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変形性膝関節症(膝OA)に対するリハビリの考え方
基本的には痛みや関節の動き、筋力などへ対応し、立つ・歩くといった日常生活への負担軽減を目的にしています。
まずどうのように膝の痛みを考えるかが重要
前回の記事も見比べていただけるといいのですが、膝のOAの場合、クッションである軟骨が摩耗し機械的なストレスを「膝の内側」に起こすことで変形を起こし、痛みを生じます。
つまり「問診」が重要です。
こういう場合を「機能的な異常」といいます。
この場合には膝を保護するためにサポーターを導入したり、筋力を鍛えるということが中心になっていきます。
その後痛みが酷くどうにもならない場合に手術という選択になることもあります。
どこが痛いかはっきりしない場合はリハビリで改善するケースも多い
そうすると内側に体重を乗せるのを体は無意識に嫌がります。
つまり外側に体重をかけるようになります。するとどうなるか。
ポイントになる筋肉
あとは「大腿直筋(だいたいちょっきん)」。
左から前脛骨筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋
※引用画像:筋肉ガイド
ポイントになってくるお尻の筋肉は「中殿筋(ちゅうでんきん)」・「小殿筋(しょうでんきん)」です。
そして、この筋肉は歩くときに支えになる重要な筋肉なのですが、外だけに体重を逃がしていくと当然体が外側に倒れてしまいます。
ですので、内側の筋肉でもバランスを保とうとします。ここで重要になる筋肉は「縫工筋(ほうこうきん)」です。
左から小殿筋・中殿筋・縫工筋
※引用画像:筋肉ガイド
これらの筋肉に対して様々なアプローチをしていくということになります。
物理療法
- 低周波療法
- マイクロウェーブ
- ホットパック
低周波療法
上に挙げた筋肉でいうと、前脛骨筋・腸脛靭帯・縫工筋あたりに行うと効果があります。
これは筋肉の萎縮予防にもなります。
リラクゼーションは脳で感じますが、痛みは脳との関連性も強いです。
そういう意味で考えても効果が全くないとはいえないと思います。
安いですし、自宅で試す価値はあると思いますよ。
マイクロウェーブ
これは病院でしか行えません。
深部の筋肉まで熱が加わりますがリスクもあります。
※引用画像:ミナト医科学
禁忌事項
- 急性炎症部位
- 金属性物質が体内に埋め込まれている場合
- 心臓ペースメーカー装着している方
- 循環障害
- 知覚障害がある場合の知覚感覚障害部位
- 悪性腫瘍
- 眼球・睾丸・妊婦のお腹
- 子供の骨端線
ホットパック
このホットパック、おそらくどの病院もあると思います。
あくまでも「皮膚」までといわれています。
そのため効果なしといわれることも多いのですが、これも決してそうではないと私は思っています。
最近は「皮膚運動学」というのがとても有名になってきています。
これを考案した福井先生も理学療法士業界では超有名人ですね。
皮膚も可動域に影響してきます。
皮膚が緩むと可動性は改善しますし、筋運動、姿勢の改善と効果は明確になってきました。
「リラクゼーションは医療ではない」なんていう方がいますが、リラクゼーションと脳の関係性を考えれば効果はあると思います。
ただし、どこの部位にやるかが重要です。
筋力トレーニング
それぐらい膝OA=筋トレみたいな認識になっているんですね。
これは一時的なものではなくて「予防」として継続していくことが望ましいです。
腸腰筋
【注意点】身体が後ろに倒れないようにする。
【頻度】1回10秒×3セット、1日に2回程度から始めてください。
【注意点】膝が伸びたり、股関節を曲げすぎないように注意する。
【頻度】1回10秒×3セット、1日に2回程度から始めてください。
大腿四頭筋訓練
中殿筋/小殿筋
内転筋群
臨床経験で効果を感じているもの
私が普段臨床で効果を感じているのは「筋膜調整」です。
このロルフィング技術を用いて行っていると、ある部分に硬いしこりの部分が見つかります。
そこの多くは圧迫を加えると強い痛みや関連部位に痛みを起こします。
ここを「トリガーポイント」といいます。
トリガーポイントについては過去の記事痛みの原因はこれかもしれない。「トリガーポイント」についてやさしく解説します。に詳しく説明しています。
以下の関連記事でまとめていますので、参考にしていただけたら幸いです。
【関連記事】
●『膝の痛み』を引き起こす代表的な6つの筋肉とトリガーポイント
再発させないためには、姿勢や普段の動きのパターンを聞き出してそこに問題がないかどうか修正してもらうことも時には必要になってきます。
この辺りは文字で説明していくのはかなり困難ですが、「歩く」ということに特化して考えればやはり「インソール」は必要です。
ちなみに私はDYMOCOインソールを普段作ります。
●理学療法士が教える 正しい足アーチのつくり方~サポーター・テーピング・インソール編~
●どんなことも土台が大事。人間の身体は足元から。『靴とインソール』についてお話しします。
● 【増加中!?】あなたも足のトラブル予備軍かもしれませんよ。自分の足を知ることが健康維持の基本です。
【インソール作製症例集】
●【インソール作製】ふくらはぎの疲労と軽度の腰痛に対するインソール作製
●【インソール作製】パーキンソン病・腰痛に対するインソール症例
●【東京開催・モニター報告】王子『整体サロン てぃ~だ』さんをお借りして、足の計測・施術・インソール作製
まとめ
変形性膝関節症の一般的なリハビリについて解説をしましたが、いかがでしたでしょうか。
ですが、筋トレをしないと関節に負担がかかるのもまた事実なのです。
この筋トレは自分でできるものばかりです。自分で予防をして、体のメンテナンスをしてあげてください。
筋膜治療も色々ありますし、一概に何がいいのかも私は分かりません。
ただ私は自分で試して効果のあったものしか信じられない性格ですので、そう感じるものをご紹介しました。
少しでも参考になれば幸いです。