【リハビリの専門家が解説】『五十肩・四十肩』のリハビリ治療について解説します。


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<2017年12月10日修正・追記>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
 
前回五十肩の診断や症状、原因、その他の疾患との鑑別など基本的なことを解説しました。

【関連記事】
「五十肩・四十肩」に対するリハビリの基礎知識。誰でも分かるように解説します。

 
治療では、「薬物療法」に加え「リハビリテーション」が重要であると説明しました。
 
五十肩でリハビリに通われている方も多いと思います。
 
今回は五十肩に対するリハビリの基本的なことの説明に加え、私の臨床経験上効果を感じていることもご紹介していきます。
 
【Keyword】五十肩・四十肩・肩関節周囲炎・リハビリ・トリガーポイント
【対象者】一般の方・療法士学生・新人療法士・ケアマネ・介護従事者・その他治療家の方
 

五十肩・四十肩に対するリハビリの基本的な考え方

 
前回も説明をしましたが、五十肩の症状は主に2つで「痛み」「肩の動きの制限」だと説明しました。
 
つまりリハビリは、
 
  • 痛みをとること
  • 肩の動きをよくすること
 
この2つが基本的な考え方となります。
 
さらに、痛みがあり肩を動かさないでいると、当然筋力というのは落ちていきます。
 
つまり、痛みの治療と動きの改善を目的とする治療に加え、「筋力トレーニング」というのも欠かせない要素になります。
 
 

五十肩・四十肩に対する一般的に行われるリハビリの方法

これからリハビリについて説明しますが、全体を通して注意すべき点は、「痛みの範囲内で行うこと」です。

「痛くても動かさないとダメ。」と言われたことのある方もいるかもしれませんが、「百害あって一利なし」です。ご注意ください。

基本的には病院のリハビリで治療を受けることをおすすめしますが、プラスアルファでご自分で行える運動をご紹介していきます。

 

五十肩・四十肩に対する物理療法(電気治療や温熱療法)

五十肩になった方はご存知かもしれませんが、まず病院に行ったり、接骨院に行ったりすると「電気治療」「温熱療法」をすることがよくありますね。

電気治療などの物理療法は、過去の記事でもご紹介していますが、「使い方次第」で痛みに効果があります。

一般的に整形外科のクリニックなどでのリハビリでは、クライアントさんが多く来院され、療法士は多忙です。

そのため、電気治療や温熱療法などの物理療法は助手さんがセッティングすることが多いのが現状です。ですが、本来ならこれはよくありません。

物理療法は「効果がない」とも言われることが多いのですが、どこの部位にセッティングするかで随分変わります。

以下に応用編で五十肩に対するトリガーポイントについて解説しますが、そのトリガーポイントに電気治療すると効果的です。

トリガーポイントを参考に、ご自宅で電気治療するというのも悪くないと思いますので参考にしてみてください。

さらに、電気治療は強制的に筋肉を収縮させるので「筋萎縮予防」にもなります。
 
 

コッドマン体操

一般的で有名なのは「コッドマン体操」です。
 
コッドマン体操 コッドマン2
このコッドマン体操は昔からやられている方法ですが、効果あります。

【目的】関節の動きを改善する目的で行います。
【方法】ペットボトルやアイロン・その他重りを持ち、下に垂らします。もう一方の手は台などに置きます。その状態で「前後」・「左右へ回す」運動を行います。
 
 

その他、五十肩・四十肩に対する関節の動きを改善させる運動

まず、肩の動きというのは、肩だけではなく肩甲骨の動きも連動して動く必要があります。

肩甲骨の動きを改善する運動は以下の2つの運動を行ってみてください。

【目的】肩甲骨の動きを改善する。
【方法】両手を肩に当て、肩甲骨を大きく回す。

肩甲帯 

【目的】肩甲骨の動きを改善する。
【方法】タオルを持ち、両手を上に持ち挙げる。そのまま、肩甲骨を床から離すようにさらに上に挙げる。
【注意点】タオルが緩まないようにする。

肩甲帯2

続いて肩の運動について説明します。

【目的】肩の動きを改善する。
【方法】タオルを持ち、頭の上に向かって持ち挙げる。

 肩
 

【目的】肩の動きを改善する。
【方法】手を体の後ろで組み、持っている方の手を上に持ち上げる(写真では患部は左手)。

肩3

【目的】肩の動きを改善する。
【方法】手の甲が正面を向くようにします。手のひらを反すように横に広げていきます。

肩回旋

 

五十肩・四十肩に対する筋力トレーニング

筋力トレーニングでは、セラバンドを使うことをおすすめします。

セラバンドの概要については以下の関連記事でも紹介していますので、参考にしてください。

【関連記事】
「spoband(スポバンド)」これめっちゃヤバい!もう「セラバンド」は時代遅れかもしれないですよ。

【目的】肩関節周囲の筋肉を強化
【方法】セラバンドを使用します。トレーニングする手の反対側の足でセラバンドを踏んで固定します。そこから手を上に持ち挙げます。
【注意点】手を挙げたときに代償動作が出ないようにする。代償動作については「五十肩・四十肩」の診断や原因・症状・治療方法について分かりやすく解説します。でご確認ください。

肩外転MSE

【目的】肩関節周囲の筋肉を強化
【方法】両手でセラバンドを持ち、横に広げるようにセラバンドを引っ張ります。
【注意点】外に広げ、戻す時もゆっくりと戻してください。脇が開かないように行って下さい。

肩MSE

 

応用編:五十肩・四十肩に似た症状を起こすトリガーポイント

ここの内容は少し専門的になってしまいます。ご了承下さい。

この五十肩に関与している筋肉で注目すべき筋肉は「斜角筋(しゃかくきん)」と「棘上筋(きょくじょうきん)」・「棘下筋(きょっかきん)」・「小円筋(しょうえんきん)」です。

ここに「トリガーポイント」ができやすく、肩の痛みに関与していることを多く経験しています。

前斜角筋トリガーポイント 中斜角筋トリガーポイント

棘上筋 棘上筋 棘下筋 棘下筋 小円筋 小円筋
そしてここのトリガーポイントを筋膜アプローチします。

特に棘下筋の下部線維は痛みが強く出ますが、凄く関連痛が出ます。そして、痛みの軽減と可動域の改善に関与しています。

詳しくは以下の記事にまとめていますので、合わせてお読みください。

【関連記事】
筋膜とは?トリガーポイントとは?筋膜の機能異常をどう捉えるか。
トリガーポイントの症状・種類・原因について解説をします。
『肩の痛み』を引き起こす代表的な8つの筋肉とトリガーポイント

 

まとめ

五十肩に対するリハビリの基礎的なことについて解説しました。

基本的には、痛み・関節可動域制限・筋力に対してリハビリをしていきます。

前回の記事でも書きましたが、痛みを感じたらまずは整形外科に行きましょう。

そしてまずは正しい診断が必要です。そのうえで治療方法は変わってきます。

治療を受ける側も受け身ではなく、自分でできることは積極的に行うようにしてください。

そうすることで症状の早い改善とその後の予防につながっていきます。

少しでも、参考になれば幸いです。
 
 
 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。