【近未来の医療】2035年の医療ツーリズム。インバウンド対策が急務。

2035年の世界

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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
前回に引き続き、高城剛さん著書からご紹介したいと思います。
 
医療と観光という組み合わせはあまり馴染みがないかもしれません。
 
しかし、シンガポールやタイ、韓国などアジアの医療観光(医療ツーリズム)は徐々に増加してきています。
 
高城剛さん著書を引用しながら、医療ツーリズムについて考えてみたいと思います。

【前回の記事】
【近未来の医療】2035年の医療はどう変わる?遺伝子検査は当たり前になる。

 
 

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医療ツーリズムとは?

 
医療ツーリズムとは「医療サービスを受けることを目的として他国へ行くこと」を意味する。
 
そして、この医療ツーリズムを利用して国内での医療産業を発展させたり、外貨を稼ぐというものがインバウンドの目的であった。

引用:一般社団法人 メディカルツーリズム協会

 
医療ツーリズムの目的は大きく分けて3つに分類されます。
 
  1. 治療
  2. 検診
  3. 美容・健康増進
 

治療

 
治療を目的としたものは、あくまでも治療がメインになるため、観光はあまり目的としてはいません。
 
臓器移植のために海外へ行くというのは日本でもよくメディアに取り上げられます。
 
臓器移植だけでなく、高度医療を受けるために海外へ行くというのは決して珍しいことではありません。
 
 

検診

 
日本ではここの領域でのインバウンドツーリズムが強いのではないかと言われています。
 
日本は現時点で少し出遅れているが、潜在的な競争力は高いはずだ。
 
PETなどのがん検査や、内視鏡検査に関する技術は、世界でもトップクラスだからだ。
 
いまでも中国富裕層が検査を受けにやってきているが、環境を整えたうえで良いプロモーションをすれば世界中から医療観光客がやってくるのは間違いない。
 
羽田の国際線到着ロビーに、医療観光カウンターができる日は、そう遠くないだろう。

本書より引用

 
美容整形大国の韓国では、空港に医療カウンターがあるそうです。
 
美容整形の手術を受けるために、世界からたくさんの医療観光客が来ていて、主要産業になっています。
 
日本の医療では上記引用しましたが、PET検査や内視鏡検査の技術力があるため、十分な医療観光客を見込めると実際にも考えられています。
 
また、厚生労働省も日本の医療機関における外国人患者受入環境の整備を進めています。
 
2020年東京オリンピックまでに、外国人患者が安心・安全に日本の医療サービスを受けられるよう、医療機関における外国人患者向け説明資料の標準化や通訳・コーディネーターを育成しているようですね。
 
昔勤務していた病院にもトルコ人や韓国人などの方もいましたし、在宅でもアジアの方々は増えてきています。
 
中国・韓国・台湾の観光者は著しく増加傾向にあるようですし、こういった経験も踏まえ、現場レベルで働く日本人も色々と対策を考えていく必要があるのかもしれません。
 
 

美容・健康増進

 
アジア圏では、韓国が美容整形で医療ツーリズムに力を入れているのに対して、タイでは美容整形の他に性転換手術など、スリランカではアーユルヴェーダを受けるために医療観光客が大勢来ているそうです。
 
アーユルヴェーダは世界保健機構(WHO)に認められた世界最古の医学で、また、現在最高の代替医療と言われている。
 
長期滞在しながら、各々にあった食事をドクターが選び、ハーブオイルを使って日夜マッサージをし、溜まった毒素を抜きながら、病気になりにくい身体に作りかえていく。

本書より引用

 
そうなんですね!
 
アーユルヴェーダがWHOに認められた世界最古の医学だとは知りませんでした。
 
実際に受けてみたことはないですが、アーユルヴェーダのサロンは日本にも多数ありますし、こういう類のヘルスケア領域では理学療法士なども参入していけそうな気もします。
 
日本のリハビリテーション業界では、海外からの輸入された技術が非常に多いですが、今後は輸出していく技術が増えていくと面白いですね。
 
実際のところ、理学療法士の福井先生が考案した皮膚運動学などは海外で講演をしたりしているようですし、日本人医師が考案した東洋医学を交えたM-Testなども海外の方々が学びに来ているようです。
 
こういう技術が増えていくと、この業界ももっと発展していくのかもしれません。
 
 
 
 

富裕層だけではなく、低所得者層に対する医療ツーリズムも拡大している

 
ここまでの内容をみると、高度医療や美容整形など富裕層がターゲットになっていると感じると思います。
 
しかし、日本だけでなく、各国で医療保健制度がうまく機能していない現実があり、場合によっては海外で治療を受けたほうが結果的に安く治療を受けられるということがあります。
 
たとえば、米国では、医療保険制度がまともに機能していなくて、多くの人が自由診療で治療を受ける。
 
そのため盲腸の手術をしただけで500万円かかり、保険に入っていても100万円以上支払わねばならない。
 
ー 中略 -
 
とはいえ、治療しなければ症状は悪化してしまう。
 
そこで、移動できる人はメキシコに手術を受けにいくようになった。
 
旅費も含めても、そのほうがずっと安いからだ。

本書より引用

 
アメリカは日本のような医療システムがなくて医療費が高いのはよくご存知だと思います。
 
であるからこそ、サプリメントなどの予防が発展してきた背景があると思います。
 
しかし、どう予防しても病気にならないなんて保証はないわけですし、実際に病気になった場合は高額な医療費を支払うことになります。
 
アメリカでは、近隣のメキシコに行くようですが、日本も今は飛行機がLCCで安く利用できますし、日本での医療ツーリズムが拡大していけば、それこそLCCはより運営しやすくなって、今後はもっと拡大していくことが予想されます。

医療だけではなく、様々な分野に好循環を与える可能性がありますね。

 
本書でも最後に言っていますが、富裕層をターゲットとした医療ツーリズムよりも、医療保険制度の破綻は各国の問題でもありますので、こちらのローコスト医療ツーリズムの方が発展していくかもしれませんね。
 
 

まとめ

 
2回に渡って、高城剛さん著書「2035年の世界」をご紹介しました。

このブログでは医療関連についてをご紹介しましたが、

  • 電気
  • 自動車
  • オーガニック
  • 家電

等々、様々な分野において高城さん独自の観点で未来が描かれています。

どういう目線でこの本を読むかは人それぞれですが、個人的には非常に興味深く、とてもクリエイティブな方だなぁと思いながら読みました。

面白かったですよ!

もし、興味を持った方は是非読んでみてください。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。