足のトラブルで多い「足底筋膜炎」の治療方法・リハビリ・予防を詳しく解説します。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

先日、足の構造・アーチのことについて解説しました。 

まだお読みでない方は足(足部)の骨・関節・アーチの基礎知識を解説します。をお読みください。

今回はそんな足のトラブルでも多い、「足底筋(腱)膜炎(そくていきんまくえん)」の概要とリハビリ・予防方法の基礎知識についてやさしく解説していきます。

この足底筋膜炎は一般の方々もそうですし、スポーツ選手にも多い疾患です。

そんな皆様の一助になればと思います。 それでは始めますね。

【KeyWord】足底筋(腱)膜炎・筋膜・治療・リハビリ・予防

足底筋膜炎とは

足の付け根から踵(かかと)まで、足の裏に足底筋膜という弓の弦のような形をした組織が張り巡らされています。

ここに炎症を起こすのが足底筋膜炎です。

足底筋膜 足底筋膜 足底筋膜炎


特に痛みを起こすのが、踵の骨の前あたりと言われていますが、私の臨床経験では指の付け根が痛くなる方もいれば、中央部分が痛くなる方もいます。

足底筋膜炎は、炎症というよりは足底筋膜に繰り返し負荷がかかることで起きる障害のため、足底筋膜炎という名称は正しくないとされる見解もあるようですね。中には足底筋膜症とも呼ばれていたりします。

この記事においては足底筋膜炎という名称を使用してすすめていきます。

 

原因

歩く、走る、ジャンプする、ハイヒールをよく履く、こんな普段から当たり前の動きで発症します。

足底筋膜をゴムに例えてみましょう。

ゴムは伸び縮みしますよね?足底筋膜も同じで伸び縮みします。

足底筋膜は踵から指の付け根までついていますので、単純に歩けばそこには張力が発生するわけです。

つまり、伸び縮みしますね。走ることやジャンプして着地したときの衝撃は歩くことよりも当然強い負荷がかかるわけです。

そう考えると、ものすごく足底筋膜が引っ張られることが想像できると思います。

この繰り返しによって発症します。

この理解をより深めるには、トラス機構・ウィンドラス機構の考え方を理解する必要があります。以下の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。

 

過去に足底筋膜炎を患った有名なスポーツ選手

  • 有森裕子選手 → マラソン
  • 大平美樹選手 → マラソン
  • 近藤共弘選手 → ゴルフ
  • 深堀圭一郎選手 → ゴルフ
  • 和田 毅選手 → 野球

まだたくさんいるのですが、マラソンやゴルフ選手に多そうですね。

あとはジャンプをたくさんする、バレーボール選手やバスケットボール選手にも多いと考えられます。

ゴルフは手のスポーツだと思われている方もいますが、完全に下半身スポーツです。プロゴルファーの下半身の太さを見るとお分かりいただけると思います。スイング時にはかなりの負荷が足の裏にかかります。

ゴルフ関連の記事はこちらです↓

症状

  • 朝起きたときの一歩目がすごく痛い。
  • 動いているうちに痛みは引くが、また痛くなってくる。
  • 長時間座ったあとの歩き始めが痛い。
  • 踵の前あたりを押されると痛い。

 

治療・リハビリ

一般的に言われている治療方法は以下の通りです。

  • いつもより少し小股で歩く
  • 走ったり、ジャンプしたりする運動はしない
  • ふくらはぎや足の裏のストレッチ
  • テーピング
  • サポーター
  • インソール(中敷き)
  • 低周波治療・温熱療法などの物理療法

それぞれの方法については、以下の記事でまとめていますので合わせてお読みくさだい。

こんな感じになります。 ここに付け加えますが、私の臨床経験上重要なもの。

  • 足の指のトレーニング
  • 靴の選び方、履き方

これも重要になります。

時々ネットを見ていると足底筋膜炎の治療でインソールはよくないとか、サポーターは使わない方がいいとか、電気治療は効果ないとか適当な記事を書いているものもありますが、はっきり言いますが全く分かっていません。

だいたいそういう記事を書いている人は医療従事者じゃありませんのでご注意ください。

<H28年12/12:追記>Welq問題もありましたので、医療関連の記事をみつけたら、どんな資格をもった人が書いているのか確認をすることをおすすめします。

医療従事者(医療国家資格者)とは、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・薬剤師・臨床検査技師・放射線技師などのことをいいます。また、医療関連資格(医療類似国家資格者)としては、柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師などのことをいいます。
 

こんな雑談はさておき、治療方法・リハビリについて説明していきます。

これは大事なポイントになりますので、覚えておいてください。

人間の体にある一部の筋膜は、足先から頭まで繋がっています。 

アナトミートレイン SBL

何が言いたいかといいますと、足底筋膜を考えたときに足の裏だけではなくふくらはぎ、太ももの裏、殿部(おしり)、背中、肩、首、頭とつながりがあるということです。

つまり、ケアするのは足の裏だけじゃなくこれらの場所のケアも大事であるということです。

 

安静/サポーター

足底筋膜炎になってしまった場合は、特になったばかりの時はやはり安静は必要です。

安静といっても歩かないわけにはいきませんので、足の裏への負担を軽減することが大事です。

そこで経験上おすすめなのがサポーターです。どんなサポーターがいいのか。

こちらがおすすめです。

 

理由としては、まずソルボという材質が筋肉に近く違和感が少なくて済みます。

仕事でこのサポーターをすすめて痛みが軽減した患者さんはたくさんいます。

さらに、サポーターは常に身に着けておけるというメリットもありますね。

 

ストレッチ

ストレッチは足の裏やふくらはぎだけでなく、太もも裏やおしりのストレッチも大事です。

以下にストレッチ動画を貼りつけておきますので参考にしてください。


 

インソール

インソールは既成インソールでも効果がある時があります。そこでおすすめなのがこちらのインソール。

これもサポーター同様にソルボが素材的にいいです。

ただし、インソールは効果がないときもあるのですが、一番重要なのはちゃんと自分の足にあっているかどうか。

これがポイントです。

自分の足に合わせるインソールとは、オリジナルインソール!

これが一番です。そして足形をとったりするインソールではなく、動きをみて作るインソールが効果的です。
 

 

テーピング

テーピングについてはスポーツをやる方は重要です。

テーピングは「キネシオテープ」がおすすめです。

 

足底筋膜炎は予防が重要

足底筋膜炎になる前には、何となく足裏が疲れやすい、時々痛い時があるなど前症状があります。

さらにスポーツをよくやる方、立ち仕事が多い方は予防がとても大切です。

ここで説明するのは、よく私が仕事上で患者さまにご紹介する筋膜リリース方法です。

参考にしてくださいね。

準備するもの:テニスボールまたはゴルフボール
方法:ゆっくりと前後にボールを転がす。

ポイント:一定の圧力でゆっくり行うこと。

筋膜リリース

足の指のトレーニング

「タオルギャザー」といいますが、よくリハビリ現場でも行います。

足の指のトレーニングはバランスを保つためにも重要なのですが、弱い方が非常に多いです。

様々な体のトラブル予防にもなりますので是非やってみてくださいね。

意外とできない人多いと思いますよ。 

タオルギャザー

ストレッチや筋膜リリース・筋力トレーニング方法については、以下の記事で詳細にまとめていますので、合わせてお読みいただけると幸いです。

靴の選び方・履き方

ここでは細かく書きませんが、自分の足に合った靴を選ぶこと、靴紐の締め方などめちゃくちゃ大事です。

これだけで歩き方は変わりますし、高齢者でも格段に歩行レベルがこれだけで改善することがよく臨床上あります。
 

 

まとめ

  • 足底筋膜炎は筋膜のつながりを考えても足の裏だけでなく、全身に及ぶケアが重要であること
  • 痛みや疲れは警告です。早めに予防することが重要であること

これに尽きます。

足の裏のトラブルは年齢を問わず多いのが特徴です。

早め早めの対策が重要ですよ。

参考になれば幸いです。


次のページは↓
理学療法士が教える 正しい足アーチのつくり方~基礎編~

 

引用画像

足底筋膜画像
足底筋膜・ふくらはぎ動画
ハムストリングス動画
殿筋ストレッチ動画


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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。