介護予防の鍵となる筋肉『大殿筋・中殿筋』の概要と筋膜リリース・ストレッチ・トレーニング方法

介護予防「大殿筋・中殿筋」の概要とセルフケア方法

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<2017年10月2日修正・追記>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
 
介護予防で鍵となる筋肉シリーズ、第3回です!
 
今回は「大殿筋・中殿筋」というお尻の筋肉を解説していきます。
 
お尻の筋肉は、安定した立位保持や歩行にとても影響してくる筋肉です。
 
転倒予防にもとても重要であり、腰痛の原因になることも多い筋肉でもあります。
 
今回はお尻の筋肉である、大殿筋と中殿筋の概要とセルフケア方法について解説をしていきます。
 
これまでの介護予防で重要な筋肉シリーズは以下の記事をお読みください。
 
 

 
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大殿筋・中殿筋の概要

 
これらの筋肉はお尻にある筋肉で、名前の通り、お尻にある大きい筋肉と中位の筋肉になります。
 
大殿筋・中殿筋
 
画像を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、大殿筋はお尻全体にある筋肉で、一番表層にある筋肉です。
 
中殿筋に関しては、お尻の上〜外側に付着している筋肉で、大殿筋よりも深い位置にあります。
 
それでは、以下に詳細を説明していきます。
 
専門用語が多くなりますが、ご了承下さい。
 
専門家ではない方は、以下の3つのポイントを抑えておけば良いと思います。
 
  1. お尻全体にある筋肉である
  2. 立ったり、歩いたりするのに重要な筋肉である
  3. 腰痛の原因になることもある
 
 
 

大殿筋

 
大殿筋
 
起始:腸骨、仙骨、尾骨、仙結節靭帯
停止:腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面
作用:股関節の伸展、外旋
神経支配:下殿神経
 
 

中殿筋

 
中殿筋
 
起始:腸骨
停止:大腿骨の大転子
作用:股関節の外転、内旋
神経支配:上殿神経
 
 

大殿筋・中殿筋の主な機能

 
大殿筋の主な機能は、太ももを後ろに持ち上げることです。
 
歩いている時、足をついて身体を前に移動する時に作用しますが、大殿筋の筋力が落ちているとうまく前に進めないため、それを補うため腰を曲げる歩く姿勢となります。
 
また、大殿筋の筋肉が短くなってしまうと(短縮)、足そのものを前に出しづらくなります。
 
前回説明した腸腰筋は足を前に持ち上げる筋肉で、大殿筋は足を後ろに持ち上げる筋肉です。
 
この2つの筋肉は相互に関係し合いながら機能しています。
 
つまり、どちらかの機能障害があると、相互に関係してしまうということです。
 
中殿筋の主な機能は、足を外側に開く機能があり、立ったり、歩いたりしている時の安定性に関与します。
 
【関連記事】
 
中殿筋の筋力が落ちていると、身体が横に傾く歩き方になってしまいます。
 
これを「トレンデレンブルグ歩行」や「デュシャンヌ歩行」といいますが、トレンデレンブルグ歩行やデュシャンヌ歩行になると歩行の効率も悪くなりますし、腰や膝、足首などとその他の場所に負担がかかりやすくなります。

トレンデレンブルグ歩行

トレンデレンブルグ歩行:支えられず、骨盤が下に傾き、同じ方向に身体も傾く。

デュシャンヌ歩行

デュシャンヌ歩行:支えられず、骨盤が下に傾き、その傾きを補うように下がった骨盤とは逆へ身体が傾く。

大殿筋・中殿筋の柔軟性を保ちながら、筋力をトレーニングしていくと身体への負担を少なくすることができ、姿勢よく歩くことが可能となります。
 
以下に大殿筋・中殿筋のセルフケア・トレーニング方法について説明をしていきます。
 
 

大殿筋・中殿筋の筋膜リリース

 
足全体(裏側)の筋膜リリース

【方法】足裏全体からお尻までの筋膜リリース

  • 横になり、足を持ち上げて踵を壁につける。
  • 黄色の矢印方向へ足を伸ばし、伸ばしながら青矢印方向に足首を引く。
  • お尻・足裏全体が伸ばされていると感じるところで、20~30秒間キープ。

 

【方法】中殿筋の筋膜リリース

写真ではグリッドフォームローラーを使用しています。
写真では太ももの外側にグリッドフォームローラーをセットしていますが、中殿筋をリリースしたい場合は、もう少し上でお尻の外側にセットして行って下さい。
  • 横向きになり、手のひらと前腕で床を支持する。
  • グリッドフォームローラーをお尻の外側にセットする。
  • ゆっくりと一定の圧力で前後にグリッドフォームローラーを動かす。
 
 

大殿筋・中殿筋のストレッチ

 
大殿筋ストレッチ

【方法】大殿筋のストレッチ

  • 伸ばしたい方の足を逆側の膝上に乗せる。
  • その状態をキープしたまま、足を持ち上げる。
  • お尻が伸ばされていると感じるところで20秒間キープ。

 

殿筋群ストレッチ

【方法】中殿筋のストレッチ

  • 床に座り、伸ばしたい方の足を逆側の足の外側に持っていき交差させる。
  • 肘を膝の外側に持っていき、足を内側に押し当てる。
  • お尻が伸ばされていると感じるところで20秒間キープ。

 

殿筋群ストレッチ

【方法】中殿筋のストレッチ

  • 仰向けになり、伸ばしたい方の足を曲げて逆の手で支える。
  • 床の方向へ押し込んでいく。
  • お尻が伸ばされていると感じるところで20秒間キープ。

 

大殿筋・中殿筋の筋力トレーニング

大殿筋・ハムスト筋トレ

【方法】大殿筋トレーニング

  • 仰向けになり、台などの上に足を置き、逆の足は膝を立てる。
  • 台に乗せた足を矢印方向に押し当てる。
  • 押し当てたところで10秒間キープ。

 

股関節外転筋群(中殿筋)筋トレ

【方法】中殿筋トレーニング

  • 横向きになって、上の足は伸ばしたまま、下の足は膝を軽く曲げる。
  • 上の足を伸ばしたまま、やや後ろに引き、上に持ち上げる。
  • 1セット10回を目安に行う。
  • 骨盤が後ろ(赤丸)に流れないように注意する。

 

股関節外転筋群筋トレ

【方法】中殿筋トレーニング

  • セラバンドやゴムバンドを使う。
  • 足に引っかけ、矢印の方向へ足を開く。
  • 1セット10回を目安に行う。

 

  
 

大殿筋・中殿筋にできるトリガーポイントは腰痛の原因になる

 
大殿筋や中殿筋にトリガーポイントが作られると腰痛の原因の1つになります。

特に中殿筋は腰痛と関連が強いため、早め早めの予防をしておくと効果的です。

以下の記事で詳細にまとめていますので、是非参考にしてください。

【関連記事】
『腰痛』を引き起こす代表的な7つの筋肉とトリガーポイント

 
 

まとめ

 
今回は介護予防領域において重要な筋肉、第3回目として「大殿筋・中殿筋」の概要とセルフケア方法について解説をしましたが、いかがでしたでしょうか。

お尻の筋肉は立位や歩行の安定にとても重要な筋肉です。

何となくでもこの筋肉がどのような筋肉で、どのように働いていて、どんなセルフケアをしたらいいのか理解しておくと、後々有効活用できると思います。

是非、参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 
 

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一般書の良いところは、専門家が分かりやすく解説をし、安価であるというところです。

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。