今後『質的評価』される介護事業。ADL評価として早く『FIM』を導入するべきです。


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みなさん、こんばんは。
PT井上(@Rehacon)です。

 
近日中にFIMの事を書きますとTwitterでつぶやいていたんですが、遅くなってしまいました。すいません。
 

 

 
今回の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟で評価される数値化としてFIMが採用されたことはみなさんご存知だと思います。
 
次回の介護報酬改定では、デイサービスにおいては「質的な評価」をするといわれています。
 
明確なものは出ていませんが、診療報酬改定でもFIMが採用されたように、介護報酬改定でもおそらくFIMが採用されることが考えられます。
 
今現在のリハビリ特化型デイサービスというのは、筋トレを行うマシンが置かれ、筋トレをとにかく行うというのが主流です。
 
いわゆる、「パワーリハビリ」というやつです。
 
これははっきり言わせていただきますが、リハビリではありません。
 
リハビリテーションとは、運動をすることではないことをこれまでもお伝えしてきました。
 
リハビリテーションとは、「再び適合する」という意味になります。
 
そのために様々なことをやるのですが、なんといっても評価をしっかりすることが大切です。
 
そのうちの1つがADL評価(日常生活動作評価)です。
 
ADL評価にも色々ありますが、これまでの流れを見ているとFIMというADL評価が重要視されています。
 
医療業界ではこのFIMが評価対象となっています。
 
つまり、今後介護業界でも同様にFIMが評価対象となる可能性が高いわけです。
 
しかし、FIMは医療従事者じゃないとできないものではありません。
 
別に誰がやったっていいんです。
 
やり方さえ覚えてしまえば難しいものではありません。
 
では、前置きが長くなりましたが、今回はFIMについて解説していきます。
 
最後に無料のテンプレートをご紹介していますので、そちらも是非活用してください。
 
【key word】FIM・ADL評価
【対象者】介護従事者・介護事業者・医療従事者
 

FIMとは

 
Functional  Independence  Measure
 
この頭文字をとって「FIM」となります。
 
日本語では「機能的自立度評価法」といいます。
 
現在FIMはすでに国際的にも広く使用されており、日本でも今後さらに広い普及が予想されます。
 
そもそもFIMとは、「日常生活動作」の評価をするものであり、医療介護現場では「ADL」といわれます。
 
以下よりADLと表記します。
 
 

ADLとはそもそも何?

 
Activities  Daily  Living(日常生活動作)
 
この頭文字をとって「ADL」と略されます。
 
 

ADLの定義

 
ADLとは一人の人間が独立して生活するために行う基本的なしかも各人ともに共通に毎日繰り返される、一連の身体的動作群をいう。
この動作群は、食事、排泄等の目的をもった各作業(目的動作)に分類される。
※日本リハビリテーション医学会
 
 
だいたい何でもそうですが、定義って言葉が難しいですよね。
 
簡単に要約すると、まず日常生活動作はどんなものか挙げると以下のようになります。
 
  • 寝返り
  • 起き上がり
  • 立つ
  • 歩く
  • 食事
  • トイレ
  • 入浴
  • 着替え
  • コミュニケーション
  • 記憶力  など

 

このように日常生活動作といっても様々です。
 
「人間が毎日当たり前に何も意識することなく行っている行動や動作」をADLとご理解いただければいいです。
 
FIMというのは、これらADLをより細分化し、点数化する評価方法のことをいいます。
 
何度も言いますが、リハビリテーションとは、再び元の状態に戻ること・再び元の生活に戻れることを意味します。
 
つまり、リハビリテーションするためにADLの評価は最重要項目となります。
 
 
では、以下にFIMの内容を説明していきます。
 
 

FIMの評価基準のポイントは2つ

 
  1. どれだけ自立しているか
  2. 介助の必要性がどれくらいあるか
 
この2点です。
 
さらに、
 
  1. 動ける能力がどのくらいのレベルなのか
  2. コミュニケーションなどの認知機能がどの程度なのか
 
この2点に分類されます。
 
つまり、身体機能と認知機能のレベルを把握し、日常生活でどこまで自立できてどこまで手助けが必要なのかを把握するものです。
 
 

FIMの目的

 
これは職種によって変わります。
 
リハビリテーション職種であれば、FIMの結果を理解することで改善すべきポイントが見えてきます。
 
つまり、治療に活かすことができますし、どこまで自分でできるのか、できないのかを看護師さんや介護従事者の方々にアドバイスすることができます。
 
看護師さんや介護従事者の方々であれば、FIMの結果からどこまで介助が必要であるか把握することができます。
 
どこまで自分でできるか分かっていれば、残存機能をうまく促せます。
 
このように職種によって活用の仕方は変わってきますが、チームとしてみんなの共通理解になります。
 
 

FIMの評価項目

 
評価項目は運動項目13項目、認知項目5項目の合計18項目からなり、各7点〜1点で評価していきます。
 
最高点:126点
最低点:8点
 
注意
各7段階の評価ですが、0点はありません。最低点が1点になります。
 
介助 点数  介助量 
不要 7点 完全自立 
  6点  修正自立
必要 5点  監視・準備・指示・促しが必要 
  4点 75%以上自分で行う
  3点  50%以上75%未満は自分で行う
  2点 25%以上50%未満は自分で行う 
  1点 25%未満しか自分で行わない・もしくは全介助
 

運動項目(13項目)

 
セルフケア:食事、整容、清拭、更衣(上下)
排泄コントロール:排尿、排便
移乗:ベッド・車椅子、トイレ、浴槽
移動:車椅子・歩行、階段
 
 

認知項目(5項目)

 
コミュニケーション:理解、表出
社会的認知:社会的交流、問題解決、記憶
 
合計18項目を各点数化していきます。
 
 

採点基準

検査
 

7点:完全自立

 
  • 補助具など何も使用せずに動作を行うことができる
  • 安全に行うことができる
  • 動作を行う際、スムーズに行うことができ、時間がかからない
 
 

6点:修正自立

 
  • 補助具(装具・杖など)が必要
  • 動作に時間がかかる
  • 安全性に欠ける(見守りが必要など)
 
 

5点:監視・準備が必要

 
  • 監視・指示・促し・準備が必要
  • 認知項目については、やや手助け(10%未満)をしても問題なし
 
注意

認知項目についてはやや曖昧で10%というのもはっきりこうという指標がありません。
 
 
ここまで見ていただいて分かると思いますが、完全自立が7点、補助具や時間はかかっても自分で行える場合を6点、監視や指示・準備が必要なら5点となります。
 
つまり、介助者は手を触れていないというのがポイントです。
 
4点〜1点に関しては、どれだけの介助量なのかがポイントとなります。
 
 

4点:軽介助(最小介助)

 
  • 対象者に25%未満の介助量で介助する
  • 対象者が75%以上は自分で行う
 
ここでポイントなのは、手を添える程度の介助でも介助とみなされるということです。
 
 

3点:中等度介助

 
  • 対象者に50%未満の介助量で介助する
  • 対象者は50%以上は自分で行う
 
 

2点:重度介助(最大介助)

 
  • 対象者に75%未満の介助量で介助する
  • 対象者は25%以上は自分で行う
 
 

1点:全介助

 
  • 介助量は75%以上
  • 対象者は25%以下しか自分で行えない
  • 2人以上の介助
 
 
4点以下はパーセンテージで評価しないといけません。
 
これは検査者の主観的なものが入ってしまうため、人によってばらつきが出るのがデメリットです。
 
一番大切なことは、病院や施設で検査をする上でみんなが共通理解しておくことです。
 
マニュアルをベースに、「このような介助をしたら4点にしよう」という決め事を作っておくとばらつきが減ります。
 
 
 

まとめ

 
今後ADL評価=FIMという流れは推測に過ぎませんが、間違いないと私は考えています。
 
次回介護報酬改定では、おそらく評価対象はFIMの数値化ということになると思います。
 
そうなってからやるのは遅いです。
 
介護事業者さんは、今から早めにFIMの研修や導入を行うことをおすすめします。
 
 
 
参考になれば幸いです。
 
 

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6 件のコメント

  • 最大限の能力を発揮してもらうということを考えると、できるADL(BI)をしているADL(FIM)を落とし込んでいくことが大事ですよね!!
    それにはセラピストだけでなくコメディカル全体で取り組まなければいけないと思うので、看護師さんヘルパーさんにもFIMをどんどん知ってほしいです!というかこちらから発信していかないとダメですね。
    ありがとうございます!

    • FIMは他職種が共有し活用するのにとてもいい評価指標ですよね。そのために、他職種へどんどんアピールしていくことが大切ですね。

  • 質問させて頂きます。
    こちらの記事では【介護事業はFIMにすべき』と、ありましたが、急性期病院においても徐々にFIMの活用が必要になると聞きました。これに関してもやはり診療報酬に絡んでくるのでしょうか?
    また、何か参考になる関連記事がありましたら教えて頂きたいです。
    宜しくお願いします。

    • PT1984さん
      コメントありがとうございます。
      現在回復期ではFIMの導入が推奨されていますが、介護業界もその可能性が高く、生活に密着しているという点ではそうなるであろうと推測されます。

      急性期においては、FIMを導入していくのは評価内容からも難しい点がありますが、回復期と連携するとなるとやはり同じ評価方法を用いるということになっていくと考えられます。あくまで推測に過ぎないのですが、ADL評価はFIMで統一されていくような気がしてます。

      また今後情報収集して、分かり次第情報はアップしていければと思っています。

      今後ともよろしくお願い致します。

  • Inoue naokiさん、こんにちは。
    質問させて頂きます。
    現在、通所介護にて勤務しており、私もFIMが重要であると思うのですが、書類に追われなかなか出来ずにいます。27年に制度改正にて居宅訪問チェックシートが義務付けられましたが、FIMに似た内容ではありますがもちろん違います。居宅訪問チェックシートに合わせFIMも評価しておいた方がよろしいのでしょうか?
    意見をお聞かせいただけたら幸いです。宜しくお願いします。

    • コメントありがとうございます。
      個別機能訓練やその他残務処理でなかなか時間取れないですよね。

      あくまでもFIMは、今後のADL評価として国はスタンダードにしていくんじゃないか?という私の推測に過ぎません。

      必ずしもとらなきゃいけないということではなく、診療報酬の流れをみていると、介護報酬でもいずれそのような内容になっていく可能性が高いと個人的に思っています。早ければ来年の医療介護同時改定でそうなるかもしれないと。

      ですので、今からそうなることを前提として、職員でどうFIMを運用していくのか検討しておくというのは良いことなんじゃないかと思います。

      やはりセラピストだけでは限界もありますし、ADLをどう捉えるかは職員みんなで共通認識しておくと良いですよね^ ^

      お互い頑張っていきましょう!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    井上 直樹

    リハビリテーションコンサルタントの井上です。 コンサルタントとはその道のプロが助言や指導をするという意味です。 リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。 リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。 コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。 どうぞよろしくお願いします。