ゴルファーで膝の痛みを訴えるケースは腰痛などに比べれば多くはありませんが、決して少ないわけではありません。
膝の痛みを訴える方のスイングの特徴として、左一軸スイングをする方(以前流行ったスイング理論ですね)や、アドレスで足の開きが少ないクローズドスイングをする方に多いのが特徴です。
左一軸は、スイングの一連動作としてずっと左足に体重が残っているスイングです。
以前に流行ったスタックアンドチルト理論ですが、確かにボールは力強く飛びます。
ただ、体重移動をしないので身体にかかる負担はかなり大きいです。
また、通常の体重移動するスイングでも、ダウンスイングで勢いよく左膝を伸ばす=腰がまわる。
という理論を提唱していた方がいましたが、これもバイオメカニクス的には間違いです。
確かに回りやすくはなります。ですが、身体、特に膝には負担をかけます。
過去にタイガーウッズが言っていた言葉があります。
たった少しの飛距離を稼ぐために、身体に負担をかけすぎた。
確かこんなようなニュアンスだったように思いますが、少なくとも、身体に負担をかけることが良いのかどうなのか。
確かにトッププレイヤーであれば、仕事ですし、ある程度無理をしてでも勝ちにいかないといけないケースは山ほどあります。
ですが、アマチュアゴルファーがそんなことをする意味はありません。
ゴルフは素晴らしいスポーツですし、生涯スポーツです。
身体に優しいヘルシースイング、ヘルシーゴルフをしていければ、生涯楽しくゴルフを続けていくことができます。
今回のこの記事では、ゴルフで引き起こす膝の痛みの原因と自分でできるストレッチ・マッサージ方法についてお伝えしていきます。
[ad#adsense]
膝に負担をかけるゴルフスイングとは
ここでは右利きゴルファーを想定したお話をお伝えしていきます。
左一軸スイング
まず、左一軸スイングは一連のスイング動作でずっと左足に体重が乗っていることをいいます。
バックスイングにおいて、本来であれば右足に体重が移動していきますが、体重移動はせずにずっと左足に残っている状態です。
ここで何が問題なのかというと、バックスイングでは、本来であれば体重移動しながら身体は右に回って(回旋)いきますが、左足に体重が残っていると、回旋量が増えるので、右の腰や胸郭と呼ばれる部分の負担が増えます。
また、終始左足体重なので、左の股関節や膝、足にも負担が増えます。
ゴルフスイングでは左足に体重移動することがとても重要なので、最初から左足に体重を残しておくというのは確かに効率的ではありますが、身体の負担を考えるとあまりおすすめはできません。
フルスイングの場合を想定したお話になります。アプローチなどの小さいスイングでは殆ど影響はありません。
膝を伸ばす(伸展)=腰を回転させるゴルフスイング
ダウンスイングにおいて左膝を一気に伸ばしましょう!そうすることで腰は回りやすくなります!といった理論です。
冒頭にも書いたように、確かに腰は回りやすくなります。
ですが、左膝への影響はかなり大きく、これに加えて後述するクローズドスタンスだと、余計膝の負担は増えます。
そもそも膝というのは少ししか回らない構造になっているのと、一気に伸ばすことで膝の伸展が過剰に働くことになります。
つまり、膝への機械的なストレス(メカニカルストレス)が加わるということになります。
身体に優しいスイングを考えると、身体の1つの部位(場所)を動かす意識や動きは怪我を起こしやすいので、身体全体をスムーズにしなやかに動かす必要があります。
沢山の関節を少しずつ全体的に動かす
こういうイメージをもっていただくと分かりやすいかもしれません。
クローズドスタンス
クローズドスタンスに関しては、画像のようにつま先が閉じ気味(青矢印)のスタンスをいいます。
バックスイングで身体を回旋させていくと、右足首やつま先、膝などもその動きに連動して外方向に向くように働きます。
クローズドスタンスだと元々閉じ気味なスタンスであるが故に、身体の回旋が大きくなればなるほど足首・つま先・膝なども大きな動きが要求されます。
特に身体が硬いという方はより顕著なので怪我をしやすくなります。
こういった観点から身体を柔らかくすることは当然重要なのですが、すぐに効果が出るわけではありませんので、まずやれることとしてはオープンスタンスにするということ、尚且つ、コンパクトなスイングにすることが必要です。
それでは、以下に膝の痛みを引き起こす筋肉とマッサージでケアをするポイント、ストレッチ方法について説明をしていきます。
膝の痛みを起こす関連筋肉とマッサージするポイント、ストレッチ方法
膝の痛みには、半月板や靭帯などの組織が関わっていることもありますが、ここでは筋肉にフォーカスを当てて説明をしていきます。
膝に痛みを引き起こす代表的な筋肉は以下の6つの筋肉になります。
- 大腿直筋(だいたいちょくきん)
- 内側広筋(ないそくこうきん)
- 長内転筋(ちょうないてんきん)
- 短内転筋(たんないてんきん)
- 縫工筋(ほうこうきん)
- 薄筋(はっきん)
筋肉をもっと細かく知りたいという方は、以下の関連記事でまとめていますので合わせてお読みください。
【関連記事】
それでは、以下にそれぞれの筋肉のマッサージするポイントをご説明します。
画像にある✖印がポイントになりますので、✖印を30秒間圧迫してみてください。
慣れてきたら、圧迫しながら前後左右に揺らすようにマッサージをしてみてください。
各筋肉のマッサージするポイント
①大腿直筋
②内側広筋
③長内転筋・④短内転筋
短内転筋は長内転筋の下に位置します。
短内転筋を行う場合は、少し深めに押し込むようにしてマッサージを行います。
⑤縫工筋
⑥薄筋
ここまで説明してきましたが、これらの筋肉は太ももの中央から内側にかけての筋肉が殆どです。
ポイントをマッサージする方法以外に、全体を一気にマッサージするのも効果的で、そういった場合はフォームローラーを使用することをおすすめします。
TRIGGERPOINT PERFORMANCE(トリガーポイント パフォーマンス)
【関連記事】
各筋肉のストレッチ方法
太もも中央の筋肉のストレッチ
- 伸ばしたい方の膝を曲げて仰向けになる。
- もう一方の膝を立てて手で膝を抱える。
- 太ももの前側が伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。
太もも内側の筋肉のストレッチ
- 床に座り、一方の足を伸ばし身体を前屈させる。
- 立ったまま開脚し、伸ばしたいほうのつま先を外に向ける。
- つま先方向に身体を前屈させる。
- 伸ばされていると感じるところで30秒間キープする。
このストレッチは太もも裏のストレッチにもなります。
膝の痛みにおすすめのサポーター
ここまでセルフケア方法についてまとめてきました。
セルフケアをしっかり行えば痛みは予防できますが、もうすでに痛みがある場合はサポーターを着用することをおすすめします。
ここでは、ゴルファーにとっておすすめの膝サポーターをご紹介しますので参考にしてみてください。
まとめ
今回この記事では、ゴルフで膝を痛めやすいスイングの原因と、筋肉にフォーカスを当ててマッサージするポイント、ストレッチ方法について解説をしました。
文中にも書きましたが、1つの部位を過剰に使うことは間違いなく怪我の原因となります。
身体の柔軟性を高めて、複数の小さな動きを組み合わせてスムーズなスイングをすることで怪我の予防となります。
ここで紹介した内容が少しでも参考になれば幸いです。
おすすめ一冊
こちらの本はゴルフ解剖学という名の通り、詳細なトレーニング方法や筋肉のイラストも綺麗に分かりやすく描かれています。
ゴルフの本はたくさんありますが、こういった類の本は殆どありませんので、貴重な一冊だと思います。
価格もそれほど高くありませんし、一冊持っておいて損はありません。おすすめですよ。
クレイグ・デイビース/ヴィンス・ディサイア ベースボール・マガジン社 2012年12月
ゴルフに関連する記事セレクション
SNSのフォローも気軽にどうぞ!
コメントを残す