理学療法士・福祉用具専門相談員の井上(@Rehacon)です。
タイトルには、介護シューズとしていますが、スニーカーでも、スポーツシューズでも、基本的に靴の選び方・履き方は同じです。
しかし、介護シューズの場合、その殆どが大きく作られており、厳密なフィッティングも行われていないのが現状です。
また、経験上、ご高齢の方々が履いている靴の90%以上は大きい靴です。
その結果、靴の中で足が遊んでしまい、筋力や足の形状が悪いために、足には余計負担が強いられることとなります。
しかし、靴の選び方や履き方を知っているだけで予防することは可能ですし、これだけで歩き方も変わってきます。
【関連記事】
●「靴の履き方・選び方」たったこれだけで歩き方は変わる。PTは明日からすぐに実践してください。
この記事のポイントとしては、
何のために靴を買うのか
このように、靴を買う目的が何なのかということはとても重要なポイントとなります。
今回は介護シューズにフォーカスをあてて、お伝えしていきます。
目次
何より重要なのは「靴を買う目的」
医療現場でのリハビリでも、介護現場でのリハビリでも、私は靴を必ず確認します。
適切な靴を履くというのは、歩行能力に関わってくる重要な要素であり、足と靴が合っていない、サイズが合っていないということはざらにあります。
ただ、介護現場で靴を選ぶ際、必ずしも歩くということに着目はしていません。
歩く以外に「車椅子で外出するために履く靴」という目的で選ぶこともあるからです。
歩くという目的で選ぶのであれば、歩きやすい・歩き方がよくなるような、しっかりフィッティングして靴を選ぶべきですし、楽に履ける靴ということであれば、履き心地がよくて、本人が履きやすい・介助者が履かせやすい靴を選ぶということになります。
まずは、靴を選ぶ目的は何なのか。これをよく考えて、どういったタイプの靴を選んでいくのかアドバイスしていくことが大切です。
介護シューズの選び方・履き方
過去に書いた記事と重複しますが、基本的に選び方は同じです。
- ヒールカウンターが入っていて硬めのもの
- シャンクがあるかどうか
- 靴の曲がる部分は足の指部分で曲がるか
- インソール(中敷き)が取り出せるか
- 足の形状に合っているか
- 適切なサイズか
- 靴紐やベルトの有無
等々、様々なチェックポイントはあります。
写真のように、同じ介護シューズでもカウンターが入っていなくて潰れてしまうものもあれば、割と硬くできているものなど様々です。
歩く目的で靴を買う場合、福祉用具相談員さんやケアマネジャーさんなどもこういう視点からアドバイスできると、より質の高いケアにつながると思います。
この辺のことは、以下の記事でまとめていますので、合わせてお読み下さい。
【関連記事】
●どんなことも土台が大事。人間の身体は足元から。『靴とインソール』についてお話しします。
●「靴の履き方・選び方」たったこれだけで歩き方は変わる。PTは明日からすぐに実践してください。
特に介護シューズでは、サイズがS・M・L・LLなどと大雑把だったり、表記サイズと実際のサイズが2㎝も差があったりすることがよくあります。
こういった理由から、インソールを取り出して実際にサイズを測ることがとても大切です。
介護シューズでなくても、靴の表記サイズと実際のインソールの長さが合っていないというのは本当に多いです。
靴の履き方は、踵(かかと)をしっかり合わせ、足指の動きを妨げない程度にしっかりと靴紐やベルトで固定をします。
よくありがちなのが、靴を履いて、つま先トントン。これは大きな間違いですので、踵でしっかり合わせるようにして下さい。
介護シューズに特化している必要はない
介護現場で靴を購入しようとなると、だいたい福祉用具のカタログから選ぶことになります。
でも、介護だからといって必ずしも介護シューズに特化している必要があるかといえばその必要はありません。
今はインターネットも普及しているので、介護シューズに代用できるメーカーも沢山あります。
アシックスウォーキングなんかは個人的にはオススメです。
お洒落なも靴を履いて歩いて出かけたいという方だっています。そういう方にどんな靴を提供できるかを一緒に考えて決めていくことも、生活の質(QOL)の向上につながります。
例え歩かなくて、履きやすい靴を買うとしても、お洒落をしたいという方は沢山いますし、そういうニーズを聞き出し、提案できるようにしたいものですね。
引用RT
装具で靴はいんなくてあゆみシューズ買ったけど歩きにくいっていったら、介護シューズは歩くためのものじゃないんでって。そんな体で出かけるのがおかしい車椅子でいいじゃないと。介護する側が履かせやすいように設定、マヒの人歩いてどっか行くとかオシャレしたいなんて人あまりいないだって— 蒼@Shinryu (@bluemoon9981) 2018年1月15日
これはPTの発言なのか… PTがこんなこと言うなんて同職種として本当に恥ずかしい。確かに介護シューズは歩くためのものではないけど、だったら、歩くためにどんな靴を買ったらいいのか専門家として考えて、色々試さないと。 https://t.co/3rKYOnKkPX
— 井上直樹(理学療法士・ブロガー) (@Rehacon) 2018年1月23日
片麻痺になったって、おしゃれして出かけたい人だって沢山いるよね。そこに寄り添えるPTでいたい。
— 井上直樹(理学療法士・ブロガー) (@Rehacon) 2018年1月23日
まとめ
今回は介護シューズにフォーカスを当てて、靴の選び方・履き方についてお伝えしました。
介護シューズにはもっと質の改善に期待したいですし、提案する側ももう少し視点を広く持ち、ちょっとした知識を取り入れる、こういうことで利用者さんのADL・QOLの向上につながります。
是非、参考にしていただけたら嬉しく思います。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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