【インタビュー】心臓リハビリテーション指導士として活躍する理学療法士


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
今回は初めての試みですが、インタビュー記事をお送りします。
 
リハビリテーションといっても、脳血管領域・呼吸器領域・循環器領域・整形外科領域・小児領域・スポーツ領域等々、多岐に渡ります。
 
それぞれ得意分野不得意分野あります。
 
さらに、それぞれの専門領域で働いている方々も多いです。
 
今回は「心臓リハビリテーション指導士」として循環器領域で働いている先生の話を具体的に聞きましたので、みなさんにお伝えしたいと思います。
 
これを見て療法士や療法士を目指す学生さん、他職種の方々に認知していただけたら嬉しいですし、「心臓リハビリテーション指導士」目指す方が出てきたらいいなぁと思っています。
 

心臓リハビリテーションに従事する理学療法士。小西さん。

 
東京都東大和市にある、急性期・一般病院で小西さんは理学療法士として働かれています。
 
そんな小西さんは、心臓リハビリテーション指導士の認定資格を取得され、現在は循環器専門の理学療法士としてご活躍されています。
 
 
井上
本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。

宜しくお願い致します。

小西さん
こちらこそ、よろしくお願い致します。
 
 
井上
まず小西さんが、心臓リハビリテーション(以下、心リハ)にどのような流れで携わるようになったか教えていただけますか?
小西さん
急性期病院で理学療法士として勤務をしています。入職当時、当院では主に脳神経外科、整形外科の2チームでリハビリテーション科は構成をされていました。

私は脳神経外科のチームに所属し従事していましたが、徐々に呼吸リハや心リハ、糖尿病に対するリハなど、内部障害系リハの需要に対して、各セクションへ参入することになりました。

参入後は脳外、心リハを担当していましたが、内部障害系各セクションの需要の拡大とともに、個別のチームとして運用するようになり、その後は心リハチーム専従として携わるようになり、現在に至っています。

 
井上
心リハでは、どのような患者さんが対象になりますか?
小西さん

・心臓血管外科術後(冠動脈バイパス術、弁置換術、人工血管置換術など)
・急性心筋梗塞
・心不全
・PAD(末梢動脈疾患)
・肺塞栓 など

これらの疾患が対象となります。

 

井上
小西さんの病院では、何人の心リハ指導士がいて、心リハの部門はどのように運営されているのでしょうか?
小西さん
現在、当院では心リハ指導士を取得しているのが5人、そのうち心リハのチームに所属しているのが3人です。

当院のリハビリテーション科では、「病棟制」を採用しています。

心臓血管外科、循環器科病棟専従として、心リハチームは、4人構成で従事しています。

 

井上
心リハを行う上で、リスク管理や多職種との連携はどのようにやっていますか?
小西さん
急性期の心リハの目的は、食事や排泄、入浴など身の回りのことを安全に行うことができるようにすることと、2次予防に向けた教育を開始することです。

急性期の心リハのリスク管理にはリハビリ開始前の情報が非常に大事です。

レントゲンや採血データ、心電図モニター、点滴や内服の管理などカルテに記載されている情報や、他職種からの情報、患者さん本人と対面した時の問診、身体所見、話し方、表情、雰囲気など総合的に判断し、プログラムを検討しています。

いかに安全に、身体活動ができるように、関わっていくことが大事だと思います。

また、病棟専従で業務を行っているので、他職種と情報の共有ができており、リスク管理に繋がっています。

週に1度、他職種合同のカンファレンスを行い、早期退院に向けた方向性の検討も行っています。

 

井上
自宅退院される患者さんに対して、その後の生活などどんな指導が必要で、心掛けていることなどあれば教えてください。
小西さん
心リハ指導士、理学療法士としては、運動指導が重要なのは当然ですが、生活指導も重要な要素であると考えられます。

心疾患には心筋梗塞など生活習慣病と関連が深い疾患があります。これらの疾患に対しては再発予防が最も大事になってきます。

その為に、どのように生活を改善していくかという指導が必要です。

入院前の問題点をふまえ、食事、内服、水分や体重、血圧などの管理、禁煙指導、運動指導、復職指導、緊急時の対処方法など、様々な要素に対しての生活指導が必要になってきます。

医師や看護師、栄養士、理学療法士など様々な職種が協力して行うことも重要です。

理学療法士は運動指導ができればいいということはなく、総合的に評価して生活や運動指導ができることが大事だと思っています。

 

井上
心リハの魅力と怖さを教えてください。
小西さん
大枠での心リハの目的は、身体的および精神的コンディショニングの是正と早期社会復帰、冠危険因子の是正と二次予防、QOLの向上です。

つまり、心リハは、疾患に対する治療だけではなく、患者さんの生活に関わることが重要であり、魅力だと感じています。

まさに、リハビリテーションかと。

生活に関わる魅力がある反面、退院後は経過を追うことができない中で、指導した内容が効果的に遂行されるかどうかは、不安であり怖さもあります。

心リハには、様々なリスクがあります。

実際のリハビリ場面では、特に心臓イベント(心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全、心停止など)に対するリスクがあることが、理学療法士としては怖さになります。

 

井上
理学療法士がベースにありますが、理学療法士と心臓リハビリテーション指導士を掛け合わせた時、どんなことが強みになりますか。
小西さん
高齢者の増加に伴い、複合疾患の患者さんが増えています。

例えば脳梗塞で入院された方でも、心疾患や糖尿病など既存に患っている疾患があるケースが非常に多いと感じています。

様々な視点から患者さんを評価し、より良いリハビリテーションを提供する際に、強みになると思っています。

 

井上
心リハの今後のニーズをどのように考えていますか。
小西さん
心臓血管外科、循環器科の治療はどんどん進化をしています。

高齢者でも、開胸などリスクの高い手術を行うことが多くなってきています。急性期病院である当院でも、術後や心筋梗塞、心不全など、心リハに対する需要が増えています。

心臓リハビリテーションとは、本来長期的、包括的に施行されるものです。

しかし、急性期病院を退院したあと、回復期や外来での心リハを行う場所が少ないのが現状です。

早期の社会復帰や2次予防が重要であるにもかかわらず、それをサポートできるような受け皿が少ないと感じています。

今後は、そのような病院や施設が増えると、心リハ指導士が活躍する場面も増えていき、再発や再入院が軽減するのではないかと思います。

 

井上
心リハ指導士になる手順と維持していくために必要なことを教えてください。
小西さん

心リハ指導士になるためには条件があります。

  1. 本委員会主催の講習会を当該年度に受講していること。
  2. 医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、作業療法士、健康運動指導士の資格のうち1つ以上有していること。
  3. 申請時に本学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員であることが必要です。
  4. 心臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。


    【心臓リハビリテーション指導士の更新について】
    5年間に、指導士更新のための認定講習会などに参加し、50単位以上取得している。
    ・期間中に日本心臓リハビリテーション学会(学術集会)に最低1回参加している。
    ・更新までの5年間の会費を納入している。

制度としては上記のことが必要です。

 

井上
最後になりますが、心臓リハビリテーションに携わりたいと思っている方へ一言お願いします。
小西さん
今後、高齢化や生活習慣病患者の増加などにともない心疾患患者は増加すると懸念されています。

心臓リハビリテーション、運動療法はエビデンスが確立されており、効果があるとされています。

今後は理学療法士として、心リハ指導士として活躍する場面が増えていく可能性があります。

心臓リハビリテーションに携わりたいと考えている方が、多くの場所、場面で活躍できるといいかなと思っています。

 

井上
小西さん、お忙しいところありがとうございました。
小西さん
こちらこそありがとうございました。

 

最後に

初めての試みでインタビュー記事を書いてみましたがいかがでしたでしょうか。
 
私自身も心臓リハビリテーションのことは分からないことだらけだったので、凄く勉強になりました。
 
同じ理学療法士でも、全く違う分野で働く方々もいます。
 
こういう話が聞けるのは本当に貴重ですね。
 
今後は理学療法士をはじめとしたリハビリテーション職種だけでなく、多職種の医療・介護分野の方々の記事も書けたら面白いのかなぁと思っています。

是非、こんな資格(医療・福祉系に限ります)を紹介してほしい!とか、こんな活動を紹介してほしい!とかそういう方がいらっしゃいましたらお問い合わせからご連絡ください。

 
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。 コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。 リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。 リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。 コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。 どうぞよろしくお願いします。