弊社では、リハマネサポートという事業を行っております。
介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、通所介護(デイサービス)、特別養護老人ホーム(特養)をはじめとした高齢者施設や障害者支援施設のリハビリに関わるサポートを日々行っているのですが、リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士、言語聴覚士も学生時代に知的障害者や精神障害者向けのリハビリを学ぶ機会はそれほど多く時間が割けられていません。
特に理学療法士は作業療法士に比べても、知的・精神障害に関わる勉強は少ないはずです。
そういう背景があるからなのかは分かりませんが、障害者施設に勤務するリハビリの専門家も少ないという現状があります。
ですが、リハビリが必要な方々は多くそこに存在します。
障害者施設におてのリハビリの在り方について、私自身の見解を書いていきます。
障害者支援施設とは
障害者支援施設とは、施設に入所する障害者に対し、入浴や排泄、食事などの介護、また、生活などに関する相談や助言、その他の必要な日常生活上の支援(施設入所支援、生活介護、自立訓練、就労移行支援など)を行う施設です。
引用:WAMNET
ここで言う障害者とは、身体的なものだけでなく知的障害・精神障害も含まれます。
生まれつき(先天的)の心身障害から、後発的な心身障害の方々が含まれます。
障害者支援施設のリハビリの対象とは
概ね、すべての方が対象だと言っても過言ではないのですが、身体的なアプローチから精神的な部分へのアプローチまでを含みます。
そのため、身体的なアプローチを得意とする理学療法士のみならず、精神的な部分へのアプローチを得意とする作業療法士、または口腔機能・嚥下機能へアプローチできる言語聴覚士など、リハビリテーションに関わる職種が関わることはとても大切です。
とはいえ、冒頭に書いたように、私たちリハビリテーション職種においても、学生時代にこの知的・精神領域を学ぶ機会が他の領域よりも圧倒的に少なく、多くの人が医療機関に勤めている背景からも、障害者支援施設に関わるリハビリテーション職種が極めて少ないのも課題の1つと私は考えています。
リハビリの対象という視点においては、身体機能・生活機能・知的精神機能・口腔嚥下機能に課題のある方が対象ということになります。
障害者支援施設のリハマネサポートで多い質問事項
弊社では、
リハマネサポートというサービスを提供しておりますが、障害者支援施設のサポートでよく出る質問があり下記の通り共通しています。
- 食事姿勢が今の状況で問題ないか
- 適切な自助具を教えてほしい
- 尖足がある方への支援方法
- 側弯症がある方への支援方法
- 口腔嚥下機能について
- 歩き方がこのままでいいのか
- 杖や車いすは今のままでいいのか
- 靴は今のものでいいのか
- 発達障害をもつ方へどのように接したらいいのか
等々
様々なご質問をいただきますが、これらの質問に対してリハビリの専門家という立場からアドバイスしています。
食事姿勢でいえば、ポイントがいくつかあって、机の高さや椅子の高さ、椅子の種類、クッション類の調整などちょっとしたことで改善することも多く、食事姿勢が良くなるだけで嚥下機能にも影響を与えます。
靴でいえば、殆どがその方の状態に合っていないことが多いので、足の見方やそれに合わせての靴の選び方、インソールの選び方をお伝えしたりしています。靴をちょっと変えるだけで歩き方にも大きく影響します。
障害者支援施設では、尖足や側弯症の方々が非常に多いのですが、まずは尖足とはどういったものなのか、側弯症とはどういう状態をいうのかなどの基礎的なところは動画研修のコンテンツにして、いつでも誰でも見られるように工夫しており、施設全体の知識力の底上げを意識してサポートしています。
障害者支援施設での具体的なリハビリ内容
上記に書いたように、障害者支援施設をサポートしていていつも思うのが、尖足や側弯症の方が非常に多いということです。
そのような方々にどのようなリハビリを行えばいいのか一部ご紹介します。
ここについては割愛しますが、尖足に対してどのようなことを行えばいいのか。
尖足というのは、足首が下向き+内向きになってしまうことを言います。足首が下向きになることを『底屈』といい、内側に向いてしまうことを『内反(内がえし)』と言います。
この状態を回避するためのコントロールをすること、予防することが大切です。
つまり、足首が下向きになること、内向きになることを回避するための手段を講じることが大切であり、その方法はいくつかあります。
まずは、足首が下向きで固定されてしまっているケースでは、アキレス腱やふくらはぎなどの筋肉が縮こまってしまっていますので、マッサージやストレッチでふくらはぎの柔軟性を出すことが必要です。
場合によっては、装具療法の検討も必要です。
足首が下向きで固定されてはないものの、自分で持ち上げることができない場合は、持ち上げるための筋力を強化することが必要です。
これらの具体的な方法は、下記のページで写真付きで解説してますので参考にしていただければと思います。
ただ、運動療法は本人がなかなか理解できないことも多いため、どうするか知った上で遊びなどの活動にうまくつなげていく必要があります。
側弯症は、まずサポーターの導入を検討することが良いと考えています。側弯症はどうしても身体の構造が変化している(背骨が曲がっている)ため、食事姿勢などにも影響します。
そのため、物理的なものでコントロールすることをまず行っていただいた上で運動療法につなげていきます。
側弯症は個人差がとても大きいため、一概にこの方法が良いというものはここでは提示しにくいですが、サポーターはどの方にも適用します。実際のサポートでは、その方の状態に合わせたリハビリプラン(運動内容等)をご提示しています。
私が現場の方におすすめしているサポーターは以下のものです。参考にしてください。
リハビリの専門家をうまく外注する
冒頭にも書いたように、なかなか障害者支援施設で理学療法士や作業療法士を雇用するのはハードルが高く、また雇用リスクもあります。
必要な分だけ必要に応じて専門家に介入してもらう。
これが一番効率的で、一番効果のあるものだと私は考えています。
24時間365日いつでも相談ができて、定期的に現地やオンラインにて直接相談することができる。
また、個別のリハビリプランを立ててレクチャーを行う、動画研修でいつでも好きなときに見ることができ、施設従業員の知識の底上げになる、このようなサポートを受けることが可能となります。
是非、リハビリの専門家をうまく利用してください。
何かリハビリに関わる施設課題があればいつでもご相談ください。相談は随時無料にて行っております。
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