その共通事項をまとめていきたいなと思っていますが、まずはそれぞれのポイントをまとめて公開していきます。
今回は、サルコペニアについてのポイントのまとめとなります。
「サルコペニア」とは?診断基準や栄養・予防方法について分かりやすく解説します。
目次
サルコペニアは下半身(下肢)の筋肉にのみ着目されている
まずサルコペニアですが、サルコペニアという言葉はギリシャ語で、
- Sarco 筋肉
- Penia 喪失、減少、不足
また、筋肉量の減少率について、下肢・上肢・体幹の順に減少率が高いという報告が論文で多数発表されている背景からか、運動方法については下肢の筋トレが推奨されています。
サルコペニアの基本アセスメント ポイントは2つ!
そのAWGSでは、サルコペニアの判断をする基本アセスメントは以下の2つです。
- 握力測定(男性26kg、女性18kg未満)
- 歩行速度(0.8m/秒)
まず握力について、握力は身体全体の筋力がどの程度あるのか指標にすることができます。実際に相関も高く、数多くの論文も発表されていることからこの指標が採用されているのだと考えられます。
歩行速度に関しては、横断歩道を渡れるかというものが1つの指標になります。というのも、日本の横断歩道は1m/秒あれば安全に渡れるように設計されているからです。この指標はフレイル・ロコモでも同じものが採用されています。
但し、これでは簡単にチェックできる指標とはならないため、10m歩行テストを用い、歩行速度の指標にすると数値化もできるため私は推奨します。10m歩行テストは転倒リスクの指標にもなるため、一石二鳥となります。
歩行速度の算出方法 10m歩行テスト
距離÷時間
これで算出することが可能です。
10mを10秒間で歩ければ1m/秒なので、ここが1つの指標となります。0.8m以下では、12.5秒というのが指標となります。
筋肉量のアセスメントには下腿周囲長を活用する
ですが、特定の機器が必要なため、リハビリの現場や介護現場でこれを計測するのは困難です。現場ですぐに活かせる方法として、下腿周囲長が推奨されています。
画像出典:イラストで学ぶ 高齢者リハビリテーション栄養
ふくらはぎの一番太いところで周径しますが、それでは主観的となりやすいため、検査の再現性を担保する必要がありますので、膝蓋骨下縁(膝のお皿の下)から10㎝の位置から周径などと、周径する場所を決めて行うことが重要です。
下腿周囲長のカットオフ値
在宅高齢者:男性34㎝ 女性33㎝
入院高齢者:男性31㎝ 女性30㎝
このように1つの指標としてカットオフ値が提示されていますが、30㎝以下でサルコペニアが強く示唆されると理解しておけば間違いないでしょう。
サルコペニアの判断をフローチャートで理解する
フローチャートを見ていくと理解しやすいため、上記画像を活用していただければと思います。上述したように、DXA値やBIA値の代替として筋肉量の判断は下腿周囲長を行うことを前提に表では黄色背景となっています。
サルコペニアの判断のポイントはたったの4つ!
まとめますと、以下の4つがポイントとなります。
- サルコペニアは「筋肉(下肢)」だけにフォーカスされている
- 基本アセスメントは「握力」と「歩行速度」
- 上記いずれかが該当する場合、「下腿周囲長」を行う
- 下腿周囲長のカットオフ値は30㎝以下
以上が4つのポイントとなります。このあたりをポイントとして理解しておくと、サルコペニアの判断として非常にすっきりするのではないかと思います。
次回は、フレイルのポイントを整理してお届けします。
サルコペニアに関連する記事一覧
- 「サルコペニア」とは?診断基準や栄養・予防方法について分かりやすく解説します。
- 『リハビリテーション栄養』低栄養でリハビリをしても効果はなく、むしろ逆効果である。
- 『栄養ケアなくしてリハビリなし』栄養とリハビリテーションについて誰でも分かるように解説します。
- ポイントは3つ!「ロコモティブシンドローム」の予防方法について詳しく解説します。
- もはやこれは「国民病」です。「ロコモティブシンドローム」についてやさしく解説します。
お気軽にSNSのフォローもよろしくお願いします!
Twitter ⇒ https://twitter.com/Rehacon
Instagram ⇒ https://Instagram.com/_naoki_inoue_
Facebookページ ⇒ https://www.facebook.com/rehacon.net/
コメントを残す