つい先日テレビ(NHKのあさイチ)を観ていたらとても興味深い内容の特集がされていました。
それは「和温療法(わおんりょうほう)」という治療法です。
みなさんはご存知でしたでしょうか?
私は初めて聞いたのですが、テレビを観て興味深かったので色々文献なども調べてみました。
保険外治療ですが、病気によってはとても効果的であり、一部の病気ではエビデンス(科学的根拠)も認められています。
医師だけではなく、今後はリハビリの一環として導入が求められているようです。
それでは、今回は「和温療法」についての概要について触れていきます。
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和温療法とは
鹿児島大学医学部の「鄭 忠和先生」により開発された治療法になります。
和温療法の特徴は、和温療法専用器(遠赤外線乾式サウナ治療室)に入り「全身を温める治療法」・「身体に優しい治療法」であり、安全で副作用の非常に少ない治療法というところです。
言葉の通り「和む・温もり」療法です。
和温療法の適応とエビデンス
- 慢性心不全
- 閉塞性動脈硬化症(ASO)
- 線維筋痛症
- 慢性疲労症候群
- 更年期障害 など
以上のように、様々な病気に適応しています。
特にこの中でも慢性心不全については、2010年に改定された「慢性心不全治療ガイドライン」においてclass Ⅰ(有効)と推奨される治療として承認されています。
2012年には高度先進医療としても認定されています。
和温療法の手順
- 服を脱いで体重測定。和温療法専用の病衣に着替える。
- 血圧、心拍数の測定
- 和温療法器へ入る
・15分間温める
・室内は60°Cで設定されている
・深部体温は1.0°C上昇
- 安静保温
・15分間の和温後、ベッドまたはリクライニング椅子で仰向けになり、和温療法器内で温めた毛布で全身を覆う。
・30分間安静保温
- 水分補給・測定
・30分間の安静保温後、服を脱いで汗を拭き取り、体重を測定。発汗量を計測。
・元の服に着替え、発汗量に見合う分の水分補給を行う。
- 血圧・心拍数の測定
このような流れが一連の和温療法の流れとなっています。
和温療法にかかる費用
現在のところ、保険内治療は認められていません。
そのため自費による治療となりますので、病院によって値段設定が異なります。
いくつか提供している施設を見てみましたが、しっかり費用を明記している病院は少なかったです。
1カ所の施設では5,000円と記載されていましたが、入院による治療となると入院費などその他の費用がかかるようです。
気になる方は直接病院に連絡して聞くのが一番手っ取り早いと思います。
和温療法を受けられる実施病院
和温療法を受けられる施設は、公式ホームページに掲載されています。
住まいの近くで受けられる施設があるかどうか事前に知っておきたい方は確認してみてください。
和温療法の論文
日本語論文や英語論文など、多くの文献が公式ホームページでダウンロードできるようになっています。
私もいくつか文献を読みましたが、慢性心不全だけではなく、閉塞性動脈硬化症や高血圧に合併する拡張不全の予防など様々な病気に効果を認めているようです。
和温療法の認定資格
和温療法を施設に導入するにあたり、研修を修了する必要があります。
この研修が開催されるのは今年が初めてで、今月の27日に開催されており、現在は終了しています。
対象
和温療法の研修を受けられるのは医療従事者に限定されています。
受講料
医師:30,000円
看護師、理学・作業療法士:15,000円
認定資格の更新
5年おきの更新が必要
今後リハビリの一環として導入が求められています。
今後も期待される治療法ですし、心臓リハビリテーション指導士になるための単位(3単位)としても認められています。
普及していくことが予想されますので、リハビリ職種の方々も今のうちに研修を受けておいてもよいのかもしれませんね。
まとめ
和温療法についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
どんな治療法でも言えることですが、何か1つだけの治療を行えばよくなるということは基本的にありません。
この和温療法も、薬物療法を含めたこれまで確立された様々な治療法に和温療法を加えることで著名な治療効果が発揮される。と書かれています。
是非この点についてはご理解した上で、治療を受けてみたいという方は検討してみてもよいのではないでしょうか。
和温療法の優れた点は、身体への負担が少ないこと、安全で副作用が少ないこと、様々な病気に適応していること、病気によってはエビデンスが認められていること。
この辺りが優れた点であると感じました。
これからは健康で長生き「健康長寿」・「健康寿命を延ばす」という時代です。
そのためにこの和温療法は知っておいて損のない治療法だと思います。
理学療法士や作業療法士、看護師については認定資格も取れますので検討してみてはいかがでしょうか。
気になる方は是非、公式ホームページを見てみてくださいね。
それでは、参考になれば幸いです。
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