先日、TV番組「情熱大陸」でケツメイシの特集が放送されました。
ちなみに私はケツメイシが大好きで、放送内でも今年8月のライブのことが放送されていましたが、私も実際に行きました。
めちゃくちゃ良いライブでしたよほんと。
その時は全く気が付かなかったのですが、ボーカルのRYOJIさんが「特発性大腿骨頭壊死症(とくはつせいだいたいこっとうえししょう)」だと一昨年に診断されたと話していました。
TVを見ている限りでは左足に痛みがあるようで、足を引きずっていましたが、治療をしながらライブへ望んでいる姿が放送されていました。
ライブではテンションもあがるためそれほど痛みは感じないようです。
では、「大腿骨頭壊死症」とはどんな病気なのでしょうか。
今回は大腿骨頭壊死症についての概要を解説していきます。
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まず「大腿骨頭」について説明します
大腿骨頭とは、大腿骨のてっぺんの名称を言います。
頭という名前がついていることからも分かるように、丸く頭のような形をしています。
このことから大腿骨頭という名前がついています。
「特発性」大腿骨頭壊死症とは
特発性とは、「はっきりとした原因が分からない」という意味になります。
壊死とは、血流不足、血流障害により骨の組織が死んでしまうことをいいます。
つまり、特発性大腿骨頭壊死症とは、上で説明した大腿骨頭部分が何らかの原因で壊死してしまう病気をいいます。
大腿骨頭壊死症の原因と症状
大腿骨頭壊死症は特発性だけでなく、その他の原因で起こることもあります。
原因は主に3つに分類されます。
- ステロイド剤の服用
- アルコールの過剰摂取
- 原因不明の特発性
RYOJIさんは3つ目の「特発性」のようです。
症状は「痛み」ということになりますが、骨壊死が起きただけでは痛みはなく、進行してして骨が潰れてしまう「圧潰(あっかい)」が起こると痛みが出てきます。
大腿骨頭壊死症の検査と診断
大腿骨頭壊死の初期ではレントゲンでははっきりと分からないこともあり、大腿骨頭壊死が疑われる場合はMRIで鑑別されます。
場合によっては、骨シンチグラフィー検査が行われることもあります。
大腿骨頭壊死症の治療
主に
「保存療法」が選択され、圧潰が進んで日常生活に影響するほどの痛みが出る場合は手術が選択されます。
手術は、
- 大腿骨内反骨切り術
- 大腿骨頭回転骨切り術
- 人工骨頭置換術(BHA)
- 人工股関節置換術(THA)
このような手術方法があります。
どの手術が選択されるかは、大腿骨頭壊死の状態によって医師が決定します。
人工骨頭置換術については、以下の関連記事をお読みください。
大腿骨頭壊死症のリハビリ治療(保存療法)と予防
治療の多くはまず
「保存療法」が選択されるということは上で説明しました。
保存療法とは、外科的ではない(出血させない)治療法になります。
原因にもあるように、アルコールの過剰摂取を控えること。これはまず自分の意思でできることです。お酒は控えめにしましょう。
その他で必要なことは、
- 杖を使うことで体重の免荷を行うこと
- 減量をすること
- サポーターなどを使用すること
このように日常生活では自ら意識していくことがまずは大切です。
リハビリで大腿骨頭の圧潰の進行を抑えることはできません。
しかし、股関節への負担を減らすことが必要であり、関節を保護するために筋筋膜の柔軟性を保つことと、股関節の安定性を高めるために筋力をつけることが必要となります。
股関節を安定させる筋肉はたくさんありますが、その中でも特に股関節の安定性に貢献するのは股関節の外旋筋と外転筋群です。
厳密にいうと外旋筋群も外転筋群もたくさんの筋肉が関与しますが、ここではより重要度の高い筋肉を以下に説明していきます。
股関節外旋筋群(深層外旋6筋)
- 梨状筋(りじょうきん)
- 大腿方形筋(だいたいほうけいきん)
- 上双子筋(じょうそうしきん)
- 下双子筋(かそうしきん)
- 内閉鎖筋(ないへいさきん)
- 外閉鎖筋(がいへいさきん)
これら6つの筋肉は、股関節の「深層外旋6筋」と呼ばれます。いわゆる、インナーマッスルになります。
股関節外転筋群
- 中殿筋(ちゅうでんきん)
- 小殿筋(しょうでんきん)
股関節外旋筋群・外転筋群の筋力トレーニング
【外転筋群】
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0 D&M(ディーアンドエム) 2011-11-23
股関節外旋筋群・外転筋群のストレッチ
【外旋筋群】
【外転筋群】
ここで注意してほしいのは、これらの筋肉だけをトレーニング・ストレッチしておけば良いというものではありません。
本来股関節というのは、外旋筋群や外転筋群だけでなく、内転筋群や内旋筋群、屈筋群、伸筋群と多くの筋肉が関与します。
それぞれがバランスのとれた筋力である必要があります。一部が強すぎても弱すぎてもよくないということです。
股関節への衝撃吸収は足元から考えることも必要
過去の記事では、足元のことについて多くの記事をご紹介してきました。
大腿骨頭壊死症では、歩行時に痛みがあり、足裏は地面からの衝撃を吸収する役割があります。
足裏でうまく地面からの衝撃を吸収できれば、股関節への負担も減ります。
そのために、足元の状態を良い状態に保つことは大切で、股関節に限らず膝関節や腰にとっても重要な要素となります。
足元の状態を整えるには、足裏にあるアーチを整えることが大切です。
その方法として、適切な靴のフィッティングをすることや適切なインソール(中敷き)を入れること、足の指の運動、足裏の筋筋膜の柔軟性を高めることなどが大切です。
これらについては、以下の記事で説明をしていますので合わせてお読みいただければ幸いです。
【足の指の運動記事・足裏の筋筋膜の柔軟性を高める方法】
股関節周辺に痛みを起こすトリガーポイント
大腿骨頭壊死症による痛みとは別に、股関節周囲にある筋筋膜が原因で痛みがある・複合した痛みということもあります。
その場合は、以下の画像の✖印を親指やゴルフボール、テニスボールで30秒圧迫+30秒解放というのを何度か繰り返してみてください。
最近では便利なセルフケア用品も出てきています。このようなものを使用してもいいと思います。
TRIGGERPOINT PERFORMANCE(トリガーポイント パフォーマンス)
まとめ
大腿骨頭壊死症についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
大腿骨頭壊死症に対するリハビリのポイントを簡単にまとめると、
- 日常生活のちょっとしたことを注意して、股関節の負担を減らすこと
- 股関節の安定性に関与する筋肉の柔軟性と強化を行うこと
- 足元を整えて股関節の負担を減らすこと
この辺りがポイントになります。
参考になれば幸いです。
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