膝の外側の痛み『ランナーズニー(腸脛靭帯炎)』の概要、サポーター・テーピングを含む治療方法について解説します。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
名前に「ランナー」と付いているだけあってマラソン選手やマラソン愛好家に多い怪我について解説をしていきます。
 
ランナーズニーはknee、つまり「膝の怪我」を指します。
 
走ることによって膝にトラブルを起こすことを指しますが、その中の1つの怪我として捉えることが大切です。
 
ランナーの膝の怪我が全てランナーズニーということではありませんので、ご注意ください。
 
 


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ランナーズニーとは

 
冒頭に書いたように、マラソンやランニングなどする方に起こりやすい膝の外側に炎症を起こし痛みが起こる怪我のことをいいます。
 
日本語では「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」といいます。
 
 
この記事では、ランナーズニーという言葉を使用して説明していきます。
 
 

ランナーズニーが起こる原因

 
膝の外側には腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という靭帯が付着しています。
 
過剰なマラソンやランニングによって、この靭帯に機械的なストレスが加わることで炎症を引き起こします。
 
 
膝というのは曲げる「屈曲」と、伸ばす「伸展」が繰り返されます。
 
腸脛靭帯が大腿骨の外顆(がいか)という場所で屈伸が繰り返されることで擦れ合い、炎症の引き金となります。
 
痛みを引き起こすタイミングとして多いのが、
 
膝を曲げた状態から伸ばした時
 
この時に痛みが出る方が多いです。
 
マラソンやランニングで考えられるのは、前への推進力を出す時、つまり「蹴り出す」時に痛みを引き起こすということになります。
 
 

ランナーズニーの検査と診断

 

検査

一般的には、徒手検査により確認されます。
 

Grasping(グラスピング)テスト

 
 
【方法】
・膝を90°曲げ、大腿骨の外顆の少し上部分を圧迫。
・指で圧迫したまま、膝を伸ばす。
・痛みが誘発されるかどうか。
 
痛みが誘発されれば「陽性」となります。
 
 

Ober’s(オーバー)テスト

  
【方法】
・検査側の足を上にして横向きになる。
・股関節を少し後ろに引いて持ち上げる(伸展+外転)。
・そのままゆっくり股を閉じる方向に足を下ろす(内転)。
 
十分に足が下りない(内転できない)、痛みが誘発される場合は「陽性」となります。

 

 
この検査で痛みが出れば「陽性」となります。
 
 

ランナーズニーの治療とリハビリテーション

 
ランナーズニーの一般的な治療方法としては、
 
  • 運動量を減らす(安静)
  • 運動前後のアイシング
  • 腸脛靭帯のストレッチ
  • 局所的な注射
  • 湿布や消炎鎮痛剤の内服
  • 物理療法(電気治療、超音波療法、温熱療法)
 
これらが一般的に行われる治療となり、これに加えて「インソール療法」が行われることもあります。
 
経験上、インソールは効果的だと考えています。
 
 
 

腸脛靭帯のストレッチ方法

 
 
【方法】
・仰向けで寝る。
・ストレッチしたい方の足を逆足の上を交差させる。
・足を矢印方向に伸ばす。
・伸ばされていると感じるところで30秒キープする。
 
 
【方法】
・立ったまま手を壁につく。
・ストレッチしたい方の足を後ろに引いて逆足と交差させる。
・骨盤を壁側に押し当てる。
・伸びていると感じるところで30秒キープする。
 

膝の外側に痛みを引き起こすトリガーポイント

ランナーズニーでは、腸脛靭帯の付着部に機械的なストレスが加わることで痛みが起こることはここまで説明してきた通りです。
 
しかし、ここまで説明してきた一般的に行われる治療を行っても改善しないというケースもあります。
 
このような場合は、筋膜の癒着が起こりトリガーポイントが形成されている場合があります。
 
そのような場合は、トリガーポイントをリリースすることで改善することがあります。
 
以下に膝の外側の痛みを引き起こす代表的なトリガーポイントをご紹介します。
 

 

外側広筋

  

【関連痛パターン】
筋肉中央部のトリガーポイントは、大腿部外側全体に痛みを引き起こし、遠位部のトリガーポイントは膝の外側面に関連痛を引き起こす。

 

大腿筋膜張筋

 
【関連痛パターン】
この筋肉の関連痛は、大腿部外側全体に起こり、大転子まで及ぶこともある。
 

大腿二頭筋

 
【関連痛パターン】
この筋肉は、膝の外側から後面にかけて起こる。 
 
 
画像に示す×印を指の腹で圧迫する、指の腹や指の関節でグリグリマッサージをする、ゴルフボールやテニスボール、トリガーポイント用ボールを使用して圧迫やマッサージをすると効果的です。
 
 
 
圧迫の場合は30秒圧迫し、30秒解放するということを何度か行ってみてください。
 
画像の青色に示す部分に関連痛を引き起こす場合は、そこのトリガーポイントが原因になっている可能性がありますので、セルフケアを継続してみてください。
 
 

腸脛靭帯へはグリッドフォームローラーを使用した筋膜リリースがおすすめ

 
 
写真のようにグリッドフォームローラーをセットして、一定の圧力・一定のリズムでゆっくりと動かしてください。
 
私はよくこれでセルフケアをしていますが、痛いですがめちゃくちゃ効きます。

1つ持っておくと色々使えて便利ですよ。おすすめです。

 
 

ランナーズニーの予防にサポーターやテーピングは効果的

 
どんな怪我や病気も未然に予防できることがたくさんあります。
 
ランナーズニーを引き起こさないために、運動前後にはしっかり準備運動を行う、クールダウンをしっかり行うことが大切です。
 
また、それと同時に、膝への違和感や痛みを感じる場合はサポーターやテーピングを状態が悪くなる前からすることが効果的です。
 
 
腸脛靭帯へのテーピング方法の動画を貼りつけておきます。

参考にしてください。

 
 
 
 

まとめ

 
ランナーズニーについての概要について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
 
大まかにまとめると、以下の通りです。
 
  • 腸脛靭帯に繰り返しストレスが加わることで炎症を起こす
  • 膝の外側に痛みが出る
  • 普段から柔軟性を作っておくことが大切
  • インソールは効果的
  • 一般的な治療を行っても改善しない場合、筋膜の機能異常が考えられる
  • 予防が大切
 
是非、参考になれば幸いです。
 
 
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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。