フレイルの定義
フレイルは2014年5月に日本老年医学会が定義しました。
高齢者が筋力や活動低下している状態を「フレイル=虚弱」と定義しています。
フレイルは本来人が持っている、良い状態を保つ・良い状態まで回復する機能である「恒常性機能」が低下した状態を指します。
フレイルの種類
- 身体的フレイル
- 認知的フレイル
- 精神心理的フレイル
- 社会的フレイル
- オーラルフレイル
- スキンフレイル
身体的フレイル
身体的フレイルについてのアセスメントでは、日本の厚生労働省が日本版を作成したJ-CHS基準と自分でできるアセスメントということで開発された基本チェックリスト、この2つを活用することをおすすめします。
基本チェックリストについては、身体的・認知的・精神心理的・社会的・オーラル・スキンと包括的な指標となっています。
このJ-CHS基準を見て気づく方もいると思いますが、筋力低下・歩行速度の内容はサルコペニアの判断基準と全く同じ内容になります。
ちなみに、この評価バッテリーを使わないといけないなどの決まりはありません。施設単位で統一することが望ましいでしょう。
認知的・精神心理的・社会的フレイル
認知的フレイルに関して、認知症だと診断されている場合は否定されます。
①独居である
②昨年に比べて外出頻度が減っている
③友人の家を訪ねている
④家族や友人の役に立っていると思う
⑤誰かと毎日会話している
これらの質問に対してはい/いいえで答えてもらい、2項目以上に該当すれば社会的フレイル、1項目に該当する場合は前段階の危険信号ということになります。
オーラルフレイル
オーラルフレイルは、口腔機能の低下を意味します。オーラルフレイルは個人的にも非常に重要だと思っています。
発表されている論文によると、地域高齢者の16%にオーラルフレイルが認められ、その16%の方をその後2年間追跡調査した結果、身体的フレイル2.4倍、サルコペニア2.2倍、要介護認定2.3倍、死亡2.2倍という結果が出ています。
つまり、オーラルフレイルを適切且つ迅速に対応することができれば、これらを回避できるということになりますので、非常に重要なポイントになると思います。
オーラルフレイルも基本チェックリストが用意されていますので、うまく活用すると良いでしょう。以下の日本歯科医師会のページよりご覧ください。
スキンフレイル
スキンフレイルは皮膚のフレイルとなります。
皮膚が乾燥することで表皮や真皮が薄くなり、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性のある状態をいいます。
保湿剤などでスキンケアすることはもちろんのこと、内部環境から変えるということで「栄養」はとても重要です。
皮膚で栄養となると、コラーゲンがフォーカスされますが、コラーゲンとして合成させるには「たんぱく質」をしっかりと摂取することが大事です。
まとめ
フレイルの概要とフレイルの種類、フレイルのアセスメントに活用できるチェックリストをまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
身体的フレイルについては、特にサルコペニアとの関連性が強いので、合わせて覚えてしまいましょう。
栄養や運動については、サルコペニア・フレイル・ロコモで共通点が多いので、そちらは改めて近日中にまとめて公開していきます。
少しでも参考になれば嬉しいです。それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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