最近はスマホの普及により、現代病と言われる1つに「テキストネック」と呼ばれるものがあります。
テキストネックは別名「ストレートネック」と呼ばれ、ストレートネックという言葉を聞いたことのある方は多いと思います。
ストレートネックになると、肩こりや頭痛、首の痛みを引き起こす原因の1つとなります。
実際に若い方でも、非常に多い症状です。
肩こり・頭痛を引き起こす筋肉とトリガーポイントについては以前に書きました。
首の痛みは、肩こり・頭痛と一緒に起こりやすいという傾向があり、同じ部位にトリガーポイントが形成されやすいといのも特徴的です。
補足
同じ部位でも、トリガーポイントが形成される部分が違います。
今回は、首の痛みを引き起こす代表的な6つの筋肉とトリガーポイントについて解説をしていきます。
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首の痛みを引き起こす代表的な6つの筋肉とトリガーポイント
- 僧帽筋(そうぼうきん)
・上部線維(じょうぶせんい)
・中部線維(ちゅうぶせんい)
・下部線維(かぶせんい)
- 多裂筋(たれつきん)
- 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
- 頚板状筋(けいばんじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 斜角筋(しゃかくきん)
以前に
肩こりや
頭痛の記事にも書いた部分があり、重複するところがかなりありますので、合わせて読んでいただければと思います。
今回は説明していないところを中心に解説をしていきます。
僧帽筋(上・中・下部線維)
上部線維
起始:後頭骨上項線・項靭帯
停止:鎖骨の外1/3
作用:肩甲骨の挙上・上方回旋
神経支配:副神経・頚神経
トリガーポイント
【関連痛パターン】
上部線維外側のトリガーポイントは、首の外側からこめかみにかけて関連痛を引き起こします。
中部線維
起始:C7〜Th3棘突起・棘上靭帯
停止:肩峰・肩甲棘
作用:肩甲骨の内転・後退
神経支配:副神経・頚神経
トリガーポイント
【関連痛パターン】
中部線維・下部線維のトリガーポイントについては、首の後方と肩の後方に関連痛を引き起こします。
下部線維
起始:Th4〜Th12棘突起・棘上靭帯
停止:肩甲棘
作用:肩甲骨の下制・下方回旋、内転
神経支配:副神経・頚神経
トリガーポイント
【関連痛パターン】
中部線維・下部線維のトリガーポイントについては、首の後方と肩の後方に関連痛を引き起こします。
多裂筋
起始:仙骨後面及び第4頚椎〜第5腰椎までの横突起、上後腸骨棘
停止:各起始部から隣接する2〜4椎骨上の棘突起
作用:脊椎の伸展・回旋(反対側)・側屈(同側)、脊柱の局所的動作で脊椎を安定させる
神経支配:脊髄神経後枝
トリガーポイント
【関連痛パターン】
頚部のトリガーポイントは、肩甲骨周囲から首の後方まで関連痛を引き起こします。
肩甲挙筋
起始:C1〜C4横突起
停止:肩甲骨の上角、内側縁上部1/3
作用:肩甲骨の挙上(内上方)、下方回旋
神経支配: 肩甲背神経
トリガーポイント
【関連痛パターン】
この筋肉の関連痛は、首の下方部分から肩甲骨の内側にかけて引き起こされます。
肩こりを起こす代表的な筋肉でもあります。
頸板状筋
起始:Th3〜Th6棘突起
停止:C1〜C3横突起
作用:頭頸部の伸展・側屈(同側)・回旋(同側)
神経支配:脊髄神経後枝(頸神経)
トリガーポイント
【関連痛パターン】
下部に起こるトリガーポイントは、首の外側に関連痛を引き起こします。
寝ている姿勢など、ずっと同じ首の回旋姿勢が持続されると、トリガーポイントを形成しやすくなります。
棘下筋
起始:肩甲骨の棘下窩
停止:上腕骨の大結節
作用:肩関節の外旋・伸展
神経支配:肩甲上神経
トリガーポイント
【関連痛パターン】
この筋肉の関連痛は、主に肩の痛みや手の痺れに起こることが多いですが、稀に首に痛みを引き起こすことがあります。
斜角筋
斜角筋はそれぞれ前・後・中に分けられます。
前斜角筋
起始:頚椎3番〜6番の横突起前結節
停止:第1肋骨の前斜角筋結節
作用:頚椎の前屈・側屈、第1肋骨の挙上
神経支配:頚神経叢
後斜角筋
起始:頚椎4番〜6番の横突起後結節
停止:第2肋骨の外側面
作用:頚椎の前屈・側屈、第2肋骨の挙上
神経支配:頚神経叢及び腕神経叢
中斜角筋
起始:頚椎2番〜7番の横突起前結節
停止:第1肋骨鎖骨下動脈の後方突起
作用:頚椎の前屈・側屈、第1肋骨の挙上
神経支配:腕神経叢
トリガーポイント
【関連痛パターン】
この筋肉の関連痛は、肩から肩甲骨周り、腕に起こることが多く、手の痺れなどの神経痛を引き起こします。
しかし、経験上、首の痛みに関連痛を起こすこともあり、斜角筋を調整することで痛みが改善することがあります。
トリガーポイント療法/筋膜リリース
- 上記トリガーポイント画像にある✖印を一定の圧力で30秒圧迫+30秒解放を何回か繰り返す。
- ✖印を一定の圧力で30秒グリグリゆっくりと動かす+30秒解放を何回か繰り返す。
- 上記に示した筋肉に対して、親指や手のひら、ゴルフボール、テニスボール、トリガーポイント用のボール、フォームローラーなどを使用して一定の圧力で、ゆっくりと動かす。
圧迫したりグリグリ押すには、親指や指の関節、ゴルフボール、テニスボール、トリガーポイント用のボールなどを使用して行うと効果的です。
TRIGGERPOINT PERFORMANCE(トリガーポイント パフォーマンス)
これで首の痛みが軽減する場合には、セルフケアとして継続してみてください。
まとめ
首の痛みを引き起こす原因となる筋肉とトリガーポイントについてご紹介をしました。
冒頭にも書いたように、首の痛みは、肩こりや頭痛と一緒に起きることも多く、同じ筋肉にトリガーポイントが起きていることがよくあります。
そのため、同じ筋肉のご紹介が多くなりましたが、トリガーポイントが起きる部位が若干違っていたりします。肩こり・頭痛を引き起こすトリガーポイントと合わせてお読みいただけたらと思います。
【関連記事】
●『肩こり』に関連する筋肉とトリガーポイント
●『頭痛』と関連する筋肉とトリガーポイントの代表例5つをご紹介します。
是非、参考にしてもらえたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
おすすめ書籍
以下の2冊は一般向けに筋膜性疼痛症候群研究会(MPS研究会)でもおすすめしている書籍です。
加茂整形外科医院院長 加茂 淳 風雲舎 2009-01-10
Clair Davies,Amber Davies エクスナレッジ 2010-03-10
以下の書籍は個人的におすすめしたい2冊です。
筋肉の絵やトリガーポイント、セルフストレッチや筋力トレーニングも丁寧に説明されています。
Dimitrios Kostopoulos,Konstantine Rizopoulos 医道の日本社 2002-08
シメオン・ニールアッシャー 緑書房 2010-07-06
筋膜リリースの本を読むなら
「竹井 仁」先生の本がおすすめです。
筋膜博士と呼ばれるくらい筋膜では有名な先生であり、TVなどにも数多く出演されている方です。
私も持っていますが、こんなに充実した内容でこの価格は破格です。
超絶おすすめ一般書ですよ。
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