ADL評価『Barthel Index(バーセルインデックス)』の概要と点数基準について解説します。

Barthel Index(バーセルインデックス)

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理学療法士の井上(@Rehacon)です。
 
 
来年度の医療・介護同時改定において、デイサービスなどで「外部」の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリハビリテーション職種と連携して個別機能訓練実施計画書を作成した場合、インセンティブとして加算評価すると厚生労働省より発表がありました。
 
 
現行制度では、施設に「常駐」するリハビリテーション職種がいなければ算定できない加算が、常駐でなくても外部と連携しても加算がとれるということになります。
 
施設側としても、雇用しなければならないという壁がなくなるということです。
 
これは施設側の人件費抑制としても非常に大きいと思いますし、何といっても、リハビリテーション職種がしっかり関われば利用者さんにとって大きなメリットになるのは間違いありません。
 
この改定において着目すべき点としては、ADL状況を把握すること、ADLを評価する指標として、Barthel Index(バーセルインデックス)を使用することです。
 
今回この記事では、バーセルインデックスとはどんなものなのか、どのように使うのか、具体的な評価方法など、バーセルインデックスの概要についてお伝えしていきます。
 

 
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厚生労働省から発表された、通所介護(デイサービス)における、アウトカム評価の内容と算定要件

 
高齢者の自立支援や重度化防止につながる取り組みのアウトカムを報酬の多寡に反映させる仕組みを、来年度から通所介護に導入する方針を固めた。
 
指標には「Barthel Index」を使う。
 
評価期間の中で利用者のADLを維持・改善させた度合いが一定のレベルを超えている事業所が、その後の一定期間にわたって高い対価を得られるようにする。
 
より効果的なサービスの展開を促すインセンティブとする考えだ。
 
次の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会で提案し、委員から大筋で了承を得た。
 
詳細は年度内に固めて通知する。

引用元:JOINT介護

 
引用しましたが、このような発表がされています。
 
また、算定要件としては、以下のようになります。
 
寄せられるデータの信頼性を担保するために、利用者の人数が一定以上に達しているところのみを対象とする計画。
 
事業者が収益を優先して利用者を選定する「クリームスキミング」の対策として、要介護3以上が一定割合を超えていることも必須とする。
 
 
クリームスキミングとは、需要のうち儲かる部分にのみ商品・サービスを提供すること。引用元:コトバンク
つまり、いいとこ取りだけしちゃダメだよ。ということですね。
 
 
サービスが機能訓練に偏ることのないよう、利用者の求めに応じて食事・入浴の介助を行なっていることも前提にするという。
 
こうした要件を全て満たした事業所が、評価期間を終えた後もBarthel Indexを測定し保険者へ報告している場合について、一段と高い報酬を支払う意向も示した。
 
いわゆる「科学的介護」のエビデンスの構築などに役立てる狙いがある。

引用元:JOINT介護

 
ここまで引用して着目するべきポイントとしては、
 
  • Barthel Index(BI):バーセルインデックスを使用すること
  • ADLが維持・改善させている事業所にはインセンティブが得られること
  • 要介護3以上の利用者が一定数いること
  • 食事や入浴サービスを行なっていること
  • 継続的にバーセルインデックスで評価をし、保険者へ報告を行なっている場合には、より高い報酬が支払われること
 
以上、5つが大きなポイントになります。
 
また、これに加えてポイントとなるのは記事の冒頭にも書いたように、外部のセラピストや医師と協力してもよいという点です。
 
ADL評価は利用者さんがリハビリテーションするためには必須内容になります。
 
 
今後のデイサービス運営においても、コスト面だけでなく、より良い介護サービスを展開していくためにも、積極的に導入していってほしいと思います。
 
それでは、前置きが長くなりましたが、以下にバーセルインデックスの概要と採点基準について説明をしていきます。
 
 

Barthel Index(BI):バーセルインデックスとはどんなもの?

 
バーセルインデックスは古くから使われてきた、自立に関する指標でADL評価をする指標です。
 
バーセルインデックスは「できるADL」を評価するものであり、「しているADL」を評価するのはFIMになります。
 
FIMについては、以下の関連記事でもまとめていますので、合わせてお読みください。
 
【関連記事】
 
 

Barthel Index(BI):バーセルインデックスの内容は10項目に分類される

 
  1. 食事
  2. 車椅子とベッド間の移動(移乗)
  3. 整容
  4. トイレ動作
  5. 入浴
  6. 歩行
  7. 階段昇降
  8. 更衣
  9. 排尿コントロール
  10. 排便コントロール
 
この10項目についての評価を行います。
 
それぞれ15点〜0点で、合計100点になるように各項目において点数が配置されています。
 
項目によって、15点満点・10点満点・5点満点と違いがあります。
 
画像は見にくいかもしれません。

フォーマットについては、ダウンロードできるようになっていますので、うまく活用してください。

 
 
 

Barthel Index(BI):バーセルインデックスの点数基準

 
各項目において100点満点で配置されていることは説明しましたが、自立・部分介助・全介助でそれぞれ15点・10点・5点・0点で評価をします。
 
最大点数が100点、最低点数が0点となります。
 
また、介助量が多いか否かはあくまでも目安となりますが、
 
  • 60点以上では介助量が少ない
  • 40点以下では介助量が多い
  • 20点以下では介助量が多く、全介助レベル
 
このような目安があります。
 
以下に、各項目それぞれの評価基準について説明していきます。
 
 

1.食事

10点(自立):自助具などを使用しても可能。適当な時間に食べ終わることができる。
5点(部分介助):食べ物を食べやすい形に切ってもらう、摂食嚥下障害などがあり、部分的な介助だけでなく、見守りなども必要。
0点(全介助)
 
 

2.車椅子とベッド間の移動(移乗)

15点(自立):車椅子のブレーキやフットレストの操作なども自分で行える。
10点(部分介助・見守り):ブレーキやフットレストの操作についての声かけや、見守りが必要。
5点(部分介助):座ることはできるが、移動に関してはほぼ全介助。
0点(全介助)
 
 

3.整容

5点(自立):洗面、整髪、歯磨き、ひげ剃りを自立して行える。
0点(部分介助・不可)
 
 

4.トイレ動作

10点(自立):衣服の着脱や後始末、ポータブルトイレを使用している場合はその後始末や洗浄までを含む。
5点(部分介助):体を支えることや、衣服の着脱介助、後始末などに介助が必要。
0点(全介助)
 
 

5.入浴

5点(自立):洗髪、洗体、浴槽の出入りまでを含む。
0点(部分介助・全介助・不可)
 
 

6.歩行

15点(自立):45メートル以上の歩行、車椅子や歩行器を除く補装具の使用の有無は問わない。
補装具とは、下肢装具やT時杖、四点杖などを指す。
10点(部分介助):45メートル以上の介助歩行、歩行器の使用を含む。
5点(歩行不可・車椅子操作):歩行は不可だが、車椅子操作を45メートル以上行うことができる。
0点(上記以外)
 
 

7.階段昇降

10点(自立):手すり使用の有無は問わず、自立して行えるか。
5点(部分介助・見守り)
0点(不可)
 
 

8.更衣

10点(自立):靴の着脱、装具の着脱を含めて自分で行えるかどうか。
5点(部分介助):半分以上は自分で行うことができる。
0点(上記以外)
 
 

9.排便コントロール

10点(自立):失禁することなく、浣腸や坐薬などの取り扱いができる。
5点(部分介助):時々失禁することがあり、浣腸や坐薬の取り扱いに介助が必要。
0点(上記以外)
 
 

10.排尿コントロール

10点(自立):失禁することなく、収尿器(しびんなど)の取り扱いもできる。
5点(部分介助):時々失禁することがあり、収尿器の取り扱いに介助が必要。
0点(上記以外)
 
 

バーセルインデックスを使う時のポイントと注意点

 
数値化は視覚化するためにはとても必要です。
 
しかし、数字だけにとらわれるのではなく、どのADL部分に問題があるのか、どの程度介助量が必要で、どんな介助が必要なのか。
 
逆に、どう介助すれば介助量が少なくて済むのか、どんな環境調整をすれば介助量が少なくて済むのか。
 
こういった点をしっかりとらえることが最も重要なポイントとなります。
 
こういう部分を理解できると、どんなサービスが必要なのか、どんな運動療法が必要なのか、等々、理解することができ、個別機能訓練計画書にも反映させることができます。
 
ただやるのではなく、しっかり理解して利用者さんのADL評価をしていくと、より良い介護サービスが提供できるようになります。
 
 

まとめ

 
正直なところ、私は、今回の改定か若しくは、その次の改定でFIMがアウトカム評価としてインセンティブ対象になってくると予測していました。
 
その背景には、前回の診療報酬改定において、回復期病棟でのADL評価はFIMを推奨していたからです。
 
医療と介護の連携を考えてもFIMが妥当だろうと考えていましたが、今回発表されたのはバーセルインデックスでした。
 
おそらく、将来的にはFIMになるという前提で、試験的にバーセルインデックスを行うのだろうと予測しています。
 
実際に厚生労働省も、まずは試行的な意味合いがあり、介護報酬にアウトカム評価を組み込むことを優先した。としています。
 
評価方法自体はバーセルインデックスの方が簡易的で楽ですからね。
 
バーセルインデックスを行いつつ、余裕があればFIMも「しているADL」として導入しておくと、将来的にもより良いと思います。
 
それでは、少しでも参考になれば幸いです。
 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上 直樹

リハビリテーションコンサルタントの井上です。

コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。

リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。
リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。

コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。

どうぞよろしくお願いします。