みなし訪問リハビリテーションと訪問看護ステーション(訪問看護Ⅰ5)の背景
私は前々職では、在宅療養支援クリニックの訪問リハビリテーション(訪問リハ)の管理者をしていました。
訪問リハを開始した当時、近隣で訪問リハを行っている事業所はまずなかったですし、大きい病院や外来クリニックにおいて訪問リハをやっているところは皆無だったと言っていいです。
これはおおよそ6年前の話しです。
この話は、あくまでも訪問リハの話であり、訪問看護ステーション(訪問看護Ⅰ5)からのリハビリではありません。
訪問リハが医療機関、もしくは老人保健施設からしか関われない、つまり、医師の診察が同じ事業所内から必要であるという背景が抑制をかけていました。
そのような状況から、訪問看護リハビリステーションというような訪問看護からの訪問リハという事業所が一気に普及しました。
これは、利用者の方々からすれば大変重要なことだったと思いますし、良いことだったと思います。
ですが、あまりにも増えすぎてきてしまっており、だいぶ制度の締め付けも強くなってきたことは現場にいる方が一番実感しているのではないでしょうか。
一方で、私がずっと関わってきた「みなし」訪問リハビリテーション。
私の以前の考え方としては、みなし訪問リハと訪問看護ステーションの同法人内での運用・併用がベストだと考えていました。
詳細はここでは書きませんが、その考えは前回の報酬改定で全てなくなり、今はみなし訪問リハを少数精鋭で内製化してしまうことがベストだと考えています。
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みなし訪問リハビリテーションと訪問看護Ⅰ5の違い
この2つの違いは、ケアマネジャーからもいつも分かりづらいと話しを聞きますし、実際に分かりづらいです…
介護保険が基本となるわけですが、場合によっては医療保険も関わり、その構造は複雑化しています。
ですが、「医師がどう関わっているのか」というキーワードから、無駄なものは省いてシンプルにまずは考えるようにしてみてください。そうすると比較的整理しやすいと思います。
まず、みなし訪問リハにおいての医師の関わりをご説明致します。
みなし訪問リハは、みなし指定なので、医療機関か老人保健施設であれば行うことができます。人員に関してはPT・OT・STのうち、一定数いればよく、明確な数字はありません。
実際に非常勤のセラピストが1名いるだけでも開始することができます。
医療機関・老人保健施設に限定されているため、必ず事業所内に医師はいます。その医師誰かが3ヶ月に一度診察をすることで訪問リハを行うことができます。
あくまでも主治医ではなく、リハビリの指示医という形です。
また、在宅療養支援クリニックのような在宅専門のクリニックの場合、定期訪問診療がありますので、そこから指示をいただくような形となります。これは主治医からの訪問リハということになります。
基本的にみなし訪問リハの場合は、この2パターンが該当するという理解で構いません。
例外的にあるのが、外部の主治医から直接リハビリの指示を出していただくケースです。
昔は外部主治医で訪問リハを提供することはできませんでした。ですが、主治医+リハビリ指示医のダブル診療問題から外部主治医でも提供できるように制度の緩和が行われました。
これにより、フレキシブルに訪問リハを提供できるようになったのはいいのですが、前回の報酬改定において、外部の主治医が指示を出す場合は
「医師が適切な研修の修了等が必要」という文言が加えられ、事業所外の医師から指示書を発行してもらうためにはハードルが上がることになりました。
医師がこの適切な研修を受けるメリットがまずないため、経過措置はあるものの、この改定は今後改善される可能性は低く(おそらく国はここの部分をなくしたいと考えているはず)、点数も通常よりも低くリハビリ介入までの工数も多いため、ここを継続していく事業所も減っていくと予想しています。
そのため、みなし訪問リハは、事業所内の医師による、
この2パターンだと理解して良いです。
一方で訪問看護からの訪問リハについては、あくまでも訪問看護という位置付けになっているため、3ヶ月に一度は看護師の介入が必要です。
また、60分の介入では減算対象となります。
しかし、訪問看護の良いところは、医師が事業所内にいるわけではないのでどこの医師からでも訪問看護指示書を発行してもらえれば訪問リハを提供することができるという点にあります。
つまり、訪問看護による訪問リハは、医師を選ばないということになります。
冒頭に書いた「医師がどう関わっているか」というキーワードから考えると、ここまで説明してきた点が最も違う点であるということになります。
どうでしょうか。少しは理解していただけましたでしょうか。
みなし訪問リハが優れている点
みなし訪問リハと訪問看護からの訪問リハを比較したときのみなし訪問リハが優れている点は、加算を算定することができるという点にあります。
様々な加算が用意されていますが、無理なく算定できる加算を挙げますと、以下のようになります。
- サービス提供体制強化加算
- リハビリテーションマネジメント加算1
- 短期集中リハビリテーション実施加算
この3つの加算についてはそれほど業務負担にならずに算定することができますので、積極的に算定することをおすすめします。
サービス提供体制強化加算
この加算は訪問リハを提供してから、1人のセラピストが3年間在籍していれば取れる加算となります。
この加算の良いところは、3年間在籍といっても常勤である必要はなく、非常勤も対象となっていることで、1人対象のセラピストがいれば在籍するセラピスト全員加算算定することができます。
リハビリテーションマネジメント加算1
リハビリテーションマネジメント加算には、1〜5まで幅が取られているのですが、2以降はリハビリ会議や医師の参加などが義務付けられている関係上、なかなかハードルの高い加算です。
現場感として、現実的な加算ではありません。
一方で1については、リハビリの指示書の中でリスク・リハビリの中止基準が明記されていること、訪問リハの報告を毎月ケアマネに提供していることが義務付けられていますが、ここについては何ら難しいことはありません。
毎月の報告と聞くと業務負担と思うかもせれませんが、基本的には報告することは当たり前のことであり、ルーチン化してしまえばいいですし、業務効率化をすることはできます。ちなみに、訪問看護は加算に関係なく毎月報告書が必要です。
短期集中リハビリテーション実施加算
この加算は継続的に取れるものではありませんが、医療機関からの退院や老人保健施設から退所した際に機能低下を防ぐ目的で3ヶ月を上限に算定することができます。
この加算はリハビリテーションマネジメント加算を算定していることが必須条件です。
みなし訪問リハは医者や看護師とシームレスな関係性にある
誤解を生んでしまうかもしれませんが、決して訪問看護がシームレスな関係性を作れないということではありません。
より密な関係性にあるとご理解ください。
と言いますのも、同事業所内の医師が訪問リハに関わっているわけですので、利用者の情報共有がかなりスムーズです。
また、主治医である場合が多いので、薬剤情報や検査データの共有、画像所見など、医療的情報が圧倒的に豊富でFace to Faceでディスカッションできることは極めて重要です。
リハビリの内容や状況も医者や看護師と情報共有しやすく、積極的にリハビリをすすめることができます。さらに、万が一体調が悪いなどの場合はすぐに対応してもらえるということもセラピストにとっては非常に大きいことです。
みなし訪問リハは今後より成長産業になる
訪問リハを提供する仕組みは基本的にはここまで書いてきたように、みなし訪問リハか訪問看護Ⅰ5の2パターンしかありません。
訪問看護についてはだいぶ飽和してきており、制度的にも今後締め付けが厳しくなることが考えられます。
一方で訪問リハも制度的な締め付けは多少なりともあるのは避けられませんが、医療機関が訪問リハを行うメリットは収益的にも大きいです。
訪問リハ単体としての売上げに加えて、医師の診療費が必ず加わりますし、リハビリ指示医から主治医に変更になるケースもよくあります。
これまでの訪問リハは、医療機関から隙間時間に行くようなスタンスが多かったですが、在宅療養支援クリニックが増えてきたことから訪問リハも増えてきましたし、今後は大きい病院も地域にある外来クリニックも訪問リハを導入していくことは、
入院・通院・訪問(在宅)と1法人内で完結させることができ、安定した集患・稼働率・収益をもたらすことは言うまでもないでしょう。
医療保険による算定日数超えの外来リハビリでは、13単位までこれまでも算定することができていましたが、今年度より一定の条件を除いてリハビリが打ち切りとなりました。つまり、介護保険で賄ってくださいというメッセージであり、今後もこの流れは加速することが考えられます。
今後は通所リハビリ・訪問リハビリがより成長産業となることは間違いありません。この辺のマネジメントをうまくできるセラピストは求められるようになりますし、セラピストは訪問リハの体制をしっかり作れる人が出てこないといけませんね。特に整形外科のクリニックのリハビリはかなり厳しいので、何かしらの対応を考えていく必要があるでしょう。
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まずは、ご説明だけでも構いませんので、ご興味のある医療機関・老人保健施設はご連絡下さいませ。
現在、2医療機関と契約している関係上、令和元年6月末現在、残り2医療機関とさせていただきます。ご了承くださいませ。
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