生活習慣病の1つ。「高血圧症」の原因・治療・予防について分かりやすく解説します。


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みなさんこんばんは。
PT井上(@Rehacon)です。

だいぶ寒くなってきましたね。

寒くなってくると「血圧」というのは上がりやすい傾向にあります。

今日は「高血圧症」に対する基礎知識・運動療法の基礎知識をご紹介します。

高血圧は食事や生活環境もとても重要です。

ただ私は食のプロではなく、専門は「リハビリテーション」ですので主に運動療法について説明させていただきます。

それでははじめます。

【Keyword】高血圧症・原因・治療・予防
【対象者】一般の方

血圧とは

血圧ってそもそもどういうことなの?

はい。そうなんですよね。以外と分かってるようで分かってないシリーズです。

医療関係者はお分かりだと思うのでとばしてくださいね。

というわけで、血圧を簡単に説明しますね。

血圧とは読んで字のごとく「血の圧」です。「血液の圧力」です。

「血液の圧力によって血管の壁が押される力」のことをいいます。

スポイトを例に挙げてみましょう。

スポイトの球部分を心臓と考えてください。

その球の部分をグッと押すと水が管を通っていきますよね。

心臓も同じで心臓から全身に血液が押し出されます。

このギュッと心臓が収縮したときが「収縮期血圧(上の血圧)」です。

この瞬間に血液が血管を巡っていきますので圧力が高まります。

逆に心臓が収縮を終えると今度は拡がっていきます。これを拡張といいます。よって下の血圧のことを「拡張期血圧(下の血圧)」といいます。

血管の抵抗が大きくなれば血圧は高くなる。抵抗が小さくなれば血圧は低くなる。

こういうことになります。

 

血圧の目標値

血圧の目標値

 

診察室血圧

家庭血圧

若年・中年・前期高齢者患者

140/90mmHg未満

135/85mmHg未満

後期高齢者患者

150/90mmHg未満

145/85mmHg未満(目安)

(忍容性があれば140/90mmHg未満)

(忍容性があれば135/85mmHg未満)

糖尿病患者

130/80mmHg未満

125/75mmHg未満

CKD患者(蛋白尿陽性)

130/80mmHg未満

125/75mmHg未満(目安)

脳血管障害患者・冠動脈疾患患者

140/90mmHg未満

135/85mmHg未満(目安)

※引用元:高血圧ガイドライン2009

ざっくりですけど、目安として「130/80mmHg以内」位ならいいんだなぁとお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

高血圧(Hyper  Tension)

高血圧は英語でHyper  Tensionといい「HT」と略されます。

血圧は、体を動かしたり、イライラしたり、ちょっとしたことで上がります。

こうした一時的な血圧上昇は、高血圧とはいいません。

高血圧とは、「安静での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態」をいいます。

高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の壁に傷がついたり、柔軟性がなくなって固くなったりします。

 

高血圧になると何が問題か

高血圧を放っておくと上述したように「動脈硬化」を起こします。

そうなると、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)・心疾患(心筋梗塞・狭心症)などの重大な病気につながってしまいます。

特に脳卒中については男女問わず高血圧が影響していると明確になっています。

血圧は高齢になればなるほど血管が劣化し硬くなり傷んでいきます。

そのため高齢になるほど高くなりやすい傾向にあります。

今はいい時代になりました。自動血圧計も普及しており、血圧は自分でも簡易的に行えるようになりました。

ご年配の方々だけではなく若い人たちも定期的に血圧測定することで自分の平均血圧が分かります。

血圧が高ければ早めに病院受診することをおすすめします。

個人的にはオムロンの血圧計がおすすめです。何といっても静音です。
シチズンは音がうるさいのでおすすめしません。手首用の血圧計だと精度が低いとかいいますが、これだけ流通していますし、問題ありません。
 

 

運動療法で予防をしましょう

運動による血圧を下げる効果は様々な研究によって確認されてきました。

運動不足は高血圧だけではなく、高脂血症や糖尿病、肥満などの生活習慣病も抑制することができます。

さらに心血管系の危険因子の発症や合併症予防効果もあることが確認されています。

ただし注意が必要なのは、急性心不全や虚血性心疾患など運動すること自体がリスクになる場合があります。

このような場合は「医師の管理下」で行うことが重要です。

今は「心臓リハビリテーション」というものもだいぶ浸透してきました。術後だったり管理が必要な場合は「心臓リハビリテーション指導士」の認定資格をもった理学療法士がいる病院をおすすめ致します。

 

「適度」な運動は血圧を下げる

交感神経(神経が興奮した状態)の働きが抑制され、血管の拡張(拡がる)により血圧が下がります。

要は副交感神経(リラックスすると活性化する神経)が働くと良いんですね。

逆を言えば、興奮してしまうほど激しい運動は逆効果であるということです。

 

運動する頻度や時間

高血圧ガイドラインでは1日30分、できれば毎日と推奨されています。

ただこれは難しいですよね。僕ならできません。

そういう場合は1日に10分程度で数回行うことも推奨されていますのでそちらのほうがストレスなくていいですね。

1日10分だったらできそうじゃないですか?電車通勤している人はそれだけで30分〜1時間近くになりますしね。

ただ満員電車でストレス溜まって逆効果もあるかもしれないですね…

 

運動の強度

どの程度の運動がいいのか分からない方も多いと思います。一番危険なのは「自己流」でやることです。

「運動強度」には「修正ボルグスケール」という指標がありまして、こちらをご参考にするといいです。

※引用画像修正ボルグスケール
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ポイントは「多少強い」程度でおさめることが重要です。

これ以上負荷をかけてしまうと交感神経が優位に働いて血圧が上がってしまう可能性があります。

 

運動の種類

基本的には「有酸素運動」なら問題ありません。有酸素運動とは、呼吸をうまくしながら行う運動のことをいいます。

息む(力んだ)運動は無酸素運動で血圧を上げる要因になります。

有酸素運動で代表例を挙げると、

  • ウォーキング
  • 水中ウォーキング
  • 軽いジョギング
  • エアロバイク
  • ステッピング
  • ヨガ
  • ピラティス

 

こんなものが挙げられます。これは私個人の意見になりますが、この中でも「エアロバイク」は脈拍なども測定しながら行える有酸素運動になりますので客観的な指標になっていいですよ。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

高血圧は高齢者であれば殆どの方が該当すると言っても過言ではありません。そして自己管理が最も大事だとも言えます。

症状を自覚することが少ないため、主治医から処方されても薬を飲まない方も結構いるんですね。これはよくありません。

内服をしっかりして、食事療法や運動療法を並行して行っていくことが大事です。

もちろん、改善されれば内服もしなくてすむわけです。

また、若い方も定期的な血圧測定で自分の血圧を理解し、「予防」に努めることが重要です。

何回も言いますが「予防」です。これが大事。

そのためには「運動療法」が欠かせないということをご理解いただけたかと思います。

ご参考になれば幸いです。

 

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井上 直樹
(同)Relate・(同)ALLMERU代表社員/理学療法士の井上直樹です。 このサイトでは一般の方に向けたリハビリの基本的な情報発信を行っております。また、不定期ですが雑誌や新聞などのマスメディア・WEB上のメディアにも情報提供を行っております。リハビリについての適切な情報発信は現在少ないのが現状です。リハビリのことはリハビリの専門職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士)が情報発信するべきだと考えています。コンセプトは誰にでも理解できるように分かりやすく解説していくことです。リハビリに関わるコンサルティング事業を展開しております。お仕事依頼もお気軽にお問合せくださいませ。