リハビリの専門家が解説|ゴルフで起こる股関節痛・違和感・つまり感に対するストレッチ・マッサージ方法


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理学療法士・ゴルフフィジオセラピストの井上(@Rehacon)です。
 
 
ゴルフをしていて、何となく股関節辺りに違和感を感じたり、つまり感を感じたりすることがありませんか?
 
実際に僕も感じたこともあり、周りでもよく聞きます。
 
整形外科のクリニックに勤務していた頃も、アマチュアゴルファーでこの症状を訴える方は非常に多い印象をもっています。
 
右利きゴルファーの方は右の股関節、左利きゴルファーの方は左の股関節に症状を訴えることが経験上多いです。
 
今回のこの記事では、ゴルファーが感じることの多い「股関節のつまり感・股関節の違和感」もしくは痛み。
 
ここにフォーカスを当てて、その原因と自分でできるストレッチ・マッサージ方法についてをお伝えしていきます。
 
僕自身はここでお伝えする日々のセルフケアを行なっています。
 

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なぜ股関節のつまり感や違和感を感じるのか。その原因とは?

 
いくつか原因が考えられますが、理学療法士としての経験上言えることは、
 
筋肉のつき方のバランスが悪い
 
ということです。
 
これをマッスルインバランスと言うのですが、経験上、このパターンが非常に多いです。
 
筋肉のつき方のバランスが悪いと、一方では筋肉が発達し、もう一方では筋肉が弱っているということになります。
 
特にこの股関節のつまり感や違和感というのは、股関節の深層外旋6筋といって、6つのお尻に位置する筋肉と、太ももの前と内側に位置する筋肉の影響が考えられます。
 
マッスルインバランスが起きて、お尻の筋肉、もしくは、太ももの前側・内側の筋肉のいづれかの筋肉に負担がかかることで、筋肉や筋膜、皮膚などの軟部組織に癒着が起きてつまり感や違和感を起こしています。

【関連記事】
股関節『安定化機構』の概要とトレーニング・ストレッチの方法について解説します。

 
 

ゴルフスイングから考える、股関節への影響

 
ゴルフスイングでは、バックスイング時に体幹や骨盤の回旋とともに、股関節の回旋も極めて重要です。
 
股関節の回旋が不十分だと体幹や骨盤の回旋も阻害されることや、股関節上でうまく回っていかないため、十分なパワーをトップでためることができません。
 
つまり、飛距離に影響します。
 
このようなことからも、股関節周りの筋肉の柔軟性を保つこと、バランスの取れた筋力をつけることがとても重要となります。
 
 
それでは、以下に股関節の深層外旋6筋と太ももの前・内側のポイントとなる筋肉をご紹介していきます。
 
 

股関節の深層外旋6筋(お尻の筋肉)

 
  股関節深層外旋6筋
 
  • 梨状筋(りじょうきん)
  • 大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
  • 内閉鎖筋(ないへいさきん)
  • 外閉鎖筋(がいへいさきん)
  • 上双子筋(じょうそうしきん)
  • 下双子筋(かそうしきん)
 
この6つの筋肉を総称して深層外旋6筋と言い、深層にある筋肉なので、いわゆるインナーマッスルになります。
 
この中でも、外閉鎖筋は大腿方形筋の下に隠れています。
 
細かく筋肉を覚える必要はないので、お尻にある筋肉はこんなに細かく、たくさんの筋肉があるんだなぁ。という程度に留めておいてください。
 
 

太ももの前側の筋肉と内側の筋肉

 
股関節屈筋・内転筋群
 
  • 大腿直筋(だいたいちょくきん)
  • 大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
  • 縫工筋(ほうこうきん)
  • 長内転筋(ちょうないてんきん)
  • 腸腰筋:腸骨筋(ちょうこつきん)大腰筋(だいようきん)
 
この5つの筋肉は股関節のつまり感や違和感の症状に関係してきます。
 
意外かもしれませんが、太ももの内側の筋肉も股関節の症状を引き起こします。
 
【関連記事】
 
 
さて、ここまで11種類の筋肉についてご紹介してきました。
 
ただ、この記事を読んでくれている方はおそらく専門家ではないため、細かく覚える必要はありません。
 
お尻の深いところにある筋肉や太ももの内側・前側の筋肉が股関節のつまり感や違和感に影響している。
 
この程度で構いません。
 
これらを前提とし、以下にご紹介した筋肉のマッサージやストレッチをセルフケアで行える方法についてご説明していきます。
 
 

深層外旋6筋(お尻の筋肉)に対するマッサージ方法

 
細かく筋肉をマッサージするのではなく、集中的に筋肉が集まっていますので、テニスボールを利用すると効果的に行うことができます。
 
上の筋肉の画像を参考にテニスボールをあてていただき、普段違和感のある症状と同じような症状が出る場所があれば、そこを積極的にマッサージしてあげてください。

また、全体的に筋肉の柔軟性を得ることはとても大切ですので、テニスボールを使って全体的に隈なくマッサージをしてあげることや、フォームローラーを使用して行うこともおすすめです。

 
 

太ももの前側・内側の筋肉のマッサージ・筋膜リリース方法

 
以下の写真で示す✖印を指で圧迫、もしくはテニスボールで圧迫をする、または、圧迫をしながら擦るように動かすようにしてみてください。
 
大腿筋膜張筋・大腿直筋トリガーポイント 縫工筋・長内転筋トリガーポイント
 
フォームローラーを使用した筋膜リリース方法も非常に効果的です。
 
ここでの写真は一部となりますが、内側の筋肉も深層外旋6筋のところで紹介したフォームローラーを使って全体的にほぐしていくことが可能です。
 
また、2017年10月号の日経ヘルスでテニスボールとフォームローラーを使用したマッサージ方法の指導と監修もしています。
 
 
 

お尻の筋肉と太ももの前側・内側の筋肉のストレッチ方法

お尻の筋肉のストレッチ方法

殿筋群ストレッチ

  • 伸ばしたいほうの足を曲げて、その足とは逆の肩に向かって持ち上げる。
  • その状態から床に向かって押していく。
  • お尻の筋肉が伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。
殿筋群ストレッチ
  • 椅子に座り、伸ばしたいほうの足を膝の上に持ち上げる。
  • 持ち上げたほうの膝に向かって身体を前屈させる。
  • お尻が伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。

 

  • 上のストレッチと同様に椅子に腰を掛けて、伸ばしたいほうの足を膝の上に持ち上げる。
  • その状態をキープしたまま、胸を前に突き出していく。
  • お尻が伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。

 

太ももの前側・内側のストレッチ方法

大腿直筋・腸腰筋ストレッチ 大腿直筋・腸腰筋ストレッチ 大腿直筋・腸腰筋ストレッチ
  • 仰向けで横になり、一方の足は膝を立ててもう一方の足は膝を曲げる。
  • その状態をキープしたまま、両手で膝を抱える。
  • 曲げたほうの太ももが伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。
薄筋・半腱様筋ストレッチ ハムストリングス・ストレッチ

この2つの写真は座ってやるか、立ってるやるかの違いなだけで、目的は同じです。

太ももの内側だでなく、太ももの裏もストレッチされるので一石二鳥な方法です。

  • 両足を開脚させて、そのまま身体を前屈させる。
  • または、開脚をして一方のつま先に向かって身体を前屈させる。
  • 太もも裏、内側の筋肉が伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。
 

まとめ

 
この記事では、ゴルフで起こる股関節のつまり感や違和感、痛みに対する代表的な筋肉のセルフケア方法についてお伝えしました。
 
股関節のトラブルは飛距離にも大きく影響しますし、ゴルフスイングにおいて非常にネックとなります。
 
また、ゴルファーの身体の不調として現れる非常に多い症状でもあります。
 
日々のセルフケアで十分対応できますので、是非参考にして行ってみてください。
 

おすすめの一冊

 
こちらの本はゴルフ解剖学という名の通り、詳細なトレーニング方法や筋肉のイラストも綺麗に分かりやすく描かれています。

ゴルフの本はたくさんありますが、こういった類の本は殆どありませんので、貴重な一冊だと思います。

価格もそれほど高くありませんし、一冊持っておいて損はありません。おすすめですよ。

 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。