リハビリテーション職種が理解しておくべき『呼吸』に対するフィジカルアセスメント


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
先日よりフィジカルアセスメントについての記事を書いていますが、今回もフィジカルアセスメントについての記事を書きます。
 
今回は「呼吸」に対するフィジカルアセスメントについて解説しますが、呼吸は確認項目が多いのが特徴です。
 
私が臨床上特に着目して確認しているところに絞って解説していきます。
 
より詳しく知りたい方は、おすすめの参考書をご覧になってみてください。
 
【key word】呼吸・フィジカルアセスメント
【対象者】新人療法士・療法士学生・看護学生 など
 

まずはバイタルサインから

 
これはフィジカルアセスメントの概要のところでも書きました。
 
バイタルサインで呼吸に関わるのは、「呼吸数」「酸素飽和度」です。
 
 

呼吸に関わるフィジカルアセスメント

 
  1. 問診
  2. 視診
  3. 触診
  4. 打診
  5. 聴診
 
この5つの評価が関わってきます。
 

 

呼吸に対する問診

 
問診は、質問を通して体の状態を把握するものです。
 
呼吸に関しては、

・胸は苦しくないですか?
・息苦しさはないですか?
・痰の量はどうですか?
・痰の色はどうですか?
・咳の量はどうですか?
 
このような呼吸器に関連する質問を行います。
 
 

呼吸に対する視診

 

呼吸パターン

 
バイタルサインでも同様ですが、まず「呼吸数」をみます。
 
正常な呼吸数は、大人で12〜20回/分です。
 
そして吸気と呼気のバランスをみます。
 
正常な呼吸パターンは、吸気と呼気の時間比として、1:1.5〜2呼気が長くなります。
 
その他の評価として、呼吸の深さ・呼吸リズム・努力性呼吸(呼吸筋と呼吸補助筋のバランス、息切れ)ではないか、などを見ることが大切です。
 
つまり、呼吸パターンを見るには、
 
  • 呼吸数
  • 呼吸のバランス(吸気呼気どちらが優位か)
  • 呼吸リズム(一定か不定か)
  • 呼吸の深さ(浅いか深いか)
  • 努力性呼吸か(呼吸補助筋中心になっていないか、息切れはないか)
 
この辺りを確認することが重要です。
 
 

呼吸に対する触診

 

胸郭の動きを確認する

 
胸郭の動きは呼吸状態を確認する上で重要です。
 
  • 胸郭の動きに左右差がないか
  • 正常な胸郭運動があるか
    ・ポンプハンドルモーション
    ・バケットハンドルモーション
 
上部胸郭・下部胸郭に手を当てて動きをそれぞれ確認します。
 
 

ラトリング(手掌振動)

 
ラトリングとは、胸郭に手を触れることで痰などの分泌物の位置を確認することができます。
 
上述した胸郭の動きを確認しながら、ブツブツとした振動がないか確認をします。
 
ラトリングで触知できれば、排痰ドレナージなどに有効活用することができます。
 
 

呼吸に対する打診

叩打するポイントにおける空気や水の含量を推し量ることができ、胸壁から深さ5㎝以内の情報が得られます。

引用:早期離床実践マニュアル

 
引用しましたが、私は臨床で打診を行うことは殆どありません。
 
正直難しいということと、療法士が打診をすることの意義というのが正直分からないということもあります。
 
詳しく知りたい方はこちらの書籍を参考にしてください。
 
 
 

呼吸に対する聴診

 
聴診器を使って呼吸音を聴取します。
 
聴診によって以下の状態を確認します。
 
  • 換気の状態
  • 気道の狭窄
  • 分泌物(痰など)の貯留
 
 

正常呼吸音と副雑音

 
呼吸音は3つに分類されます。
 
  1. 肺胞呼吸音
  2. 気管呼吸音
  3. 気管支呼吸音
 
副雑音は4つに分類されます。
 
  1. 笛様音:wheeze(ウィーズ)
  2. いびき音:rhonchi(ロンカイ)
  3. 水泡音:coarse crackle(コースクラックル)
  4. 捻髪音:fine crackle(ファインクラックル)
 
副雑音を捉えるのに、まずは「連続性」なのか「断続性」なのか、それに上の4つの副雑音がどれに当てはまるかを聴取します。
 
連続性ラ音は「気道の狭窄」、断続性ラ音は「気道内の分泌物の破裂」「閉塞していた末梢気道の最開通」を意味します。
 
副雑音をしっかり理解していないといけないか?というと、賛否両論ありそうですが私はそんなことないと思ってます。
 
フィジカルアセスメントの概要でも書きましたが、まずは左右差とラ音(雑音)があるかどうかということを臨床で私は重要視しています。
 
療法士は診断をするわけではありません。バイタルサインの異常とフィジカルアセスメントにもトラブルが認められる場合、その時点で医師や看護師に連絡、報告をするということが重要です。
 
一番問題なのは、認められる現象が異常なのか正常なのかが分からないということです。
 
呼吸音でいえば、まずは正常な呼吸音がどういう音なのかを理解することが重要です。
 
 
 

聴診部位

 
引用:株式会社京都科学

引用:株式会社京都科学

 
全ての部位を聴診したほうがいいのはもちろんですが、私が臨床上重要視している部位は「背中」です。
 
そして、その中でも後肺底区(S10)は最も下にあり、重力や腹部臓器による圧迫を受けやすく、最も空気の入りが少ない部分です。
 
この部位の聴診は必ず行うようにしています。
 
S10領域のランドマーク

胸椎4番(Th4)〜胸椎9番(Th9)です。
 

S10の聴診は臨床上、とても重要です。

 

 

聴診をする上で欠かせない聴診器は良いものを買うべき

 
聴診器は良いものを買えば、音を拾いやすくなります。

私が今使っている聴診器はもう10年以上になりますが、全く問題なく使えてますし状態も良好です。

リットマンを使っていますが、聴診器といえばリットマンというくらい老舗メーカーです。

名前を刻印してくれるサービスもありますし(ちなみに私は刻印したものを使ってます。)、呼吸理学療法をするうえでも聴診器の性能は大切ですので、是非聴診器は良いものを使うことをおすすめします。

Amazonで今かなり安くなってますね。

是非この機会にどうぞ!

 
 
 

まとめ

 
呼吸に対するフィジカルアセスメントについて解説しました。

呼吸状態は比較的変化に現れやすいです。

正常と異常をまずは明確にすること。

ここが療法士がフィジカルアセスメントをする上で必要な部分ではないかと思います。

聴診は何度も聴いていくうちに分かるようになっていきます。

聴き慣れるということも大切ですので、できる限り聴診をする習慣をつけていくといいと思います。

それでは、参考になれば幸いです。
 
 

フィジカルアセスメントのおすすめ書

 
 
 
 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。