足の関節で鍵となる2つの関節について解説します。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
前回、Tarzanの内容を一部引用しながら足の4大機能について解説をしました。
 
 
足元の重要性はこれまでの記事でも書いてますので、合わせてお読みいただければ幸いです。
 
今回は、もう少し踏み込んでみて、足に関わる関節のことについて説明してみたいと思います。
 
足にはたくさん関節がありますが、特に鍵となる関節が2つあります。
 
今回はこの関節の役割について解説していきます。
 

鍵となる関節は2つ!

 
足にはいくつもの関節が存在し、足に関わる関節はおよそ33の関節が存在します。
 
どの部位でも同じですが、関節の形状が整っているとスムーズに動きやすくなりますので体の負担は減ります。
 
そして、特に足で鍵になる関節は2つあります。
 
  1. 距骨下関節(きょこつかかんせつ)
  2. 距腿関節(きょたいかんせつ)
 
この2つです。
 
それぞれ以下に説明していきます。
 
 

距骨下関節の役割

 
距骨下関節は解剖学的にみると、踵(かかと)の骨である踵骨(しょうこつ)と距骨とでできている関節です。そのため、距踵関節(きょしょうかんせつ)と呼ばれることもあります。
 
IMG_2467  IMG_2465
後ろから
後方(かかと側)
距骨下関節の役割は、
 
  1. 外転
  2. 内転
  3. 回内
  4. 回外
 
この4つの方向に関節が動くようにできています。
 
この中でも特に回内と回外の動きは重要であり、全身へ波及する動きを担っているといっても過言ではありません。
 
よくある距骨下関節のトラブルとして見られるのが、「過回内(かかいない)」といわれる動きです。
 
過剰な回内が起きてしまっている状態です。

引用:
過回内 引用:http://adidasbiginnerrun.seesaa.net
リハビリの現場では、英語読みの「オーバープロネーション」という言葉がよく使われます。
 
距骨下関節の過回内は、先日の記事シンスプリントを引き起こしたり、膝が内側に入りやすくなり、内側のふくらはぎやアキレス腱の緊張が強くなりやすくなります。
 
これが原因でふくらはぎが疲れやすい、痛みが出る、膝の痛み、腰痛などを引き起こし全身へ波及していくことがあります。
 
インソールを作る場合も、この過回内をコントロールすることはとても重要な要素となります。
 

 

自分で距骨下関節の過回内が起きているか確認するには「靴」を見るのが手っ取り早い

 
内側が削れている
内側が削れている
 
写真のように普段よく履く靴を見てみると分かります。
 
後ろ(踵部分)から見て、内側の方が削れてしまっている場合は過回内が起きているといえます。
 
是非この機会にチェックしてみてください。
 
 

過回内が起こる理由

 
そもそも関節が緩かったり、靭帯などの軟部組織が緩かったりすると起こりますが、多くの場合、足のアーチが崩れることで引き起こされます。
 
過回内が起こらないようにアーチを補正していくことが重要となります。
 
アーチを補正するには、インソールを導入することやセルフケア、セルフトレーニングを行うことが大切です。

 
 

距腿関節(いわゆる足首)の役割

 
足首の関節を構成するのは、距骨(きょこつ)・脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)であると前回の記事で説明しました。
 
この足首の関節の役割は、
 
  1. 背屈(はいくつ):つま先を上に持ち上げる
  2. 底屈(ていくつ):つま先を下に下げる
  3. 外返し(外反)
  4. 内返し(内反)
 
距骨下関節と同様に4つの動きに関与します。
 
少し細かい話になりますが、関節の形状が崩れていると、つま先を上下に動かしにくくなります。
 
つまり、つま先が上に持ち上げにくくなれば足が引っかかりやすくなり、転倒する可能性が高くなるということです。
 
また、つま先を上に持ち上げる筋肉である前脛骨筋や下に下げる下腿三頭筋の機能も十分に発揮できないため、筋力低下や筋肉の疲労ということにつながってしまいます。
 
ここで思い出してほしいのが、その体の疲れはもしかしたら足の影響?『足(足部)』の主な4大機能について解説します。の記事でも書いた「ミルキングアクション」です。
 
足首をうまく使えないとミルキングアクションが適切に行えないということになります。
 
つまり、血液の循環を助ける作用が弱くなり「浮腫(むくみ)」や疲労ということにつながります。
 
 

距骨下関節と距腿関節の連携が必要

 
それぞれ距骨下関節と距腿関節の役割について説明しましたが、結局はこの2つの関節が連携して動く必要があります。
 
距骨下関節だけが、距腿関節だけが正しく動くということは殆どありません。
 
どちらかが崩れていれば、それに伴ってもう一方も動きが悪くなります。
 
 
距骨下関節が過回内を起こしていれば、距腿関節がいくら形状が正しい位置にあってもうまく使えないということです。
 
 
 

まとめ

 
足元の関節で鍵となる距骨下関節と距腿関節について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
 
  • 距骨下関節と距腿関節の動きは身体全体へ影響する
  • 距骨下関節のトラブルは足裏のアーチが関与している
  • 距腿関節の動きが悪くなるとミルキングアクションの作用が低下する
  • 距骨下関節と距腿関節は常に連携して動いている
  • よってこの2つの関節は鍵となる
 
 
大きくまとめるとこんな感じになります。
 
ちょっと専門的な部分も多く、難しい部分もあったかもしれません。
 
ただ、専門家でない方もこの知識を持つか持たないかでは違うと思いますので、是非参考にしてもらえればと思います。
 
 
 
 
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。