リハビリの基礎知識
「ストレッチ」はダイエットや腰痛・肩こりにも効果的。但しやり方を間違えると逆効果!?ストレッチについて解説します。
理学療法士の井上(@Rehacon)です。
この寒い時期、体が硬くなってませんか?
僕はただでさえ体は硬いほうですが、さらにめっちゃ硬くなってます…
そんな僕が言うのもなんですが、体が柔らかいと様々なメリットがあります。
体の柔軟性を高める手段として一般的に「ストレッチ」がありますね。
ストレッチはよく行われると思います。
但し、やり方を一歩間違えれば怪我をしたり、スポーツ選手ならパフォーマンスが落ちることでも知られています。
今回はこのストレッチについてを誰にでも分かるように解説していきます。
【keyword】ストレッチ・種類・効果
【対象者】全ての方
ストレッチには種類があります
- スタティックストレッチ
- ダイナミック(バリスティック)ストレッチ
- PNFストレッチ
この3つのストレッチ方法に分類することができます。
以下にそれぞれ説明し、参考になる動画がありましたので引用させていただきます。
スタティックストレッチ
スタティックストレッチとは、「静的」なストレッチとなります。
つまり、ある一定のところで「静止」させるストレッチです。
時間にすると「30秒」程度が目安になります。
このストレッチさせる時間は諸説ありますが、30秒はやらないと効果が認められないという研究データも多く存在します。
目的は、「柔軟性の向上」です。
これがおそらくみなさんの知る、いわゆるストレッチですね。
体の硬い人には有効ですし、高齢者では筋肉の短縮から拘縮→強直という負の連鎖がありますので、拘縮予防としても有効な方法となります。
但し、スポーツの場面ではあまり適さないとも言われており、運動前に入念にスタティックストレッチをするとパフォーマンスが落ちるとも言われています。
スポーツ選手にスタティックストレッチがよくない理由
バネを例に挙げますが、バネを伸ばして抵抗の感じるところでしばらく止めておくと仮定します。
そうすると確かに伸びるかもしれません。
しかしバネは伸びるかもしれませんが、伸びすぎてしまうと張力が落ちてしまいます。
つまり、バネの勢いは弱くなります。
筋肉も同様に柔軟性はよくなるかもしれませんが、筋力をうまく発揮できなくなるということになります。
スタティックストレッチをスポーツ前にすると、「最大筋力の低下」が起こると言われますが、私の捉え方としては「最大筋力の出力低下」です。
筋力が低下するのではなく、筋力をうまく発揮できなくなるということです。
ただ注意してほしいのは、これはあくまでもスポーツ選手ということです。
毎日のようにスポーツをしている人やプロスポーツ選手には適さないということであり、普段運動習慣のない人は必ず運動前にスタティックストレッチをするほうが怪我の防止になります。
例に挙げると、ゴルフの練習に行くとストレッチを全くせずにすぐに打つ人。
こういう人は怪我します。
整形クリニックに勤務していた頃、ゴルフの練習で怪我をしたという方がリハビリに多く通院していましたが、その8〜9割の方は話を聞くとストレッチなどの準備運動をしていません。
そりゃ、怪我しますよ兄さん!
って感じです。笑
特に年配のアマチュアゴルファーは必ず運動前に入念なストレッチをするほうがいいですよ。
ダイナミックストレッチ(バリスティック)
スタティックの反対の意味と理解して下さい。
つまり、「動的」なストレッチということになります。
動きの中でストレッチ要素を入れるということです。
例に挙げます。アキレス腱を伸ばすときをイメージしてください。
そのまま止めてキープするか、動かしながらストレッチをするかの違いです。
このダイナミックストレッチはスポーツの前にやると有効で、パフォーマンスを向上させると研究データでも多く発表されています。
PNFストレッチ
まずPNFとは「Proprioceptive Neuromuscular Facilitation」の頭文字をとったもので、「固有受容器促通」と日本語では言います。
固有受容器とは
体の関節・筋肉・腱・靭帯などの「空間位置」や「運動感覚」に関わる受容器です。
つまり、体の繊細な動きを行うために必須な受容器となります。
PNFストレッチとは、この固有受容器を促通するためのストレッチとなります。
「肩凝り」なんかにも効果がありますよ。
まとめ
ストレッチと言っても様々な方法があるとご理解していただけたと思います。
自分の運動習慣や体の硬さ、状況に応じてストレッチ方法を変えていくというのが大切ですよ。
参考になれば幸いです。
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Tarzan編集部 マガジンハウス 2016-01-28
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