介護に関わる人が覚えておきたい『歩行器』の種類は6つ!


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<2017年6月5日追記>

理学療法士の井上(@Rehacon)です。

 
以前に介護に携わる方が覚えておくと良い「杖の種類」についての記事を書きました。
 
杖を使って歩く方もたくさんいますが、施設などでは歩行器を使って歩かれる方も多いと思います。
 
歩行器といってもいくつか種類があります。
 
そしてどの歩行器を使うべきかリハビリ担当者は理解する必要があります。
 
 
【key word】歩行器・介護・種類
【対象者】介護に関わる方全て・療法士学生・看護師・看護学生 など
 

覚えておきたい歩行器の種類は6つ

 
  1. 固定型歩行器
  2. 交互型歩行器
  3. キャスター(前輪)付き歩行器
  4. キャスター(四輪)付き歩行器
  5. シルバーカー
  6. サークルウォーカー(肘支持型歩行器)
 
概ねこの6種類が歩行器の種類になります。
 
それでは、1つずつ説明していきます。
 
 

固定型歩行器

 
下半身の筋力がやや弱く、杖だと不安定な場合に使用します。
 
固定型なので、前に進む際は歩行器を持ち上げる必要があります。
 
つまり、腕の力はそこそこないと使用するのが難しく、持ち上げたときに下半身である程度支えられないと後方にバランスを崩しやすく、危険性もあります。
 
杖だと不安定で介助が必要だけれども、固定型歩行器なら見守りで行えるという場合は、リハビリでは杖歩行の練習、病棟などでは見守りで固定型歩行器を使用してもらう。と私は選択します。
 
 

交互型歩行器

 
交互型という名称から想定していただくと分かりやすいかもしれません。
 
左右のフレームが個々に動かせる歩行器になります。
 
交互型歩行器の良いところは、常に歩行器が床に接地しているというところです。
 
つまり、支持基底面が常に広く保つことができるため安定感があります。

支持基底面については以下の関連記事で説明していますので、合わせてお読みください。

 
デメリットとしては、やや使い方が難しく、うまく使えない方がいらっしゃいます。
 
 
名前の通り、前輪にキャスターが付いてるため操作性が高く使いやすいというのと、腕の力が弱い方でも比較的使いやすいというのが特徴です。
 
使い方は後ろのフレームを少し持ち上げ、前に押して前輪で動かします。
 
前輪が付いてるため、操作性が高いのはメリットなんですが、逆に操作性が高い故にうまくコントロールできる方でないと難しく感じることもあります。
 
 

キャスター(四輪)付き歩行器

 
名前の通り、四脚にキャスターが付いている歩行器です。
 
前輪付き歩行器よりも操作性がさらに高いですが、その分コントロールする能力も必要になります。
 
後脚にストッパーが付いていて、体重を後脚にかけると止まるという構造です。
 
これは私の経験上の話ですが、四輪付き歩行器でサクサク動ける人はすぐに四点杖やT字杖で歩けることが多いです。
 
 

シルバーカー

 
シルバーカーの最も特徴的なところは、「座れる」「荷物を入れられる」この2点があげられます。

使用用途を考えると、在宅で散歩をされる方や買い物に行かれる方が対象になってきます。

両手で押して歩け、車輪もついているため安定感もあります。

商品によってはブレーキが付いていて安全性もあります。

 

サークルウォーカー(肘支持型歩行器)

 
サークルウォーカーの特徴的なところは、肘をついて押しながら歩くことができるというところです。

また、リウマチなどで指が変形している・痛い、握力が弱いという方にはとても有効な歩行器となります。

よく病院で使用されることが多いですが、今では在宅でも比較的コンパクトで折りたためるサークルウォーカーもあります。

私が現在担当しているクライアントさんでパーキンソン病の方がいらっしゃいますが、在宅生活で食事を作ったりする機会も多く、パーキンソン病の特徴である前傾姿勢がありますが、その姿勢をコントロールしながら食事を作る必要があるため、敢えてサークルウォーカーを使用している方もいます。

肘をつけるということで下半身の筋力が弱い方でも安定して歩行することが可能となります。

よって、歩行訓練をはじめる最初のとっかかりとして使用されることも多いです。

 
 

歩行レベルによって選ぶ歩行器の優先順位

 
ここまで歩行器の種類と使用用途について説明しました。
 
あくまでも1つの基準になりますが、歩行状態によって選ぶ歩行器には優先順位をつけることが可能です。
 
歩行レベル 歩行器の種類
低い サークルウォーカー
 ↓ キャスター(四輪)付き歩行器
 ↓ キャスター(前輪)付き歩行器
 ↓ 交互型歩行器
 ↓ 固定型歩行器
 高い シルバーカー

 

まとめ

 
歩行器の種類について説明しましたがいかがでしたでしょうか。
 
まずは安全性を考えて歩行器は選ぶべきです。
 
リハビリでは1つ上のレベルの歩行器や杖を使用しますが、病棟生活や日常生活ではリハビリでやっている1つ下のレベルの歩行器を使ってもらうことで安全に使っていただくことができます。
 
歩行レベルに応じて歩行器や杖を選ぶことは「残存機能」を維持していくうえでも重要になります。
 
参考になれば幸いです。
 
 
 
 
 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。