【書評】たった5秒!寝たままできるキセキの『のび体操』


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理学療法士の井上(@Rehacon)です。

前回に引き続き「のび体操」のご紹介です。
 
 今回は実際にどんな体操をしたらいいのか一部引用しながらご紹介していきます。
 

のび体操の基本動作

のび体操は、手足や頭を、体の中心から外側に向かってのばしていく動きです。

のばそうとしすぎて体が反り返ってしまったり、体に負担がかかる無理なのばし方をしたりするのは間違いです。
前回の記事内でもご紹介しましたが、のび体操は「関節同士を引き離す」ということをします。

関節を引き離すイメージをもって外側に手足をのばしてください。

その際、息まないように呼吸をゆっくりしながら、リラックスしながら行うようにしてみてください。
 
 

寝たままのび体操のポイント

  • 5分横になってから始める
  • 引っ張られるようにのばす
  • 呼吸を止めない
  • 痛みがない範囲で精いっぱいのばす
  • 5秒伸ばし、5秒リラックス
  • 少しずつのばす
この中でも私が経験している上では、「痛みがない範囲で精いっぱいのばす」というのがポイントになると思います。

 
というのも、どこかしら痛みを抱えている方がやると、痛みを感じたところで「力み」や呼吸を止めてしまう「息み」が出てしまいます。
 
この状態でやっても効果は半減してしまいます。
 
痛みの範囲内でやるというのがポイントになります。
 
 

一度の動作で、いろんな場所に効くから効率的

のび体操では筋肉を「のばす(ストレッチする)」ことと「収縮させる(トレーニングする)」ことを同時に行っています。
補足

収縮:筋肉が縮むこと
 
例えば体が丸まっている方を想像してください。
 
体が丸まってるということは、背中側の筋肉はのばされ、胸〜お腹側の筋肉は縮こまります。
 
このように一方がのばされれば、もう一方は縮こまります。
 
つまり、手をバンザイさせれば背中側の筋肉は縮こまり、胸〜お腹側の筋肉はのばされるという理屈です。
 
 

動きのすべてに関係する、体幹も鍛えられる

のび体操は、目いっぱい体をのばすときに背骨に近い筋肉を収縮させようとすることで、お腹の筋肉にも作用して、知らないうちに体幹を鍛える「体幹トレーニング」ができています。
体を目いっぱいのばすと、お腹が凹むような作用があります。

これは「ドローイン」というトレーニングがありますが、この要素に近いものとなります。

効果が期待できる筋肉は、
  • 横隔膜(おうかくまく)
  • 腹横筋(ふくおうきん)
  • 多裂筋(たれつきん)
  • 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
 
これらの筋肉が鍛えられますが、この中でも「腹横筋」に効果があると著者である佐伯先生は述べています。
 
腹横筋

腰痛予防などで体幹トレーニングは重要なトレーニングですし、作用としてはドローインよりも少し弱いですが、これをのび体操で代用することができるのは嬉しいですね。

ドローインのトレーニング方法については以下の関連記事をお読みください。
 
 

間違った筋肉の使い方が、不調の原因になる!

「筋肉」は、私たちの健康寿命に大きく関わってくる最重要キーワードです。

長引く腰痛、原因がわからない頭痛、慢性的な肩こり… これらは、日頃の生活習慣による、筋肉の使い方のクセが引き起こしているのかもしれません。

人間の動きは個人差があり、その人の癖や利き手の違い、スポーツ歴、スポーツ種別の違い、立ち仕事、デスクワーク等々人それぞれです。

つまり、このような1つ1つの動きで間違った形を筋肉は作り出してしまうことがあります。

結果的によくない姿勢が作られ、関節の歪みが生じたり、部分的に痛みが出たりするわけです。

これらを改善させるために、のび体操は筋肉へ再学習を働きかける運動になります。
さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、それではそろそろ実践してみましょう。
 
 

のび体操の実際

 
方法はいずれも5秒のばし+5秒脱力です。
 

全身のびのび体操(仰向け)

本書より引用
本書より引用
まず仰向けになり、両手足を体から引き離すようにのばします。
 
仰向けでやって腰が反ってしまう場合はうつ伏せでやりましょう。
【効果】
全身の関節をのばして調整し、血流をよくするほか、ねこ背解消など姿勢をよくする。
 

横向きのび体操(横向き)

本書より引用
本書より引用
著書では、他ののび体操ができないときはまず横向きをやるように勧めています。

これは、最もいろいろな部位のトレーニングとストレッチの効果があるためと著書で述べています。
【効果】
腰痛や体のゆがみ、ひざ痛や股関節痛の改善、股関節の後ろの筋肉に効くため、つまずきの予防にもなる。
補足

高齢者では、下の手をのばすのが大変だという方が結構います。
その場合は、下の手ではなく、上の手をのばすようにしてください。
この他にも、たすきがけのび体操・前足クロスのび体操があり、基本的に4種類となります。
 
 

体の不調に合わせたのび体操

 

五十肩の場合

左肩が痛い場合
左肩が痛い場合
右腕と左腕を対角線になるように両手をなるべく遠くに離すイメージで行う。

手を後ろに反らしすぎたり、胸を張りすぎないように注意して行う。

 
4

左右の腕をできるだけ遠くに離すイメージで行う。

痛みで体が横に倒れたり、後ろに反ったりするような場合は中止する。

【五十肩の関連記事はこちら↓】

 
 
一部ご紹介しましたが、本書ではこの他にも、
 
  • 首こり・肩こりを解消
  • ひざ痛や股関節痛を予防・改善
  • 体のゆがみを解消
  • つまずきやすさを解消
  • 太り過ぎの悩みを解消
  • 寝返りがうてるようになる
 
などと沢山の症状別のび体操が説明されています。
 
 

まとめ

2回に渡って「のび体操」をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

これは私がクライアントさんに実践し、そして私自身も実践して、実際に効果のある方法でしたのでご紹介しました。

ヨガやピラティスもすごく良いボディワークですが、特に高齢者にはハードルが高いのも現状です。

そんな方は是非「のび体操」がオススメですよ。

介護予防のための運動としてとても良いと思います。

専門家が一般書を書かれているのはとてもありがたいことで、なんといっても分かりやすくて安価です。

専門家も勉強になることがたくさんありますし、すべての方にオススメの書籍ですよ。是非お試しあれ!

それでは、参考になれば幸いです。

 
 
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。