もはやこれは「国民病」です。「ロコモティブシンドローム」についてやさしく解説します。


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みなさん、こんばんは。
PT井上(@Rehacon)です。

日本整形外科学会が2007年に発表した「ロコモティブシンドローム」をみなさんご存じでしょうか?

何となく「ロコモ」って言葉は聞いたことがある人もいるかもしれません。

「メタボリックシンドローム」はもうみなさんご存じですよね?

メタボはだいぶ広まった概念だと思いますが、このロコモという概念はまだまだ認知度が低いのが現状です。

メタボと並びロコモは「健康寿命」の短縮や寝たきり、要介護状態の原因の1つとして捉えられています。

ロコモティブシンドロームを日本語にしますと、「運動器症候群」となります。

今日はこのロコモについて説明していきます。この概念は人ごとではありませんよ。

いずれ、いや、すでにロコモの人いるんじゃないでしょうか。

もうすでに「国民病」として捉えられています。

わかりやすく説明していきますよ。

【Keyword】ロコモティブシンドローム・運動器症候群・運動器不安定症・健康寿命・予防
【対象者】一般の方・介護予防健康予防に関わる方すべて

ロコモとは

上述したように運動器症候群のことです。

運動器とは、この前の記事「運動器検診」これは素晴らしいです。2016年全国の小中学生の健康診断に追加されます。でも書きましたが、骨・関節・筋肉・靱帯など人間の体を支えているものをいいます。

この「筋骨格系」の疾患や症状を総称したものをいいます。

日本は高齢社会を迎えて、平均寿命が男性で約80.50歳、女性で86.83歳となっています。

これに伴い運動器障害が増加してくるというのは想像できると思います。

車と同じように、使えば使っただけ劣化してきます。関節や関節を保護している軟骨や椎間板、筋肉なども衰えていくということです。ただしメンテナンスを定期的にすることで長く乗れる車のように、体もメンテナンスをしっかりすれば長く使えるようになるということです。

 

どんな疾患があるか代表例を挙げます

  • 変形性膝関節症
  • 変形性腰椎症
  • 関節リウマチ
  • 肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)
  • 骨粗鬆症による円背や脊椎圧迫骨折
  • 脊柱管狭窄症
  • 腰部ヘルニア など

 

肩関節周囲炎を例に挙げてみますね。

これはいわゆる「五十肩」・「四十肩」と言われますがみなさん聞いたことがあると思います。

もうすでにやったことのある方、今現在痛い方、治療中の方などいると思います。

肩の痛み『五十肩・四十肩』の診断や原因・症状・治療方法について分かりやすく解説します。

2016.01.23

【リハビリの専門家が解説】『五十肩・四十肩』のリハビリ治療について解説します。

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この肩関節周囲炎、30代でもなる方は大勢います。

私が以前整形外科クリニックに勤務していたときも若い方は結構いらっしゃいました。

つまり、決して歳をとったからなるものではない、若くても十分なる可能性があるとご理解下さい。

こういった運動器障害から、痛み、筋力低下、筋出力低下、バランス能力低下、持久力低下、運動速度の低下ということを招き日常生活に影響していきます。

つまり、日常生活に影響するということは「要介護状態」「寝たきり」の原因になるということです。

ロコモは運動器症候群。

症候群とは症状であって疾患ではありません。病名に準じて使う医学用語になります。

そして、「運動機能低下」をきたす疾患や既往が存在することを「運動器不安定症」と定めています。

この運動器不安定症は保険にて治療を受けることができます。

ロコモは疾患ではありませんので、保険治療はできずあくまでも「予防」になります。

「運動器不安定症予備軍」とご理解いただけるといいと思います。

 

運動器不安定症とは

定義(日本整形外科学会による)

高齢化により、「バランス能力」および「移動能力の低下」が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態と定義しています。

運動器不安定症とは、「歩行時に転倒しやすい」「たいした転倒でなくても骨折してしまう」これらの病態を疾患として捉えたものです。

この背景には、「変形性膝関節症」「脊柱管狭窄症」が背景にあると痛みや痺れがあり→これに伴い筋力の低下→バランス能力の低下→転倒。こういった背景があります。

 

診断基準(日本整形外科学会に準ずる)

  • 運動機能低下をきたす疾患
  • 脊椎圧迫骨折および各種脊柱変形(亀背・高度脊柱後彎・側弯など)
  • 下肢の骨折(大腿骨頸部骨折など)
  • 骨粗鬆症
  • 下肢の変形性関節症(股関節・膝関節など)
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊髄障害
  • 神経・筋疾患
  • 関節リウマチおよび各種関節炎
  • 下肢切断
  • 長期臥床後の運動器廃用
  • 高頻度転倒者

 

機能評価基準

日常生活自立度:ランクJまたはA(要支援+要介護1,2)

※引用画像:訪問看護NAVI
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運動機能:開眼片脚起立時間 15秒未満、(3m)Time up and go test 11秒以上

この2つのテスト項目を満たすことが条件となっています。

 

ではロコモcheckをしてみましょう

7つのロコチェック(引用元:日本臨床整形外科学会)

  1. 片脚立ちで靴下が履けない
  2. 家の中でつまずいたり滑ったりする
  3. 階段を上るのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 15分くらい続けて歩けない
  6. 2kg程度の買い物(1ℓの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
  7. 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

 

これら7つのうち1つでも当てはまる場合はロコモが疑われると日本臨床整形外科学会は示しています。

いかがでしたか?当てはまるものがありましたか?

もしあればロコモの可能性がありますので、早め早めの対処が必要です。

つまり、「予防」が重要です。

予防とは体のメンテナンスと理解してくださいね。

 

まとめ

今日はロコモの概要についてご説明しました。

少しは理解していただけたでしょうか?

いかに自分の体をケアしてあげることが重要か分かっていただけたかと思います。

体のメンテナンスをしてあげれば、骨や関節、靱帯、筋肉など長く健康的に使っていけるようになります。

寿命が延びている日本ですが、寿命だけが延びても仕方ありません。

やはり「健康寿命」を延ばしていくことが重要ですよね。

元気に楽しく毎日を過ごす。そんな人生にしたいですよね。

次回はこのロコモの予防方法にて解説していきますのでそちらもご覧いただけたら嬉しいです。

>>次のページは
ポイントは3つ!「ロコモティブシンドローム」の予防方法について詳しく解説します。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。