リハビリテーション職種が理解しておくべき『循環器』に対するフィジカルアセスメント


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
さて、今回でフィジカルアセスメントの記事はひとまず最後にしようと思います。
 
先日まで、フィジカルアセスメントの概要、脱水、呼吸とフィジカルアセスメントについて自分の経験を含めながら解説しました。
 
今回は「循環器」に対するフィジカルアセスメントについて解説をしていきます。
 
これで当面の間はフィジカルアセスメントについての記事は終了とします。
 
【key word】フィジカルアセスメント・循環器
【対象者】療法士・療法士学生・看護学生 など
 

やっぱりまずはバイタルサインの確認

 
バイタルサインはリハビリテーション職種が理解しておくべき『フィジカルアセスメント』とは。でも解説した通り、「生命徴候」のことをいいます。
 
循環器におけるバイタルサインでは、血圧、脈拍、脈拍のリズム(整脈か不整脈か)が関わります。
 
以前の記事で、訪問に伺っているクライアントさんが明らかな徐脈で完全房室ブロックにより心臓ペースメーカーを入れることになったという記事を書きました。
 
これはバイタルサインから発見できたことです。
 
まずはしっかりバイタルサインの確認が必要です。
 
 

循環器に対するフィジカルアセスメント

 
フィジカルアセスメントで循環器が関わる大枠として、
 
  1. 問診
  2. 視診
  3. 触診
  4. 聴診
 
この4つのアセスメントが関わってきます。
 
 

循環器に対する問診

 
循環器における問診に限らずですが、まずしっかりコミュニケーションがとれるかどうかというのは大切です。
 
不穏やせん妄などがあるケースでは、心拍出量が低下し、脳血流量が不足していることも考えられます。
 
それ以外にも循環器の特徴的なものとして、
 
 
・胸が痛くなることはありませんか?
・胸がドキドキすることはありませんか?
・動悸やめまいはしませんか?
 
 
等々、このように症状がないか確認していきます。
 
動悸などがあれば、「不整脈」も考えられますし、胸が痛くなったりすることがあれば、「弁膜症」「虚血性心疾患」などの徴候も考えられます。
 
 

循環器に対する視診

 
上にも書きましたが、心拍出量低下は様々なところに症状が現れます。
 
呼吸苦やチアノーゼ:左心不全の疑い
浮腫が強く出ている:右心不全の疑い
頚静脈怒張:右心不全の疑い
 
 

循環器に対する触診

 
循環器領域では、心不全徴候を把握するためにForrester(フォレスター)分類というものが使用されます。
 
引用:CCUナース覚え書
引用:CCUナース覚え書
 
リハビリテーション職種としては、日本離床研究会で提案されているForrester分類の応用編を活用すると臨床経験上いいと思います。
Forrester Ⅰ:暖かく乾燥している
Forrester Ⅱ:暖かくジトーとしている
Forrester Ⅲ:冷たく乾燥している
Forrester Ⅳ:冷たくジトーとしている

引用:実践!早期離床完全マニュアル

 
Forrester分類と応用編をみると、ForresterⅣの状態が一番よくないということになります。
 
実際に、手足の冷感があり、ジトーと湿った状態の方は心臓に何かしら悪影響を及ぼしているということを経験しています。
 
 

循環器に対する聴診

 
療法士が実際に心音を聞く場面というのは、心臓リハビリテーションを専門的にやっていないと少ないと思います。
 
ただ、橈骨動脈で脈が触れない、頻脈すぎて正確に触診できないという場合は本来であれば心音を確かめる必要というのはあるのかもしれません。
 
動画を貼り付けておきますので、参考にしてください。
 
呼吸音もそうですが、とにかく聞くトレーニングが必要ですね。
 

 
 
 

フィジカルアセスメントのおすすめ書

 

まとめ

 
循環器に対するフィジカルアセスメントについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。
 
呼吸循環系のトラブルというのは、命に直結します。
 
バイタルサインをベースに、フィジカルアセスメントを行うことで早めに対処できることがリハビリテーション職種でも多くあります。
 
療法士である前に医療従事者である以上、フィジカルアセスメントの理解はとても重要です
 
私も経験してきたことしか書けませんが、ここまで記載してきたことが少しでも参考になればと思います。
 
また改めてフィジカルアセスメントの過去の記事を貼っておきますので、参考にしてみてください。
 
 
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。