『リハビリテーション栄養』低栄養でリハビリをしても効果はなく、むしろ逆効果である。


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
だいぶ前になりますが、「栄養ケアなくしてリハビリなし」という記事を書きました。
 
以前の記事では、低栄養とはどういうことを言うのか、どんな検査データを見るといいのか、検査データを見た上でどんなリハビリをしたらいいのか、という内容を書きました。
 
今回のこの記事では、栄養がリハビリへもたらす効果や低栄養がリハビリにどんな弊害を与えるのか、検査データではなく、簡易的にどうチェックをしたらいいのか、ということをまとめました。
 
専門家はもちろんですが、介護に携わる方や家族の介護をしている方がなるべく分かるようにまとめたつもりです。
 
少しでも参考にしていただけたらと思います。
 
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リハビリ栄養の定義

 
ICF(国際生活機能分類)による全人的評価と栄養障害・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価、リハ栄養診断、ゴール設定を行ったうえで、障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・フレイルを改善し、機能・活動・参加、QOLを最大限高める「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である。
 
定義というのはだいたい難しく表現されるものなので、分かりにくいかもしれません。
 
簡単に要約すると、サルコペニアとは筋肉の減少や喪失を意味し、フレイルは虚弱を意味します。
 
つまり、栄養状態をしっかり評価してサルコペニアやフレイルを改善し、日常生活の質を高めましょう。ということになります。

【関連記事】
「サルコペニア」とは?診断基準や栄養・予防方法について分かりやすく解説します。

 
 

リハビリになぜ栄養が必要なのか

 
廃用症候群でリハビリを行なっている患者さんや利用者さんのうち、およそ8割に低栄養が認められたと報告されています。
 
実際に私自身、前に勤務していた病院や現在勤務している在宅患者さんの多くは低栄養を認めます。
 
また、在宅では病院と違い管理されていませんので、栄養が傾いてしまうことも多いのが現状です。
 
回復期リハビリテーション病棟協会の調査によると、回復期リハビリテーション病棟に入院する患者さんの43.5%に低栄養が認められ、日常生活動作(ADL)の向上が得られにくいということが報告されています。
 
つまり、入院していても、在宅生活をしていても、相当数の方に低栄養が認められることが示唆されます。
 
リハビリに従事する療法士は、リハビリをする前にまず、栄養状態を確認することは必須になります。
 
 

低栄養でリハビリをするとどうなる?

 
筋肉を作るには、たんぱく質だけでなく、エネルギーが必要になります。
 
たんぱく質やエネルギーが不足している状態で強い負荷の運動を行えば、筋肉を壊してしまうため、筋肉の量は逆に減少してしまいます。
 
つまり、低栄養状態でリハビリをするということは、
 
逆効果
 
になるということです。
 
栄養状態を確認せずに運動療法をしても全く効果がないどころか、逆効果になってしまうことがあるということを理解する必要があります。
 
 

栄養状態の簡易的検査方法

 
病院に勤務していたり、私のように医師が常駐している在宅クリニックの場合は、検査データを指標とできるので非常に分かりやすいですが、そうではないケースの場合にどう確認をするべきなのか理解しておくことはとても重要です。
 
以下に、その方法についてご説明します。
 
 
 
まず、簡易的に栄養状態を評価する指標で有名な評価バッテリーがあります。
 
それを、
 
Mini Nutritional Assessment(MNA®︎)
 
と言います。
 
低栄養に影響する18項目の合計点で評価するもので、より簡易的なスクリーニング検査としては6項目より構成されています。
 
検査用紙がPDF化されてダウンロードできますので、是非活用してみてください。
 
 
また、このMNA®︎の18項目にも入っていますが、
 
  • 上腕周囲長(Arm Circumference:AC)
  • 下腿周囲長(Calf Circumference:CC)
 
この2つをチェックしておくと、栄養状態を確認する上でとても有用です。
 
これらの検査は、筋肉量の低下を示す目安になります。
 
 

上腕周囲長(AC)

 
肩峰・肘頭 
 
利き手ではない方の上腕の中央を周径します。
 
 
注意点
もし、利き手ではない方に麻痺や拘縮がある場合は、麻痺や拘縮がない方で周径します。
方法は、肩峰(けんぽう)肘頭(ちゅうとう)の長さを測り、その中央部を周径します。
 
21㎝未満で筋肉量の低下している目安となります。
 
 

下腿周囲長(CC)

 
下腿周径・下腿三頭筋
 
利き足ではない方のふくらはぎの最も太いところを周径します。
 
 
注意点
もし、利き手ではない方に麻痺や拘縮がある場合は、麻痺や拘縮がない方で周径します。
31㎝未満で筋肉量の低下を示す目安になります。
 
在宅生活をしている高齢者の場合は、34㎝未満が筋肉量の低下を示す目安になります。
 
 
 
このように筋肉量も栄養を評価する上で非常に有用な検査となり、実際に筋肉量の低下がある方は、サルコペニアであることが疑われます。
 
詳しくは以下の記事でまとめていますので、合わせてお読みください。
 
 
 

栄養療法

 
栄養を摂取するには、3食の食事はもちろんですが、それに加えて筋肉を作るたんぱく質持久力を高めるために糖質を摂ることが推奨されています。
 
リハビリや運動の後、30分以内に栄養補助食品などで摂取できるとより効果的です。
 
 
 

リハビリや運動の実際

 
サルコペニアの予防や下半身の運動については、以下の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
 
【関連記事】
 
但し、栄養状態に応じてどれだけ負荷をかけていくか、どんな運動の種類を選択するか、というのは個人差がありますので、理学療法士などの専門家にアドバイスしてもらうことをおすすめします。
 
 

まとめ

 
栄養状態を知ることはリハビリを進める上で、非常に重要になるということをお分かりいただけたかと思います。
 
低栄養はADLの改善の妨げになること、低栄養で積極的に運動をしても逆効果になること。
 
そのためにリハビリスタッフだけでなく、介護する側、看護する側もちょっとした評価で栄養状態を知ることができますので、ここで説明した検査を積極的に実践してみてください。
 
それでは、参考になれば幸いです。
 
 

おすすめ書籍

 
リハビリ栄養を学ぶには若林先生が有名です。
 
悩んだら若林先生の執筆したものを選べば間違いありません。
 
専門的な参考書になりますが、専門家の方は是非手に取ってみてください。
 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

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