誰でも分かるロコモティブシンドロームを理解するための3つのポイント

誰でも理解できるロコモティブシンドローム

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合同会社Relate代表理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
前回、前々回とサルコペニアフレイルのポイントについて記事を公開しました。
 
今回はサルコペニア・フレイルと同じカテゴリで覚えてしまう方がいいロコモティブシンドロームについてのポイントをお伝えします。
 
全体像をより詳しく知りたいという場合は、過去にまとめていますので、以下の関連記事をお読みいただければと思います。
 
【関連記事】
 

ロコモティブシンドロームとは?原因とは?

ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は運動器症候群のことをいい、日本の人口のおよそ1/3はロコモだと言われています。
 
運動器とは、骨や関節、筋肉、神経などのことを指すので、骨折や関節症、筋肉系の疾患などが該当します。ロコモは足腰の運動器の衰えによって「移動能力」が低下してしまった状態と理解すれば問題ありません。
 
ロコモの原因は、加齢や生活習慣によって運動量が減少し、骨と筋肉に刺激が入らなくなることで骨量と筋肉量が減少することが原因となります。
 
ここでポイントになるのは、骨量と筋肉量にフォーカスが当てられているというところです。
 
サルコペニアは筋肉のみにフォーカスが当てられていましたが、ロコモではのことが含まれていると理解してください。
 
 

ロコモの判断はロコチェックとロコモ度テストで判断する

基本的にはこの2つのテストによって判断されます。ロコチェックについては、7項目のリストに対して1つでも該当する場合はロコモと判断されます。
 
ロコチェック
ロコチェック
 
ロコモ度テストは3つに分類されており、以下のように細分化されます。
 
  1. 下肢筋力テスト
  2. 2ステップテスト
  3. ロコモ25
 
以下に、ロコチェックとロコモ度テストについて説明をしていきますが、まず、ロコモ度テストでの判断はロコモ度1ロコモ度2に分類されます。その説明を以下にします。
 
【ロコモ度1】筋力とバランス力が低下してきているので、ロコトレを始めとする運動を習慣づける必要があります。また、十分なたんぱく質とカルシウムを含んだバランスの取れた食事を摂れるように気を付けましょう。
【ロコモ度2】自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。特に痛みを伴う場合は、何らかの運動疾患が発症している可能性もありますので、整形外科専門医の受診をお勧めします。

引用:ロコモONLINE

 
このように定義されています。
 
ロコモ度1は、たんぱく質とカルシウムを含む栄養をしっかり摂ること・ロコトレを習慣化すること、ロコモ度2については、より医療処置が必要なケースがあるため、まずは専門医を受診しましょうということになります。
 
では、以下にそれぞれの検査方法を説明します。
 
 

①下肢筋力テスト

片脚での立ち上がり ロコモ度テスト

下肢筋力テストは、両足で立ち上がる、片脚を持ち上げた状態で立ち上がるテストになります。手は胸の前で組んで行います。
 
40cmの高さを基本とし、30→20→10cmと難易度を上げていきます。
 
ここでロコモ度1と2に分類されます。言葉だけだと理解しづらいため、フローチャートを作りましたので、以下のフローチャートを活用していただけると嬉しいです。
 
ロコモ度テスト フローチャート
【結果判定】
ロコモ度1:片脚で40㎝の高さから立ち上がれない
ロコモ度2:両足で20㎝の高さから立ち上がれない

②2ステップテスト

ロコモ度テスト 2ステップテスト

2ステップテストは、できる限り大股で行います。画像のように、つま先からつま先までの距離を図り、2歩幅(㎝)÷身長(㎝)=2ステップ値 で算出することができます。
 
大股で行うため、転倒を予防するために介助者をつけること、バランスを崩さない範囲で行うことが重要です。また、滑らない環境において、靴を履いて行うことが推奨されています。
 
【結果判定】
ロコモ度1:1.3未満
ロコモ度2:1.1未満

③ロコモ25

ロコモ25は、25項目の質問があるためこの名称がついています。

身体状況・生活状況の質問からロコモを調べる簡易的な検査となります。点数が引ければ低いほどよいという内容になります。

若くても実はロコモに該当するという方は非常に多いですので、是非自分でも一度試してみてください。以前、片脚を上げながらの立ち上がりができなかった若い方がいたのですが、実際にこのロコモ25をやってみてもらったらロコモ度1に該当したという方がいます。

この内容は割と相関も高い印象をもっています。

【結果判定】
ロコモ度1:7点以上
ロコモ度2:16点以上

この質問票は以下のページから無料ダウンロードできるようになっていますので、現場でうまく活用してください。

⇒ ロコモ25の無料ダウンロードはこちら

 

ロコモティブシンドロームを理解するポイント まとめ

ロコモについて、ポイントを絞った内容をここでお伝えしましたが、少しは参考になりましたでしょうか。

サルコペニアとフレイルと比較して、ロコモでは「」にもフォーカスがあてられているということがまずポイントとなります。

また、ロコモの判断は、以下の2つが基準となっています。

  • ロコチェック(7項目)
  • ロコモ度テスト(3つのテスト)

ロコチェックでは1つでも該当すればロコモと判断され、ロコモ度テストでは判定が1と2に分類されます。

大まかにみればたった3つのポイントを押さえればいいだけですので、それほど難しくないと思います。

ロコモはサルコペニア・フレイルと並んで、今後の社会保障費抑制のために予防していかなければならない重要なキーワードとなります。

是非、サルコペニア・フレイルと合わせて覚えていただければと思います。

次回は、サルコペニア・フレイル・ロコモの非常に多い共通点に焦点をあて、栄養と運動方法についてまとめていきます。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。


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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。