サプリメントで『ビタミンD』を摂取すると『変形性膝関節症』に効果的なのか?研究データから紐解きます。


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みなさんこんばんは。
PT井上(@Rehacon)です。

今日はある研究からの話です。
 
 
変形性膝関節症に対してサプリメントは効果があるのかというもの。
 

 
以前にもグルコサミンとコンドロイチンの研究結果をご紹介しました。
 

 
今回は同じく変形性膝関節症に対して、ビタミンDをサプリメントで摂取して効果があるのかどうかという話しです。
 
参考にしてみてください。
 
【key word】変形性膝関節症・サプリメント・ビタミンD・研究結果
【対象者】全ての方
 

骨を強くするにはカルシウムだけでは不十分

 
骨を強くする=カルシウム
 
こんな風に思っている方は多いと思います。
 
ただカルシウムだけでは不十分です。
 
その理由として、摂取したカルシウムを体内に吸収させるためには、ビタミンDが必要になるからです。
 
また、ビタミンDは血液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割もあり、骨にとっては重要なものになります。
 
つまり骨を強くするためには、カルシウムとビタミンDを一緒に摂る必要があるということです。
 
 

ビタミンDについて

 
ビタミンDは主にビタミンD2とD3に分けられ、それぞれビタミンD2は植物に存在するエルゴステロールから生成され、ビタミンD3は動物に存在する7-DHCから生成されます。
 
何のこっちゃわからないですねぇ…
 
ビタミンDはビタミンD2とD3に分けられ、カルシウムやリンなどミネラルの代謝や恒常性の維持、骨の代謝に関係してくる。っていう程度の理解でいいと思います。
 
 
恒常性とは

生体が様々な環境の変化に対応するということです。
人間の身体では、体温調節など「一定の状態に保つ」ことを恒常性といいます。
 
 

ビタミンDに関わる食品

 
 キノコ
 
食品で考えると、ビタミンDはキノコ類や魚類に多く含まれています。
 
 
 

ビタミンD異常による病気

 
基本的にビタミンが足りなくなる「欠乏(けつぼう)」が問題になります。
 
また、ビタミンDは体のふらつきにも影響していてビタミンDを摂取することで体のふらつきを予防することができます。
 
つまりふらつきが予防できるのは、「転倒予防」にもつながります。
 
 

ビタミンD欠乏で起こる病気

 
  • くる病
  • 骨軟化症
  • 骨粗鬆症  など
 
 
ここでは病気のことは詳しくは割愛しますが、ビタミンDが不足することで骨や関節に関する病気になりやすくなる可能性があるということです。
 
骨粗鬆症を原因とした代表的な骨関節疾患では「変形性膝関節症」があります。
 
 
そこで今回ご紹介するのは、変形性膝関節症を患わっている方へ対してビタミンDをサプリメントで補ったらどうだったかという研究です。
 
今回ご紹介する研究内容はオーストラリアで行われた研究です。
 
 

ビタミンDの値が低い変形性膝関節症の方413人を対象者とした研究

 
変形性膝関節症があり、血液のビタミンD濃度の値が低い患者さん413人を対象として、ビタミンDによる改善があるかどうかをみる研究を行いました。
 
その研究では、平均年齢63.2歳の413人を、ビタミンDのサプリメントを月に1回服用するグループと有効成分のないプラセボ(偽薬)を服用するグループに分けて、2年間の観察を行いました。

※引用:MEDLEY

 
月に1回の服用(服用が少ない)というのがちょっと気になりますが、2年間の長期に渡る検証です。
 
 

検証結果

 
本
 
413人の参加者のうち、340人が試験を終了した。血清25-ヒドロキシビタミンD値は、プラセボ群(6.7nmol/L)と比較し、ビタミンD群(40.6nmol/L)が2年間で増加した(P<0.001)。脛骨軟骨容積およびWOMAC疼痛スコアの年次変化に有意な差はなかった。

脛骨/大腿骨軟骨欠損および脛骨/大腿骨髄病変の変化に有意な差はなかった。有害事象(患者あたり1件以上)は、ビタミンD群では56人、プラセボ群で37人に発生した(P=0.04)。

※引用:MEDLEY

 
 
研究結果として、「変形性膝関節症の進行度」「膝の痛みの程度」に改善はみられなかったと結論付けています。
 
冒頭の説明のように、骨を強くするためにはカルシウムとビタミンDをバランスよく摂取する必要があるということですね。
 
カルシウムだけとか、ビタミンDだけ偏って摂取しても効果はあまりないと考えられます。
 
今回の研究では「月に1回の服用」というところがやや気になりますが、長期に渡る検証結果からも無視はできない結果となっています。
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

サプリメントは薬ではないので即効性はありません。

つまり中長期的に服用し、体質改善を目指していくものです。

またサプリメントはあくまでも「栄養補助食品」です。

栄養の基本は「食事」です。食をしっかり見つめ直すことが一番大切です。
膝が痛い方はサプリメントを飲む前にまず、専門医にご相談するようにしましょう。
 
参考になれば幸いです。
 
 
 
 
 

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2件のコメント

日光を浴びると皮膚からビタミンDが生成できるって聞いた記憶があります…確か…笑
なので、寝たきりの人を離床して車椅子に乗ってもらって外散歩するとか日光浴びるって、生理学的にも効果あると思うんですよね!
あと精神衛生上、日光浴びるの大事だと思いました。

コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、日光はビタミンDを作ると言われています。
屋外に出ることは医学的にも精神的にも良いと思います。

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。