指がカクカク引っかかる『ばね指(弾発指)』の原因とリハビリ治療について解説します。

ばね指

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<2017年9月25日修正・追記>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
 
先日、ゴルフ仲間である先輩がばね指になってしまい、ゴルフができなくなってしまいました。
 
ばね指は別名「弾発指(だんぱつし)」と呼ばれ、更年期の女性や手のよく使うスポーツ、手のよく使う仕事の方に多く発症します。
 
今回はばね指の概要とリハビリを中心とした治療方法について解説をしていきます。
 

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指の構造

 
指の筋肉は前腕にあり、その筋肉は腱となり指先に付着します。
 
腱は、いわゆるスジになります。

前腕屈筋群

 
そのスジを守るために薄い膜で覆われていて、その膜を「滑膜性腱鞘(かつまくせいけんしょう)」と言います。
 
また、その指のスジが逸脱しないためにベルトのようなものが存在します。
 
そのベルトを「靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)」と言います。
 
ばね指
引用画像:日本整形外科学会
 
 
靭帯性腱鞘の中を滑るようにスジが動くことで指の曲げ伸ばしができるようになっています。
 
 

ばね指の原因と症状

 
ばね指は、滑膜性腱鞘と靭帯性腱鞘に炎症を起こし、厚くなることで指の曲げ伸ばしに引っかかりが起こります。
 
痛みは指の付け根部分に訴えることが多く、指全体のこわばりを訴えるのも特徴的です。
 
更年期の女性に多く起こると言われていますが、スポーツや仕事で繰り返し使われることで炎症を起こし、痛みや指の引っかかりが起こります。
 
成人では、親指・中指・薬指・人差し指・小指の順で多いとされています。
 
 

ばね指の治療とリハビリテーション

 
ばね指の治療は、保存療法と手術療法に分類されます。
 

保存療法

保存療法では、局所の安静とステロイドの注射などが行われます。
 
リハビリテーションでは、温熱療法やレーザー治療、電気治療などの物理療法が行われ、前腕部のマッサージやストレッチなどの徒手療法が一般的には行われます。
 
 
前腕部だけでなく、指周りの皮膚や脂肪層、筋膜、筋肉などの軟部組織に癒着が起きていることも考えられますので、セルフケアでマッサージやストレッチを行うことも有効です。
 
以下に、セルフケアで行える方法を一部ご紹介しますので参考にしてみてください。
 

筋膜リリース

前腕屈筋群の筋膜リリース
【方法】
  • テニスボールやゴルフボールを使用して、前腕に当てる。
  • ボールを少し押し込んで、押し込んだままゆっくりと一定のリズムで矢印方向へ動かす。

 

ストレッチ

前腕屈筋群ストレッチ

【方法】

  • 肘を伸ばしたまま、手首を反らす。
  • 前腕が伸ばされていると感じるとことで20秒間キープする。
  • 痛みが強く出ない場合は、指も一緒に反らす。
 
【関連記事】
 
 
セルフケアをしてもなかなか痛みが改善されない、引っかかりが取れないという場合は理学療法士などの専門家の徒手療法を受けることをおすすめします。
 
 

手術療法

保存療法を行なっていても経過が思わしくない場合などは、腱鞘滑膜切除術などの手術が適応されます。
 
 

テーピング・サポーター

 
ばね指は一度よくなっても再発することもあります。
 
あくまでも予防的な側面が強いですが、スポーツや仕事をするときはテーピングやサポーターをするということも有効です。
 
 
  
 
 

まとめ

 
ばね指の概要とリハビリを中心とした治療方法について解説をしましたが、いかがでしたでしょうか。
 
指の筋肉は前腕に多く存在し、その筋肉が硬くなってしまうことでスジへ悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
 
セルフケアで予防することはスポーツを頻繁にする方や仕事をする方にとっては、とても重要なことです。
 
運動をする前にも必ず準備運動をするようにしましょう。
 
それでは、少しでも参考になれば幸いです。
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。