論文と現場の経験から紐解く、在宅高齢者コロナフレイルの現状

論文と現場の経験から紐解く、在宅高齢者コロナフレイルの現状

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コロナフレイル』という言葉をご存知でしょうか?

昨年からコロナウイルス感染が猛威を振るいはじめ、1年以上経つ今でもなかなか落ち着かないコロナウイルス感染症。

集団免疫を得るには、ワクチンがもっと普及しないとなかなか難しいと言われている中、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置・自粛・自粛・自粛と、基本方針は人流を抑えることにフォーカスされています。

そのような中で、在宅高齢者の方々の心身機能の低下がかなり深刻になってきていると言われています。筆者である私も、週に2回は訪問リハビリを提供していることから、実際に利用者さまを見ていて肌感覚としてもこのままいくとまずいなと、非常に心配しているところです。

コロナは皆さんご存知の通りですが、フレイルのことはご存知でしょうか?

フレイルは『虚弱』を意味し、心身機能の低下を招きます。体だけでなく精神的な面も大きく影響します。

コロナ禍が1年経過してきて、様々な論文も少しずつ集まってきました。今回この記事については、コロナフレイルにフォーカスをあてて、論文及び筆者の経験を含めてご説明をしていきます。

 

そもそもフレイルとは?

フレイルという言葉は、コロナ禍において出てきた言葉ではありません。
 
以前から、ロコモティブシンドロームやサルコペニアと一緒に高齢者のフレイルは危惧されてきました。
 
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フレイルは虚弱を意味します。虚弱と聞くと筋力低下や体力の衰えを連想すると思いますが、決して筋力低下や体力低下だけでなく、口腔内(口の中)の衰えも含みますし、社会的交流が減って、閉じこもりがちになって心を塞ぎこんでいく精神的な面までを含みます。
 
コロナ禍において、若者でさえも精神的な面で落ち込むことが多くなったりしている中で、在宅生活を送っている高齢者の方々が心身ともに機能低下が起きていることは言うまでもないでしょう。
 
フレイルについては、このサイトでも度々書いてきましたので、詳細を知りたいという方は以下の関連記事を参考にしてください。
 
【関連記事】
コロナフレイル 在宅高齢者

コロナ禍におけるフレイル対策

コロナフレイルによる様々な論文が出てきている中で、国立長寿医療研究センターの先生らの研究がこの1年を追跡調査して非常に有用な情報だと思いましたので一部抜粋してご紹介します。
 
また、これに加えて筆者の日々の経験を踏まえてご紹介します。
 

研究概要(目的)

この研究の目的は、COVID-19パンデミックが身体活動(PA)に及ぼす影響と、日本で最初は虚弱ではなかった高齢者の虚弱の発生率を調査することでした。
 
1,600人のベースラインオンライン調査参加者のうち、388人の成人はすでに虚弱であり、275人の高齢者は追跡調査に回答しませんでした。したがって、この研究の最終的な参加者数は937人でした(追跡率:77.3%)。

研究方法

日本のCOVID-19波による4つの時点での合計PA時間を評価しました:2020年1月(パンデミック前)、2020年4月(第1波中)、2020年8月(第2波中)、および2021年1月(第2波中)。第3波の間に)。次に、1年間の追跡期間中(パンデミック中)のフレイルの発生率を調査しました。

研究結果

パンデミックの第1波、第2波、および第3波の間の合計PA時間は、パンデミック前のPA時間からそれぞれ33.3%、28.3%、および40.0%減少しました。
 
特に、一人暮らしで社会的に不活発な高齢者の総PA時間は、パンデミック前よりもそれぞれ42.9%(第1波)、50.0%(第2波)、61.9%(第3波)と大幅に減少しました。
 
さらに、彼らは、一人暮らしではなく、社会的に活動している人々よりも、事故の脆弱性のリスクが有意に高かった(調整オッズ比:2.04 [95%信頼区間:1.01–4.10])。

結論

私たちの調査結果は、一人暮らしで社会的に活動していない高齢者は、パンデミック中のPAの低下により、偶発的な虚弱/障害を経験する可能性が高いことを示唆しています。このメカニズムを理解することは、高齢者の健康状態を維持するために重要かもしれません。
※上記論文はすべてSpringer Linkから引用
 
全ての論文を読みたい方はこちらからどうぞ。PDFデータのダウンロードもできます。

ここまで引用しましたが、フォーカスすべき点は以下の通りです。
 
  • 研究対象者はおよそ1,000名
  • 2020年1月〜2021年1月の1年による調査
  • 1年間のフレイル発生率
  • 身体活動(PA)時間が最大40%減少している
  • 一人暮らし高齢者のPA時間は、最大で61.9%も低下している
 
これらから、特に一人暮らしで社会的な活動が少ない高齢者においては、フレイルや何かしらの障害を起こす可能性がかなり高いと結論付けています。

コロナフレイル 論文

 

筆者のリハビリ臨床経験から感じること

改めて61.9%という数字を見て驚愕したのですが、実際の現場感覚としても割と近いかもしれません。
 
訪問リハビリの対象となる方で、一人暮らし高齢者はとても多く、デイサービスなどの通所サービスを併用している方や定期的に買い物に付き添いのもと外出する方というのは多いです。
 
今回のコロナ禍において、感染を危惧して通所サービスをお休みしたり、外出する頻度が明らかに減少した方というのは非常に多いです。
 
デイサービスの後方支援として複数の施設に関わってもいるのですが、特に昨年の施設利用控えは凄まじいものがありました。
 
結局そこから再開した方もいる一方で、フレイルによってデイサービスに来れなくなるケースも数多く出てきています。入院になったケースもあります。
 
コロナ禍に限らず、入院を一度してしまうと心身機能が著しく低下することはよくあります。その原因の多くも身体活動量の減少です。
 
つまり、日常的に体を動かすということは、ただそれだけでも心身機能を維持することに役立つということが言えます。
 
特に高齢者の場合、一度落ちた心身機能を元に戻していくことは容易ではありません。
 
心身機能を維持する、向上するためには『予防』的な考え方が非常に重要であり、先手先手で支援していくことが必要です。
 
今回のコロナ禍において、特に予防の重要性が明確になったということが言えるでしょう。
 

まとめ

コロナフレイルについて、論文の引用及び筆者の経験をもとにご説明をしましたが、少しでも理解していただけたら嬉しいです。
 
コロナフレイルを予防するための、自宅でできる簡単な資料を無料で提供していますので、是非ご活用いただけたら幸いです。
 
 
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 

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井上 直樹
合同会社Relate(リレイト)代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。