【インタビュー】現役理学療法士が足の痛み・しびれまで症状が出ていた『腰椎椎間板ヘルニア』の手術治療を受けたリアルな話し。

【インタビュー】現役理学療法士が足の痛み・しびれまで症状が出ていた『腰椎椎間板ヘルニア』の手術治療を受けたリアルな話し。

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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
かなり久しぶりのインタビューコンテンツとなります。過去のインタビュー記事は以下の関連記事からお読みください。
 
 
昨年の11月に友人に久しぶりに会ったのですが、以前より腰椎椎間板ヘルニアで腰痛が酷く、下半身にまで影響があって普通に歩くこともできなくなっていた友人がいました。

【関連記事】
『腰椎椎間板症・ヘルニア』に対するリハビリ治療の基礎知識。誰でも分かるように解説してます。

 
その友人は、僕と同じ理学療法士なのですが、何をやっても効果がなかったようで、結果的に手術に踏み切ったそうです。
 
手術することは全く知らなかったんですが、たまたま別件で連絡したところ、ちょうどその日に手術とのことで、数日後にお見舞いに行ってきました。
 
今回せっかくなので、普段患者さんを理学療法士という立場で担当している本人が、実際に手術を受けた感想をインタビュー形式で聞いたらおもろいんじゃないかなと思い、本人に打診したところ快く承諾してくれました。
 
これから手術をする人もいるかもしれませんし、手術をすべきか悩んでいる方もいると思います。
 
このインタビューが少しでも参考になればと思います。
 
それでは、現役理学療法士が腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けたリアルな声をお聞きください。
 

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話し手:理学療法士 勉さん

 
今回手術をしたご本人の名前は勉(つとむ)なんですが、書いて字のごとく、
 
・べんさん
・べんちゃん
 
というあだ名で呼ばれています。
 
今回勉さんに手術を受ける前の気持ち、受けた後の経過、実際に患者さんになった気持ちなど詳細に聞くことができました。
 
あまりこういったコンテンツはないと思うので、面白いんじゃないかと思っています。
 
 

腰椎椎間板ヘルニア:診断内容

 
腰椎椎間板ヘルニアMRI
実際の本人のMRI画像
腰椎椎間板ヘルニア術後レントゲン画像
実際の術後レントゲン画像(後方)
腰椎椎間板ヘルニア術後レントゲン画像
実際の術後レントゲン画像(側方)

診断名:
L5ーS1椎間板ヘルニア
術式:L5ーS1椎間固定術・骨移植術
手術日:2018年2月中旬
退院日:2018年3月上旬

L5:腰椎5番
S1:仙椎1番

腰椎・仙椎 腰椎・仙椎

 
 

腰椎椎間板ヘルニアと診断されたのはいつ?

 
井上
それでは、勉さん今日はよろしくお願いいたします。
勉さん
こちらこそよろしくお願いします。
井上
早速ですが、色々と伺っていきたいと思います。まず、最初に感じた腰の痛みや違和感、下半身への症状はいつから始まりましたか?また、病院でヘルニアと診断されたのはいつ頃でしょうか?
勉さん
腰痛自体は若い頃からありました。ぎっくり腰も何度も経験してまして、腰が痛かったり治ったりを繰り返していました。

勤務先の院長が整形外科の専門医なので腰痛に関して相談し、2015年の年末頃にMRIを撮りました。その時に初めて「腰椎椎間板ヘルニア」と診断されました。

ただ、その時は下肢症状(下半身の症状)は全くありませんでした。なので、少し油断していたと思います。趣味がテニスなのですが、2016年は年末まで週に3回程度テニスをやっていました。冬場はテニスを休むのですが、その頃から左足に違和感というか坐骨神経痛の初期症状が始まっていたと思います。

 

初期症状とその経過

井上
例えば、痛み方がどんな感じだったとか、痛い場所、どう動いたら痛いのか痛くないのかなど、最初はどの程度の症状だったのでしょうか?
勉さん
最初は、夕方くらいになって疲れが溜まってくると、左のお尻が少し痛いかな?という程度でした。そのまま寝て、一晩経つと痛みは引いていたという感じです。
井上
痛みやしびれの症状というのは、どのような経過をたどりましたか?
勉さん
2017年に入り、春頃から段々と左の足の甲や足首あたりにしびれや感覚が鈍くなるなどの症状が現れはじめました。そして、脊柱管狭窄症のように間欠性跛行(かんけつせいはこう:以下に補足説明)が出はじめました。

はじめは長く歩くと少し痛いかな?という程度でしたが、歩ける距離がどんどん短くなっていき、一番酷いときは10m歩くと激痛で立ち止まらないと歩けないというところまで悪化していきました。

間欠性跛行とは
歩いたり、腰を反ったりすることで腰や下半身に痛みやしびれの症状が増強されます。腰をかけて「腰を丸めて休憩」すると症状が落ち着き、また歩けるようになります。このことを間欠性跛行といいます。

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日常生活で大変だったこと、試した治療方法とは?その効果とは?

 
井上
なるほど。そこまで症状が進んでしまうと日常生活はかなり困られたと思います。日常生活において一番困ったことってありますか?
勉さん
とにかく左足が坐骨神経痛による激痛で長く歩けないことですね。また、立っているだけでも左足が痛くなってきて、真っ直ぐ立っていられませんでした。仕事以外では外を歩きたくないし、家の中の家事(立ってやる掃除や食器洗い、布団の上げ下げなど)すらできなくなってしまいました。
井上
いやぁ… それは本当に大変でしたね… 実際に色々と治療方法については試してきたと思うのですが、どんな治療法を試しましたか?覚えている範囲で構わないので教えてください。
勉さん
初期の頃は、体幹や下半身のストレッチや筋トレ(あまり真面目には取り組んでなかったですが…)をやり、その後少しずつ痛みが増してきてからは、マッケンジー体操やAKA-博田法などを同じ専門家の理学療法士や医師に診てもらいました。
井上
実際に治療を受けてみて効果などはいかがでしたか?
勉さん
マッケンジー体操とAKA-博田法は、一時的に効果を感じたこともありましたが、残念ながら私の場合は、時間が経つにつれ徐々に症状は悪化の一途を辿っていきました。

 

手術に踏み切った理由と術後の経過

井上
手術に踏み切ったのは、その他の事を色々やってもなかなかよくならなかったからでしょうか?
勉さん
そうですね。それもありますし、ちょうど今年の2月の上旬に仕事中にぎっくり腰になってしまい、翌日から激痛で立てなくなってしまいました。ちょうどその1週間後くらいに、勤務先の院長の先輩医師で脊椎外科の指導医の先生がいらっしゃいまして、その先生の外来初診の予約を以前から取っていたのです(元々、ある程度手術は覚悟の上で、受診する予定でした)。

MRIを撮ると、L5-S1間の椎間板が半分以上後ろに逸脱しており、脊柱管に入り込んでいました。先生の見立てでは、ヘルニアが酷いので、関節鏡の適応ではなく、椎弓の一部を切除して椎間板を抜去し骨移植、後方からボルトとロッドで椎間固定をしましょう。とのことでした。

脊椎固定術は今後のことも考えると避けたかったのですが(ボルトとロッドは一生抜かないので)、先生からは椎間関節の不安定性があり、関節鏡では再発の可能性が高いこと、一椎間固定なので術後半年以上経ったら制限なくスポーツをしても大丈夫だと言われたこと、また、日常生活にも仕事にもかなりの支障があったので、手術を受ける決断をしました。

井上
なるほど。色々と悩みながら決断されたんですね。僕は手術をした経験がないですし、こういう話は凄く貴重だなぁとつくづく感じます。実際に手術をして3ヶ月経過しましたが、どのような経過を辿ってきたか教えてください。
勉さん
入院自体は手術から抜鈎(ばっこう)までの2週間程度でした。手術直後は術創部(傷口)の激痛で翌朝まで一睡もできませんでした。離床(ベッドから離れること)は術後3日目でした。それから硬性コルセット(プラスチック製)を着用して歩行器で病棟内を自分で歩く練習をしました。

私が理学療法士だからかどうかは分かりませんが、理学療法士のリハビリは受けませんでした。先生からは、仕事内容を加味すると仕事復帰は術後3ヶ月後と言われていたので、退院後も自宅療養を余儀なくされました。少しずつ動くようにして、かなり動けるようになったと実感したのは5月に入ってからですね。術後3ヶ月の定期受診後、自宅内では硬性コルセットはなし、外出時や仕事中は着用するよう指示されています。

井上
今日まで凄く大変だったと思いますが、実際に手術を受けてみての印象はいかがでしたか?また、普段仕事で手術後の方のリハビリを提供していると思いますが、自分が手術をしたことでリハビリの内容や問診する内容など、何か変わったことってありますか?
勉さん
怖がらせてしまって大変申し訳ないのですが、手術した直後はかなり痛かったです。ただ、その時期を過ぎて歩行器で歩き出したら、それまでずっと苦しめられてきた坐骨神経痛は消え去っていました。これには本当に感動しましたね。

実際に患者として入院・手術を経験したことで患者さん目線での考え方、不安な気持ちなどを実体験できました。今は仕事復帰したばかりなのですが、今後はこの経験を活かして、より患者さんへ寄り添った視点で接することができるようになれればと思っています。

 
 

手術をするかどうか悩んでいる方へ一言

 
井上
最後になりますが、実際に手術をするかしないかで悩んでいる方もいらっしゃると思います。リハビリの専門家として、そして、実際に手術を受けた立場として一言ご助言をいただけますでしょうか。
勉さん
手術を判断する時期は人それぞれで難しいですよね。私もできれば手術は避けたかったというのが本音です。

人によりますが、ヘルニアは自身の細胞の貪食作用で飛び出た部分が消える場合があります。それを期待していたのですが、私の場合、症状は悪化していくばかりでしたので、仕事や日常生活に支障が出るようになってしまったら手術は覚悟した方がいいかもしれません。

また、長く我慢してしまうと私のように関節鏡での低侵襲手術の適応ではなくなったり、長い圧迫により神経自体が変性してしまうために術後も麻痺やしびれが残る場合もあります(私自身、坐骨神経痛はなくなりましたが、足首周りの鈍い感覚はまだ残っています)。

椎間の移植骨(切り取った椎弓を崩して移植)の骨化が完成するのは術後1年程度かかるそうです。半年を過ぎたら少しずつでも身体を作り、また趣味のテニスができるように仕事も身体作りも頑張っていきたいと思います。

井上
なかなかこういうリアルな話しは聞けないと思うので参考になる方もいると思います。勉さん!本当に貴重な話をありがとうございました!
勉さん
このインタビューで少しでも参考になる方がいたら嬉しく思います。こちらこそありがとうございました!
 

最後に

 
現役理学療法士がヘルニアで手術をしたというリアルな話し、いかがでしたか?
 
僕は理学療法士ですが、インタビューしてて非常に学ぶべきものがありましたし、手術を受けるか悩んでいる方など、結構参考になる方もいるんじゃないでしょうか。
 
このインタビューが誰か1人の方にでも参考になるものであれば嬉しく思います。
 
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

過去のインタビュー記事

 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。