理学療法士の井上(@Rehacon)です。
リハビリテーション業界では様々なセミナーがあり、今は流行ってると言ったらおかしいかもしれませんが、ものすごい数のセミナー団体があります。
私が理学療法士になりたての頃は、県の理学療法士協会がセミナーをやっているのが殆どで、あとは技術系団体がコースとしてセミナーを開催しているというのが殆どでした。
しかし最近は、単発の勉強会も多いですし、とにかくセミナー団体が多いですね。一種のブームみたいな感じでしょうか。
兎にも角にも、セミナー団体が増えて学ぶ機会や環境が増えたことはいいことです。
ただ、あくまでもセミナーというのは知識をインプットするには最適ですが、療法士として大切なのは、学んだことをどう解釈し臨床に活かせるか。
つまり、「知識をいかに知恵に変える」ことができるのか。
ここが一番重要なことだと感じています。
今回はそんな雑感を書いてみたいと思います。
知識とは
知ること。認識・理解すること。また、ある事柄について知っている内容。
ある事柄について、いろいろと知ること。その知り得た内容。
引用:コトバンク
引用しましたが、知識ということに対しての私の解釈としては「新しいことを知ること」です。
例えば学生時代、毎日毎日、来る日も来る日も勉強を(授業を受けてた)してましたよね?
そこで得たものは新しい知識達です。
でも実際はそこまで理解ってしてないように思います。知ったような気にはなりますが…
その後、復習を繰り返したり、テスト勉強をしたり、実習で学んだりすることで少しずつ理解していきます。
これがいわゆる知識だと思います。
知恵とは
物事の道理を判断し処理していく心の働き。物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力。
引用:コトバンク
私が解釈する知恵とは、「理解したことを正しく実践すること・できること」です。
これを繰り返していくと応用がきくようになると思ってます。
正しい、基本的な知識を理解する。そしてそれが実践でき、応用することができる。
つまり、インプットすること自体は知識で、知識を正しく遂行できるようになってはじめて知恵と呼べると理解してます。
インソールで有名な入谷誠先生の言葉
勉強で得た知識ってのはただの知識なんだよ。臨床ってのは、患者に対してどう対応するかってことだから、知識をどう知恵にもってこれるかってことなんですよね。
知識と知恵ってのはまるっきり違う事で、「創意工夫」があるって事。だからそれを臨床の中でやっていけばいいし、本を読んだり、たまには勉強会に行くだけでも十分にそういうことはできるって思うんですよね。
解剖学、運動学、生理学を応用して、知恵をしぼれば非常に結果ってのは出やすい。知識技術って習えばできるし、頭は使わないんだよね。覚えるだけだから。
引用:POST
なんでしょう。
入谷先生の言葉だからか妙に納得しますし、説得力がありますね。
本当にそう思うのですが、創意工夫が必要だと私も思います。
創意工夫というのが応用できるってことなんじゃないかなと思うわけです。
例えば、セミナーで◯◯という手技を習ったとして、臨床で使ってみる。
しかし、なかなか改善しない。変化がみられない。
また違うセミナーにいって違う手技を学ぶ。
それでも効果は出ない、感じられない。
これを繰り返す、ドクターズショッピングならぬセミナーズショッピングになってしまうことが一番よくありません。
結局のところ、何か学んだ手技があったとしたらそれを突き詰めてやっていくことや臨床で繰り返し使ってみる。
改善がみられないなら何故なのか?を常に自分に問いただし、解剖学や生理学、運動学といった基礎的なところから見直す。
そしてまた使ってみる。効果判定をする。
時には、◯◯という手技にプラスして◯◯という違う手技を加えてみる。
姿勢や歩行などの分析から考え直してみる。
こういうことが必要であり、知識を知恵に変えるってことなんじゃないかなと思います。
最後に
「知識を知恵に変える」
これをやるには、実は簡単なことではないとも思ってます。
でも考え方はとてもシンプル。
シンプルだからこそ突き詰めたら色々なものが見えてくるのかなと思います。
やはり療法士は小手先の技術の前に、病態の背景を理解することや、解剖学・生理学・運動学の基礎知識を大切に、コツコツ少しずつ積み上げていく。
積み上げたもの、積み上げているものをどんどん臨床場面で使っていく。
こういったことが重要なんだろうと実感しています。
今日はそんな雑感でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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