食事をしっかり摂れることは元気な身体を作る上、維持する上でとても重要な要素です。
しかし、食事を摂るときの姿勢は嚥下に影響し、嚥下がうまくできないとむせます。
これを誤嚥と言いますが、誤嚥は肺炎のリスクを引き起こします。
つまり、良好な食事姿勢というのは「肺炎予防」にもなるということです。
車椅子に座って食事をする際に、姿勢が非常に悪い方を多く見かけます。
今回、食事姿勢を図解で分かりやすく解説しているフォトブックを参考にご紹介していきます。
療法士としては、当たり前のことですが、実はこの当たり前がとても大切です。
紹介するフォトブックは、おそらく介護従事者や介護する家族向けとなっていますが、回復期病棟や在宅に携わる理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も今一度考える良い機会になるはずです。
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食事姿勢のMTK&H
この本の目的は、食べづらい姿勢を「見つけられる」ようにすることです。
本書より引用
「見つけられるようにする」というのは療法士でも介護従事者でも、とても大切な能力の1つです。
どうしたらいいのか、その術を知らなくても、気付くことができたら知っている人に聞くことができます。
このフォトブックでは、見つけられるようにするそのヒントとして、MTKを提唱し、さらに、それに加えて、Hを提唱しています。
M:見えない
T:届かない
K:傾く
この3つを悪い姿勢を見つけるポイントとして、写真で解説しています。
それに加えて、
H:放っておかない
放っておかないというのは一番大事かもしれません。
もし見つけても、見て見ぬ振りは一番やってはいけないことです。
悪い姿勢でご飯を食べている人が多い
以前働いていた病院では、回復期病棟がありました。
回復期病棟では、食事姿勢がどうなっているかよく確認をしにいっていましたが、ちょっとクッションを入れるだけで姿勢の改善が図れ、ご飯を食べやすくなる。
このような経験をしたことのあるセラピストも多いのではないでしょうか?
また、介護施設でも同様です。
現在私は、
訪問リハビリを中心に、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅へも行っていますが、車椅子上の姿勢が悪い方々が非常に多いです。
また、サイズの合わない車椅子に座っている方々も多い。
これは、施設の環境などで仕方がないこともあります。
でも、それは入居者さんには関係のないことですし、環境がそうするのであれば何か工夫することを考えるしかありません。
そういう場合にクッションやタオルを使うことは手軽にできることですし、姿勢が整うことで食欲アップ、栄養状態改善へと導くことができて、肺炎予防にもなる。
良いことづくめですね。
写真を一部ご紹介
この写真はMTKのMを表しています。
食べ物が見えないというのは、自分に置き換えた時にどうでしょうか?
逆に見えたらどうですか?
食欲が湧いてきませんか?
食欲が湧いてきたら、食べる行為につながるかもしれません。
自然と手を伸ばすかもしれませんし、お箸やスプーン、フォークを手に取るかもしれませんね。
この「見える化」をセッティングするだけで、いくつもの効果を得られる可能性があるわけです。
これは凄いことだと思います。
療法士であれば、座わる姿勢が悪いのは骨盤の動きが悪いから、骨盤の動きをよくするセラピーを行う。
体幹の安定性が悪いから、体幹の運動をする。
こういうことももちろん大切です。
ですが、そんな簡単に改善しませんし、時間もかかります。
でも、食事は毎日行う行為です。
だとしたら、セラピーと並行して姿勢評価をして、ちょっと工夫を加える。
こういうことがとても大切だと思いますし、後々、身体機能の改善につながってきます。
このMに対する対応だけでなく、TKに対する対応方法が写真で分かりやすくまとめられています。
無駄にテキストがないというのは個人的にも好みですし、より分かりやすさが出ているように思います。
まとめ
療法士であれば、このフォトブックを見た時に、
「知ってることばかりだな、当り前のことだな」
と思うかもしれません。
でも、そう思うことを改めて感じてみてください。
ちゃんとやれてるかな?
と思い返してみてください。
また新たに発見があるかもしれません。
これは実は難しいことなんじゃないかと私は感じています。
介護従事者の方々や介護するご家族は、日常的に食事場面に携わっていると思います。
是非、このフォトブックを参考にしてみてください。非常に分かりやすくておすすめですよ。
このフォトブックはAmazonなどでは買えません。
以下のサイトより購入できますので、1000円と安価ですし、是非検討してみてください。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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