理学療法士の井上(@Rehacon)です。
過去に何度かこのブログでもご紹介したことのある「のび体操」。
これまでクライアントさんに継続的に実施してきました。
非常に効果的と実感しているので、是非みなさんに知っていただきたいので改めてご紹介したいと思います。
まず今回はどんなものなのか一部概要をご紹介します。
年をとれば、どこかしら動きにくいところが出てくるのはあたりまえ。そう思っていらっしゃる方も多いと思います。
体に少しでも痛みがあれば、できるだけ動かしたくない、そっとしておきたいと思うのが人の常。
そうやって動かないことこそが、実は寝たきり生活への第一歩なのです。
そうなんです。
普段訪問リハビリテーションの仕事をしていますが、自宅で全く動かない方と動いている方とでは全く「生活の質」が変わってきます。
動いている方は基本それ自体がそこそこのトレーニングになります。
トイレに行くのに歩く、お風呂に入る、食事する、等々健常者であれば当たり前のことです。
ですが、病気をしたり怪我をしたり、障害を持ったりしてしまうとこの当たり前の行動が億劫になってきます。
体を動かすということには、栄養面や精神面なども大きく影響してきますが、今回ここは除外して考えてください。
そもそも病状的に体を動かすことができない方もいらっしゃいます。
こういう方は該当しませんが、動けるけど動かない方も多くいて、様々な理由があります。
等々、様々な訴えがあります。
分かります。私も休みの日はダラダラ過ごしてます…
でも、これが寝たきりの第一歩になるかもしれません。
この「のび体操」は痛みの軽減や筋力アップ、姿勢修正、循環がよくなるなど様々な効果があります。
積極的に動いて負担のない運動をしていくことでメリットがたくさんありますよ。
「若い頃と同じ生活、同じ量の食事をしているのに、太ってきた」
「最近、疲れやすくて無理がきかなくなってきた」
「外出するのがおっくうで、休日は家で寝ていることが多い」
「気がつくと、ねこ背になっている」
心当たりのある方は、「寝たきり予備軍」であることを自覚したほうがいいでしょう。今のうちに、体を動かす習慣をつける必要があります。
そう、若いからといって油断はできません。
のび体操は高齢者だけでなく、若い方にもとっても効果がある運動だと思います。
アスリートにも効果を出してるみたいですよ。
リハビリの現場で驚きの症例が!
筋肉を伸ばすというと、ストレッチをイメージする方も多いかもしれません。
しかしのび体操は、前屈したり、背中を反らしたり、従来のストレッチとはまったく違う動きをします。
リハビリの専門用語では「エロンゲーション(伸張)」といって、体全体を伸ばすという意味があります。
ご高齢になればなるほど、体は丸まっていきます。
そうすると、関節も筋肉も縮こまってしまいます。
結果的に痛みが起きたり、姿勢が悪くなったりと負の連鎖が起こります。
つまり、エロンゲーションする運動をしましょう。というのがこの「のび体操」となります。
筆者の佐伯先生は介護施設で指導しており、全く動けなかった方がのび体操を行った結果、寝たきりから座って食事がとれるようになるなど、非常に効果的であると述べています。
私自身も仕事でのび体操をクライアントさんに活用してから、痛みの軽減や姿勢がよくなるなど、一定の効果は感じています。
さらに自分自身も時々やってるのですが、体がスッと伸びて気持ち良いですよ。腰痛もあまり出なくなったような気がします。
のび体操の効果
- 関節のトラブルが減らせる・痛みがなくなる
- 寝たきりでも寝返りがうてるようになり、ベッドに起き上がれるようになる
- 筋力アップができるため、転びにくくなる
- 関節の痛みが出る前にケアできる
- 縮こまった筋肉がストレッチされて気持ちいい
- ケガをしにくくなる
- 体幹が鍛えられて体が安定する
- 筋肉量が増えて太りにくくなる、やせる
- ヒップアップし、ウエストはサイズダウンする
- 姿勢が正しくなる
- 運動不足の解消になる
- 血行が良くなる
- 血管のしなやかさが保てる
- アスリートの場合は、筋肉の緊張した状態を調整する
このように効果はたくさんあります。
私はご高齢の方に行うことが殆どですが、姿勢がよくなり、体幹が鍛えられて安定が増す、筋肉がストレッチされて気持ちいいというのを特に効果を感じています。
どうやるのか覚えてしまえばお金がかかるものではありません。
今後は介護予防だけでなく、若い方々の「健康予防」ということでも自らセルフケアしていくことが重要です。
のばすことは、体に最も安全で効果が高い
のび体操は、なぜ子どもでも高齢者でも安全なのでしょうか。
それは、「関節同士を引き離す動き」だからです。
人間の体は年をとればとるほど丸まって縮こまっていきます。
つまり、関節同士が近づくようになります。
関節同士が近づくと、関節が擦れるようになり「変形性関節症」などを引き起こすリスクが高くなります。
のび体操はこのリスクが少ないため、安全に運動を行うことが可能となります。
また、こののび体操は「寝たままできる」というのも安全に行える要素の1つです。
寝た状態が基本姿勢となりますので、無駄な力が抜け、転倒することなく安全に行えます。
この辺が高齢者でも安全に行える所以だと思います。
これまでのリハビリは、対処療法でしかなかった
私たちが健康を保ち、自力で暮らしていくには、「筋力・バランス機能・柔軟性」のすべてがバランスよく必要です。
これは確かにそうで、筋力が落ちているから筋力トレーニングをしましょう、バランスが悪いからバランストレーニングをしましょう、柔軟性が悪いからストレッチをしましょう。というふうになりがちです。
しかし人間の動きというのは、これらがうまく調和がとれて可能となっています。
調和がとれなくなることで痛みなどの不調につながります。
最近ではヨガやピラティスなどのボディワークが流行っていますが、それらはまさに「全身運動」になります。
のび体操はヨガやピラティスよりも簡易的にできて幅広い層向けといえると思います。
まとめ
のび体操の簡単な概要について、引用しながら解説しましたがいかがでしたでしょうか。
専門家(理学療法士)が著者であり、非常にオススメの一般書ですよ。
コメントを残す