理学療法士の井上(@Rehacon)です。
ここ最近は理学療法士や作業療法士の方で起業する方が増えてきていますね。
起業するってとてもハードルが高いような気がしますが、色々と見ていて起業している人にはある共通点があるなと感じています。
それは、
療法士として何か特化したものがある
ということです。
私はというと、理学療法士になってから、何かに特化するというよりどんなケースにでも対応できるセラピストになりたいと思って過ごしてきました。
でも、今は考え方が変わっています。
今回は、これからの厳しい時代を療法士が生き抜いていくためにどうしたらいいのか、自分の戒めも含め書いてみたいと思います。
療法士の起業ケース
ここ数年で療法士の起業が盛んになっています。
私の周りでも動き出している人もいますし、今後起業したいと強く考えている人もたくさんいます。
では、先駆者達の起業の形ってどんなものがあるのでしょうか。
- セミナー事業
- リハビリ特化型デイサービス設立
- リハビリ特化型の訪問看護ステーション設立
- 整体サロン
- ヨガやピラティスなどのボディワークサロン
- ボディコンディショニングサロン
だいたいこういったところが該当すると思います。
セミナー事業
これはもう今は飽和してきている印象ですね。
セミナー事業を行っても集客できていないところもあるようですし、一時ブーム的に人気のあった団体も今ではかなり縮小しているようです。
今後のセミナー事業がどうなるかは分かりませんが、座学に関してはおそらくWeb上(動画含む)でのセミナーが今後は増えていくと私は思います。
動画ではありませんが、実際にネット版症例検討のような形で素晴らしい活動をされている理学療法士の方もいます。
めちゃんこ面白いですよ。療法士の方なら是非一度のぞいてみてください。
今後はこういうものが増えていくと推測してます。
ただし、実技系のセミナーはやはり実際に教わらないと難しいのが現状です。
私はインソールのセミナーには頻繁に行きますが、1人で勉強する、参考書を勉強するだけでは実際に不十分です。
しかし今後は実技系セミナーでも、本当に力のある団体しか残らないような気がします。
リハビリ特化型デイサービス
これは特に飽和状態ですね。
実は私は3年ほど前にリハビリ特化型デイサービスを設立しようと目論んでいました。
事業計画など作り、物件もある程度決まったところまでいきましたが、今後の介護保険事業に対しての不安が拭い去れなくて止めることにしました。
前回の介護報酬改定で、小規模型のデイサービスは廃業に追い込まれているところも多いです。
3年前に始めていたら、もしかすると潰れていたかもしれません。
今もなおリハビリ特化型デイサービスを運営できているところは、赤字を補填できる何か別の事業を行っているところが大半だと思います。
療法士でいうと、やはりセミナー事業や自費事業を並行して行っているところが多い印象です。
次回の医療・介護同時改定では、かなりの減算になるのではと言われています。
今後の介護保険事業はさらに厳しいものになるかもしれません。
今後の対応策としては、何か別事業と並行して行うか、中にはありますが、リハビリの中でもさらに特化していくことが必要だと考えます。
- 歩行特化型リハビリデイサービス
- 脳卒中専門リハビリデイサービス
- 小児専門リハビリデイサービス
- 運動器専門リハビリデイサービス
等々が考えられます。
こういうデイサービスは今後増えていきそうな予感がします。
このメリットとしては「集客」でしょうか。
特化していると集客しやすいと思いますし、ケアマネさんやご本人・ご家族も選びやすいという側面があるのではないかと思います。
リハビリ特化型訪問看護ステーション
これもだいぶ増えてきましたね。
訪問リハビリはまだまだニーズが多いですし、今後の需要も見込まれます。
ただし、訪問看護におけるリハビリでは、やはり前回の改定で減算対象となっています。
今後がっつり削られることはまだないと思いますが、少しずつ減収になることは予想されます。
また、私も現在所属している訪問リハビリは「みなし訪問リハビリテーション」という扱いになりますが、外部主治医でも受け入れられるようになりました。
つまり、訪問看護ステーションと同等の位置付けです。今後訪問リハビリが普及していく可能性もあります。
訪問看護ステーションとしての今後の対応策としては、これもデイサービスと同じように「専門分業化」していくと集客しやすいんじゃないかと思います。
私は小児に対するリハビリは、骨折しか経験がありません。
脳性麻痺など、療法士でも専門的にやってきた方もいると思いますので、同じ訪問でも地域でつながりをもってより専門的なことは専門家にお願いする。こういうことが必要なんじゃないかと思います。
整体サロン
療法士がこの分野に参入してきているケースが多くなってきています。
何をもって成功しているかというのは私には分かりませんが、共通点としてはやはり何か特化した技術があるということ。
- 筋膜系治療(筋膜マニュピレーション・トリガーポイントなど)
- インソール
- オステオパシー
- 腰痛専門
- 内臓専門
- アレルギー専門
等々あります。
こういった技術を駆使して独立している療法士の方も増えてます。
ただこれは、あくまでも技術が伴わないといけません。
療法士として、そしてさらに特化した技術を持ち合わせないと厳しいということですね。
ボディワークサロン
ヨガやピラティスなどのボディワークが該当すると思いますが、ボディワークも特化した技術です。
インストラクターの認定資格もありますし、これらの認定資格をとるには結構大変な印象があります。
ボディワーク以外にもコンディショニングを整える方法はありますが、いずれにしても療法士だけの知識では不足していると言わざるを得ません。
ボディコンディショニングサロン
コンディショニングとは、「身体の調子を整えること・調整すること」をいいます。
この概念で考えると、上で説明したボディワークも1つのコンディショニングです。
痛みを取るような整体サロンもそうです。
トレーニングもそうなります。
つまりコンディショニングとは、幅広い概念であるという認識でいいと思います。
1つのサロンに複数のサービスが含まれるのがコンディショニングサロンというふうに私は捉えています。
全てに共通しているのは何かに「特化」しているということ
これまでの説明通り、起業している例をみると、いずれも「特化したもの」であるというところです。
つまり、今後療法士が起業していくにはサービス内容にしても、技術にしても、何かしら特化したものが必要であるということは間違いないということです。
今後は予防領域にどう関われるか
見出し通り、今後は予防領域に療法士がどう関われるかが鍵になると思います。
地域とのつながりをもって、色々と健康予防というものにどう介入できるのか。
それをやるにはどう動いたらいいのか。
色々難しいことも多いですが、考えていかなくてはいけないことですね。
最後に
あくまでも私自身の考えですが、ふと感じたことを書いてみました。
もう理学療法士だから、作業療法士だからというのは付加価値にはならないということですね。
時代の流れに合わせて自分の考え方も変えていかないとついていけなくなりそうです。
行動を起こさないといけませんね。
この記事は私自身への戒めでもあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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