。
 
 

ハイヒールを履くことが多い

 
ハイヒールを履くと、指の付け根に常に体重がかかり変形を助長させます。
 
ハイヒールは高さにもよって違いはあるものの、平らな靴と比較して1.5〜3倍の負荷が指の付け根にかかるといわれています。
 
 

扁平足

 
扁平足は基本的に以下の4つの筋肉の筋力低下により起こります。
 
  1. 長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)
  2. 長趾屈筋(ちょうしくっきん)
  3. 前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
  4. 後脛骨筋(こうけいこつきん)
 
これら4つの筋力が衰えると扁平足になりやすくなります。
 
詳しくは以下の関連記事に画像付きで解説していますので、合わせてお読みください。
 
 

開張足

 
開張足とは、足の「横アーチ」という部分がつぶれてしまうことをいいます。
足裏・横アーチ

足を真上から見てみると、つぶれてしまっているため、足の横幅が広がっていることが分かります。
 
開張足は深横中足靭帯(しんおうちゅうそくじんたい)という靭帯で支えられているほか、母趾内転筋・横頭(ぼしないてんきん・おうとう)という筋肉が関与します。
母趾内転筋・横頭

 
ここの支えが弱くなると開張足になりやすくなります。
 
 

外反母趾・内反小趾の痛みの原因

 
くの字に曲がり、出っ張ってしまった部分には、「腱膜(けんまく)」という組織が存在します。
 
多くの場合、この腱膜や皮膚が刺激を受け続け炎症が起こり、痛みが起こります。
 
 

外反母趾・内反小趾に対するリハビリテーション。ポイントは4つ!

 
原因を見てもらえればお分かりいただけると思いますが、
 
  1. 適切な靴の選び方と履き方
  2. 扁平足の予防と改善
  3. 開張足の予防と改善
  4. インソール(中敷き)療法
 
この4つが基本的なポイントです。
 
 

適切な靴の選び方と履き方

以下の関連記事に解説してますので、合わせてお読みください。
近日中に上記関連記事よりももう少し細かく靴のことについて記事にします。

 

扁平足・開張足の改善と予防

 
以下の関連記事に解説してますので、合わせてお読みください。
 
関連記事では扁平足について解説していますが、開張足も同様のエクササイズです。
 
 

インソール療法

 
インソールは自分の足に合った動的インソールが良いとこれまでもお伝えしてきました。
 
ただ、少し値段が高いというのがネックです。
 
本来であればオリジナルなものをおすすめしますが、ちょっと高くてまずは既製品のものからという方には外反母趾用の既製インソールをご紹介します。
 
 
さらに、外反母趾・内反小趾パッドやサポーターも有効なことがあります。合わせて使ってみるのもいいと思います。
 
 
 

外反母趾・内反小趾に対する手術

 
外反母趾がすすみ、痛みがどうしても取れない場合に手術が適応されることがあります。
引用画像:吉野整形外科
引用画像:吉野整形外科
術式については様々ありますので、該当する方は担当医にご相談ください。
 
 

まとめ

 
外反母趾と内反小趾についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。
 
まず大事なのは外反母趾・内反小趾にならないようにするということが大事です。
 
つまり、予防が大切になってくるということです。
 
ここまで説明した通り、靴をしっかり選ぶことと、扁平足・開張足を起こさないようにすることで未然に防げます。
 
そして普段から足と靴に合わせたインソールを使用することで良い状態を保てます。
 
足元のトラブルは膝や腰の痛み、肩こりなど全身に及ぶこともありますので一度足元から健康を考えてみるのもいいのではないでしょうか。
 
特にお子さんのいる親御さんは今一度靴をしっかりと見てあげてください。
 
参考になれば幸いです。
 
 

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>>次のページは
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。