理学療法士の井上(@Rehacon)です。
これまでこのブログでは、足や靴・インソールに関わる記事をたくさん書いてきました。
【関連記事(一部)】
私自身も普段からインソールを作製しますが、インソールを作るうえで靴の理解と足の解剖・生理・運動学の理解がないと効果的なインソールは作れません。
しかし、インソールを作るための書籍というのは殆どありません。
これは座学だけでどうにもならないものであるのと、作製技術というのは実際に経験値の高い方から指導を受けないと効果的なインソールが作れているのか、もっと良い方法があるのかなどが客観的に分かりません。
インソールは一歩間違えると「逆効果」になってしまうことがあります。
実際にインソールを作るには、削りを行えば0.1㎜単位で調整をしていきます。削りをしなくても1ミリ単位で調整していきます。とても繊細な作業になります。
これはインソールの魅力的なところであり、難しい部分でもあります。
そのため、「インソールを簡単に作る方法」なんていうのは本来であれば存在しません。ですので、インソールの作製技術に対する書籍というのは殆どありません。
もしそういう書籍があったとしたら、それはかなり怪しい書籍であると疑って間違いないでしょう。というより、おそらくそれで作ったとしても効果は出せません。
冒頭にも書きましたが、インソールを作るには靴の理解や足の理解が必要であり、そこを無視しては効果は出せません。
ただし、インソールを作る・作らないは別として、靴の理解や足の理解をすることは専門家としてはとても重要なことですし、専門家でない方でも自分の足のケア方法を知ることや靴の選び方などを知っておいて損はありません。
今回のこの記事では、「足・靴・インソール」というところにフォーカスしたおすすめの書籍をご紹介したいと思います。(定期的に追加していきます。)
専門家向け・一般向けと分けてご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次
専門家向け
入谷式足底板(基礎編)
インソールといえば入谷式!というくらい有名な入谷式足底板。
個人的に入谷式足底板の凄いと思うところは、「詳細で緻密な評価」にあると私は思っています。
私自身入谷式足底板を作るわけではないのですが、入谷式の評価方法はかなり参考にしているところがあります。
運動連鎖について学びたい方は持っておいて損のない書籍です。DVDがあるのもとてもいいですね。
これを読んでインソールが作れるようになるわけではありません。
あくまでも入谷式足底板とはどういうものなのか、運動連鎖、評価方法等を学びたい方向けの書籍になります。
インソールや足部の勉強をしたい方にとって1冊持っておくことをおすすめします。
簡単!効率的に作れる新型インソール 運動連鎖アプローチが姿勢・歩行を快適にする
タイトルにありますが、インソールは簡単には作れません…
まあ、これは宣伝なども含めて大人の事情もあると思いますが…
こちらの書籍も理学療法士の方が書いた本になります。
こちらの書籍に書かれているインソール作製については、どちらかというと動的なインソールではなく静的なインソールになります。
静的なインソールは確かに足型をとったインソールなど機械があれば作れちゃうものも沢山あります。
ですが、インソールが最も効果を発揮するのは動的なインソールです。
こちらの書籍を活用するのは、インソールというよりはやはり足部の解剖や運動学、運動連鎖については比較的細かく書かれていますのでそちらがメインかなというところです。
足部のストレッチ方法等も書かれていますので、参考にすると良いと思います。
値段も安価でおすすめです。
理学療法士のための足と靴のみかた
理学療法士が書いた靴の本ってこれ以外にはありません。
こちらの書籍はとてもおすすめです。
靴の選び方や履き方についてはこちらのブログでも紹介しているので参考にしてほしいのですが、こちらの書籍はイラストや写真も豊富で根拠もしっかり書かれています。
靴のことをしっかりと評価する理学療法士は少ないですが、歩行を見る上では必須内容です。
是非こちらの書籍を参考にしてみてください。
一般向け
足と靴の科学(おもしろサイエンス)
一般向けとうことで専門家にはやや物足りない内容となっていますが、足と靴のことを学んでみたいなという方には、基本的なところもおさえてあるので最初の本としては良いです。
著者も「アシックススポーツ工学研究所」ということで、靴メーカー・スポーツメーカーというところも面白いところです。
足のトラブルは靴で治そう ようこそ足と靴の外来へ!
こちらの書籍は「整形外科医」が書いている本になります。
整形外科の先生が靴のことに着目しているというのはとても興味深いです。
殆どの方が足に合った靴を履いていない、足のトラブルは靴に多いなどとても良いことが書かれています。
足の痛みや身体の痛みを感じる時に靴のことを考える大切さを教えてくれる1冊です。
是非、手に取って読んでみてください。
外反母趾もラクになる!「足アーチのつくり方」
こちらの書籍も整形外科医が書かれている本です。
日本では初の足専門クリニック「足の診療所」を開設した先生が執筆しています。
足の医療は日本は遅れています。
ヨーロッパから発展し、アメリカでも今は当たり前の医療となっている足の医療。
足病学のことを「Podiatry(ポダイアトリー)」といいます。
ポダイアトリーを長年学んだ先生が執筆しているということで、一般書とはいえ、とても充実した内容になっています。
専門家でも非常に学ぶべき部分も多く、療法士も一度読むべき本です。
まとめ
専門家向け・一般向けと分けて「足・靴・インソール」にフォーカスした書籍をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
一般向けとはいえ、専門家もとても勉強になる内容となっています。
一般書の良いところは「安価」であるというところです。
専門書を読む前にまず一般書から読むというのもおすすめです。
是非、参考にしてもらえたら幸いです。
コメントを残す