理学療法士の井上(@Rehacon)です。
これまで記事をいくつも書いてきて、書けば書くほど足元の重要性というのを感じています。
専門用語になりますが、足元の「足部(そくぶ)」機能は膝の痛みや腰痛・肩こりなど、全身へ波及していくとても大切な部位です。
Tarzan編集部 マガジンハウス 2016-03-10
なかなか面白かったですよ。
過去の記事と重複する部分もありますが、今回は改めて足部機能についてTarzanを引用しながらまとめたいと思います。
まず足部の解剖を見てみましょう
そのうち、足元の足部の骨は片方で28個、左右合わせて56個の骨が集まっています。
つまり、体の骨の1/4が足部に集まっています。
この足部の骨は小さな骨や細い骨が多いのですが、小さな骨が連結し、筋肉や靭帯などで補強されています。
足に備わった4大機能
それではここからは一部Tarzanから引用します。
- 体重を支える
- 可動性を支える
- 地面の情報を伝える
- 血液の循環を助ける
大別すると、この4つの機能が主な足部の機能となります。
体重を支える
限られた面積で合理的に荷重を分散させるために、
足の親指の付け根、小指の付け根、踵の中央という3点で支持している。
加えて、これら3点を結ぶアーチで安定性を保っている。
体重をうまく分散させるという重要な役割がアーチにはあります。
さらにこれに付け加えると、アーチの役割として「衝撃吸収」という重要な役割があります。
衝撃吸収ができないと、床から跳ね返ってくる衝撃(床反力)を他の部位で吸収するように代用しないといけません。
そうなると他の部位に負担がかかり、怪我などにつながりやすくなります。
この代表例が前回記事にした「シンスプリント」です。
つまり、体重を支えるだけでなく、床から跳ね返ってくる衝撃を吸収するという重要な役割があります。
可動性を支える
無駄な筋力をなるべく使わないように、歩行やランニングではカラダは着地のエネルギーを腱や筋膜にエネルギーとしてプールして、蹴り出しの瞬間にタイミングよく一気に放出して前進していく。
この「無駄な筋力をなるべく使わない」というのがキーポイントです。
足元の衝撃をうまく吸収し、パワーをためる。このパワーを放出させるには、「バネ」が必要です。
ゴムをイメージしてみると分かりやすいです。
ゴムを引っ張るとテンションがかかり、離すと勢いよく前に飛んでいきます。
足裏も同じようにアーチでエネルギーを蓄え、一気に放出させて前への推進力をあげる役割があります。
さらに、
足の指がうまく使えるとより推進力が増します。
これはあくまでも自然な動きであり、推進力が落ちて筋力で補うというのは不自然で、無駄に筋筋膜に負担をかけるということになります。
つまり、無駄な力は痛みや疲労などのトラブルにつながりやすくなるということになります。
地面の情報を伝える
地面に常時接しているのは足裏のみ。そこで足裏には多くのセンサーが張り巡らされている。
これらのセンサーの情報が脳に伝わり、姿勢や動きの状態をリアルタイムに把握。倒れないように重心を安定させて効率的な動きができるように脳から指令が出ている。
靴を履くだけでも地面からの情報量は減少する。
足裏は「感覚」に非常に長けている部分です。
地面からの情報をいち早く察知し、脳に伝え、体のバランス制御に貢献します。
「靴を履くだけでも地面からの情報量は減少する」と引用しましたが、確かにその通りで、靴だけでなく靴下を履くだけでも感覚は減少します。
ですので、素足で過ごす時間を多く作ることや、素足でのトレーニングというのは感覚能力を養うことができるといえます。
血液の循環を助ける
立った姿勢では血液のおよそ70%は心臓より下にあり、重力に逆らって心臓に戻る必要がある。
それがふくらはぎの筋肉を中心としたミルキングアクション。筋肉の収縮で血管を押して血液を還流させる。
このミルキングアクションを効率的に行うには足首をうまく使う必要があります。
つまり、足首を構成する
「距骨(きょこつ)」・「脛骨(けいこつ)」・「腓骨(ひこつ)」の正しい形状はとても重要な役割を担います。
まとめ
今回はTarzanを引用しながら、主な足部の機能4つを解説しました。
足部の状態は全身へ影響を及ぼします。
関節・筋筋膜をはじめとして、足裏のアーチ構造の正常化というのはとても大切であることがお分かりいただけたかと思います。
次回はこの足部でポイントとなる関節をご紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。
Tarzan編集部 マガジンハウス 2016-03-10
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